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尻別川(2017/06/24)

川下りが目的じゃなくて

カヌークラブの6月例会は、尻別川上流部の境橋から下ることになっていた。
ゴール地点を何処にするかが決まっていなかったはずなので、集合場所である喜茂別のきのこ王国駐車場に向かう前に、ゴール地点になりそうな場所を下見しておく。
喜茂別川との合流部はイタドリが茂って、河川敷まで車を乗り入れるのも躊躇われる状況。
喜茂別町民公園裏ならば何とかなりそうだ。

集合時間の10時よりかなり早く着いたつもりだったけれど、何時ものように他にすることのないおじさん達が早々に集まっていた。
スタート予定地点を見てきた熊五郎さんの話しでは「車も数台しか停められないし、草が茂っていてカヌーを下ろすのも大変そう」とのこと。
Oはしさんは「上流部って何も無いよね、水も少なそうだし」。
N島会長は「今日は川を下るより、温泉に入ってビールを飲むことが目的だから」。


スタート地点の水量は多かった

下る区間はあっさりと変更され、喜茂別から京極までを下ることになる。
スタート地点はゴール地点になるはずだった町民公園裏。
先にそこにカヌーを下ろして、ゴール地点に車を回し、数台に分乗してスタート地点に戻ってくる。
下り始める頃には、時間は既に11時半近くになっていた。
この区間を下るのならば、京極の道の駅を集合場所にしておけば、もっと早い時間にスタートできたのに、相変わらず計画性のない我がクラブである。

誰かが水が少ないと言っていたけれど、スタート地点の水量は、過去にここを下った中では一番多いような気がする。
この水量ならば、上流部を下った方がもっと変化のある川下りを楽しめたはずである。


カラスアゲハがお見送り

喜茂別下流観測所のこの日の水位は、逆に一番少なくなっていた。
多分、河床の高さが変わったのだろう。
観測所の水位だけを参考にしていると、たまにこんな事も有るのである。

参加者は17名。
例会で下るにはちょうど良い人数だったけれど、予想していたよりは少なかった。
最近の例会ではレベルの高い川ばかりになっていたので、たまにハードルを下げて、皆が参加しやすい川も例会に加えようと考えてこの日になったのである。
しかし、結局集まったのは「こんな川じゃ物足りない」と言いたげなメンバーばかり。
例会で下る川を決めるのはなかなか難しいのだ。

湿った岩の上にカラスアゲハが群がっていた。
水でも飲みに来ているのだろうか。

緑に囲まれた尻別川を下り始める。


緑が気持ち良い



この程度の瀬しかない

瀬の中で写真を撮ろうと思っていたが、瀬らしい瀬がなかなか現れない。
喜茂別川合流部手前でようやく少し波のある瀬があったので、まずはそこで皆の写真を撮る。

水は多いけれど、そのおかげで邪魔な岩が隠れて、逆に下りやすくなっている。
写真の方も今一迫力不足だ。

右側から喜茂別川が合流してくるところでは、数年前にコージさんが沈脱していた。
勿論それは、そこで遊ぼうとしての沈だったけれど、今日の流れを見る限りではとても沈しそうな場所には見えない。

川の正面に羊蹄山が聳える、この区間での一番のビューポイントまでやって来たが、今日の羊蹄山は雲に包まれ、かろうじてその山頂だけが見えているだけだった。


羊蹄山は雲の中だ


スタートする頃は陽射しもあったけれど、今は青空もほとんど見えない。
今日は倶知安より北の方に雨雲があって、小樽や札幌では既に雨が降っている。
その雨雲が少しでも南に下がってくれば、この辺りでも雨が降るはずである。


狭い川原で昼食

私達は北に向かって川を下っているので、雨雲に向かって下っているようなものだ。
前方には嫌な雲が垂れ込めているが、後ろを振り返れば青空もまだ見えていた。

既に12時を過ぎていたので、小さな川原を見つけてそこで昼食にする。
本当はもっと広い川原なのだろうけれど、水が増えてほとんどが水没しているのだ。
周りをヤナギや草むらに囲まれ、そこで小さくなって昼食を食べるのでは気分的にも盛り上がらない。

ようやく瀬らしい場所が時々現れるようになってきた。
でも、やっぱり今一迫力不足である。
と思っていたら、そんな迫力のない瀬でS澤さんが沈してしまった。


練習の成果も現れずに泳ぐS澤さん

出張のついでに本州のカヌースクールでロールの練習をしてきたというS澤さん。
早速その成果を見せるチャンスが訪れた。
スクールで幾ら払ったかは知らないが、そのお金の分だけの成果は無かったようである。

留産橋の下流に石を並べた堰があって、ちょっとした落ち込みになっている。
そこならば良い写真が撮れそうだと思って、先頭で下っていく。
しかし、水が増えたおかげで落ち込みは完全に潰れてしまし、波も立っていなかった。

大体は水が増えると川の難易度も上がるのだけれど、尻別川のこの区間は逆につまらなくなってしまうようだ。
それでもようやく流れの中に岩が点在する瀬らしい場所が現れた。
後ろには尻別岳も見えている
山頂に雲がかかっているけれど、瀬と尻別岳が重なって、なかなか良いビューポイントだ。


瀬の後ろに尻別岳が見える



瀬の中で絡み合う2艇

E藤さんのカヤックが岩の一つに乗り上げてしまい、そこに熊五郎さんのカナディアンが突っ込んできた。
その後に起こる事態を期待しながらカメラを向ける。
しかし、E藤さんはカナディアンに掴まって岩から脱出し、熊五郎さんも無事に瀬を下り、私の期待は見事に裏切られてしまった。

その先で堰堤をポーテージ。
厚田川でポーテージした堰堤とは規模が全然違うけれど、こちらの堰堤の方がポーテージの距離が短くて楽である。

ただ、距離は短くても高低差が大きいので、やっぱりカナディアンのポーテージは大変だ。

私が一番楽しみにしていたのが、この堰堤の下流にある瀬である。
今回下る区間では、一番の難所と言っても良い。


もう少し迫力のある瀬を期待していたが

高低差があるので、水が多くても潰れてしまうことはない。
逆に、どれだけ大きな波が立っているかが心配だった。

ところが期待に反して、ここも迫力のない瀬に変わってしまっていた。
おまけに、撮影ポイントになりそうなエディも無く、下流まで流されてしまう。
ここでも大した写真は撮れなかった。

後は、ゴール地点まで穏やかな流れが続いているだけ。
流れに任せてのんびりと下っていくと、突然ポツポツと大粒の雨が落ちてきた。
直ぐにそれは土砂降りの雨に変わる。

川下りをしていて、ゴールして着替える時に雨に降られるのが一番辛い。
最悪のタイミングの雨である。
しかし、この雨もゴールする頃には止んでくれて、着替えを済ます頃には日も射してきた。


ゴール間近で土砂降りの雨に当たる


ちょっと期待に反した川下りとなってしまったが、ここでN島会長の話しを思い出した。
今日の川下りは、これからの楽しみの前哨戦でしかなかったのだ。
車にカヌーを積み込み、温泉とビールを楽しみに、京極温泉に隣接するキャンプ場へと向かったのである。



(当日11:00尻別川水位 喜茂別下流 252.67m 