北海道キャンプ場見聞録
尻別川(2017/06/25)
雨でも楽しい川下り
カヌークラブ例会2日目は夏のラフトコース。
昨日は17名の参加だったのが、今日は一気に増えて26名。
やっぱり尻別川は、こちらのコースの方が人気があるようだ。
還暦を過ぎたS藤さんも、S村さんの前ではまだまだ若造
今日の集合時間は9時半だったが、キャンプ場に前泊していたメンバーはサッサと片付けを終えて8時半に集まってくる。
今日から参加するメンバーも、8時半にはほぼ全員が揃ってしまったので、直ぐに車を回送する。
集合時間より早く集まってしまうのは何時ものパターンである。
久しぶりに顔を見せてくれたS村さんは、何と75歳。
後期高齢者になったと、はにかみながら話すその姿は、絶対に75歳には見えない。
N島会長やY須賀さん、G藤さんを見ていて「自分はこの年齢までこんなに元気にいられるだろうか」と考え込んでしまうが、S村さんを見ると、自分は絶対に無理だと直ぐに諦めの境地になってしまう。
スタート地点に皆が舟を浮かべると、川の上は大賑わいとなる。
一緒にスタートしたラフトの人達もビックリしていた。
川の上は大賑わいだけれど、ここに写っていない人もまだ沢山いるのだ
昨日ゲスト参加していた長良川の帝王S木さんが言っていたけれど、これだけ会員数が多くて、しかも毎月の例会にもこれだけ多くの参加者があるクラブは、本州の方でもあまり無いらしい。
確かに、春の千歳川例会では40人も集まったし、こんなクラブは日本でも珍しいかもしれない。
瀬の中を各自が自由に下っていく
尻別川の水位は2週間前に下った時よりも30センチくらい下がっていたが、それでも普段よりは多いくらいだ。
最初のパチンコの瀬の岩も、まだ大部分が水面下に隠れたままだ。
参加者は多くても、皆ベテランばかりなので、それぞれ自分の好きなルートを勝手に下っていく。
ちょっと不安なのがS澤さんとH池・M木ペアだが、この程度の瀬なら全く問題なく下れるくらいのスキルは身に付けている。
パチンコ岩の瀬の最後で待ち受けている波の大きな瀬。
迫力のある写真が撮れるところである。
しかし、良い撮影ポジションに着く前に、後続メンバーが次々と下ってきてしまい、しょうがなく適当にシャッターを切る。
カナディアンのソロは、皆同じ場所で頭を振られて岩に引っ掛かり、そのまま後ろ向きになって下ってくる。
しかし、沈するような人は誰もいない。
ソロのカナディアンは同じ場所に引っ掛かっていた
シャッターを切るタイミングが悪いと水しぶきに隠れてしまう
そこを過ぎたところで、とうとう雨が降り出してきてしまった。
最初から雨に降られるとテンションも下がってしまうが、ここに来るまで皆十分に川の水を浴びていたので、そんな雨も大して気にならない。
ちょっとだけ大きな波の立つポイントがあるので、先に下ってそこでカメラを構えて後続メンバーを待つ。
大体は期待通りにその波の中に突っ込んでくれるが、避けるスペースは十分にあるので、私が「波の方に行け」と手で合図しても、逃げてしまうメンバーもいる。
これはカメラマンとして不満なのだが、自分だってその波は敢えて避けて下っていたので、文句を言える筋ではない。
瀬を過ぎると暫く穏やかな流れが続く。
そんなところでは漕ぐのを止めて、皆でお喋りしながら流されていく。
昨日の宴会の下ネタ話しがそのまま続いている人もいて、下着は着けない方が良いとか悪いとか、川の女神に聞かれたら怒られそうな話しも聞こえてくる。
川の上でも話の中身は下ネタ
団子になって下ってくる人達もいる
要所要所の瀬で写真を撮りながら下っていく。
大体はI山さんがビデオを撮って、私が写真を撮るパターンだ。
I山さんより先に下ると、ビデオに映らなくなるのだが、これはしょうがない。
水門下の瀬を下ったところで皆が岸に上陸し始めた。
11時を過ぎたばかりだけれど、ここで昼の休憩にするようだ。
しかし、相変わらず雨は降り続き、座ってゆっくりと休めそうな場所も無く、直ぐにまた下り始める。
そして次はいよいよ二股の瀬だ。
I山さんが「下見しますか?」と聞いてきたが、2週間前にも下っているメンバーもいるし、今日の水量ならば特に問題も無さそうなので、そのまま下っていくことにした。
先に下っていったI山さんが、岩の上に登ってきてビデオを構えるのを確認してから、後続メンバーが下り始める。
私も、カヤックが数艇先に下ってから、その後に続く。
前回と同じく、最初の大きな波のど真ん中に突っ込んだ。
そのつもりだったけれど、後でI山さんに撮ってもらったビデオを見たら、どちらかと言うとそれはチキンルートだったみたいだ。
流されている人よりロープを投げた人を撮した方が良かった
急いで上陸して撮影班に回ろうとしていたら、カナディアンのkenjiさんが流されてきた。
今日は最初から「沈しそうな気がする」と言っていたkenjiさんだけれど、その通りになってしまったようだ。
このままでは下流の瀬まで流されていってしまう。
ここはさすがに、カメラよりもレスキューである。
慌てて、ロープの準備をしていると、横から1本のレスキューロープが飛んできて、ストライクでkenjiさんの上にかかる。
O橋さんの投げたロープである。
今、クラブの中でレスキューロープを投げるのが一番上手いのは多分O橋さんだろう。
感心したのは、大きなカナディアンを抱えたままロープに掴まっているkenjiさんをO橋さん1人で引っ張っていることだった。
カナディアンと一緒に人間一人が流されている重量は、下手をするとロープを投げた方まで川の中に引きずり込まれるくらいのものがある。
それを、腰を落としてしっかりと支えている姿は、とても格好良い。
流されている方よりもそちらにカメラを向けるようでなければ、川下りカメラマンとしては失格である。
決定的な沈シーンは録り逃したけれど、気を取り直して後続メンバーを撮影する。
2艇並んで下ってきたのはS澤さんとS藤さん。
最初から示し合わせていたのかと思ったら、後から付いてこいと言われていたS澤さんがS藤さんに追い付いてしまっただけらしい。
S澤さんにとって、千歳川以外で沈せずに下れた、これが最初の川となったらしい。
K崎さんは瀬の中で技を出すくらいの余裕がある。
技を繰り出すK崎さん
タンデムで下ってきたS藤さんとS澤さん
S村さんは、とても75歳とは思えない様なパドリングで波を越えていく。
今シーズン初の川下りで緊張していたガンちゃんも、顔面から波に体当たりして瀬をクリア。
顔面から体当たりするガンちゃん
年齢を感じさせないS村さん
前回ここで沈していたH池・M木ペアは、見事にリベンジ。
今日はそれぞれソロで漕いでいる熊五郎さんご夫妻は、これだけ気持ち良く瀬を下ってしまうと、もうタンデムには戻れないかもしれない。
ソロで下るのが楽しくて堪らない熊五郎さん奥様
リベンジを果たしたH池・M木ペア
一番最後に下ってきたタケちゃんは、期待通りに波の上で跳ねてくれた。
何時もフォトジェニックなタケちゃん
ここでゆっくりとお昼を食べたかったけれど・・・
雨も上がり、瀬の中で遊び始めるメンバーもいて、ここで改めて昼食タイムにするのも良さそうだ。
そう思っていると、タケちゃんが流されてきた。
サーフィンで遊んでいて、カヤックならば沈してもロールで起き上がれるけれど、OC-1はロールが難しいのでこうなってしまうのだ。
ここでもまたO橋さんのロープで助けられる。
次はN島さんが沈して流され始める。
それでもセルフレスキューはお手の物のN島さんなので、自分でカヌーを引っ張って対岸のエディに入る。
しかし、足場がないので再乗艇に苦労していた。
そしてまた、流され始める。
O橋さんのロープの用意はまだできていなかった。
そこでO橋さんに助けられたタケちゃんが自分のロープを投げる。
しかし、対岸ギリギリを流されているN島さんには届かない。
続いて私もロープを投げたが、後1m足りなかった。
そしてそのまま下流の瀬に飲み込まれ、カヤック数艇がその後を追っていく。
結局、ここでの昼食はできなくなってしまったのである。
I山さん2度目の沈脱
その後、レスキューされたN島さんと合流して、再び下り始める。
その直ぐ下流の最後の瀬を下ったところで、I山さんがビデオカメラを構える。
そこに下っていったタケちゃんが、岩に引っ掛かって沈。
その下は瀞場なので問題ないだろうと思って見ていたら、そこでビデオを構えていたI山さんまでが何故か川の中で泳いでいた。
I山さん、本日2回目の沈脱である。
監督を務めた1週間前のママチャリレースで、20位以内に入れなかったショックで帯状疱疹を発症し、その後仕事に追われ土曜日の川下りをキャンセルしてキャンプから参加し、ノンアルコールビールで我慢していたI山さん。
「疲れが溜まっていてロールも起きなかったのだろう」と皆から慰めてもらっていたが、「帯状疱疹にかかったのに川を下っているなんて有り得ない」との意見の方が多かったのは事実である。
後はゴールまでゆっくりと下っていく。
川岸ではルピナスが花を咲かせていた。
最後の土壁の風景には、毎度のことながら感動させられる。
最後に土壁の風景を楽しむ
ゴール間際になって、再び雨が降り始めた。
最悪のタイミングだけれど、その雨も着替えている途中には止んでくれた。
雨に降られたけれど、そんなことも気にならないくらいに楽しい川下りだった。
雨の中でもこんなに楽しめるスポーツは、カヌーとサーフィンくらいかもしれない。
(当日13:00尻別川水位 倶知安観測所 167.44m)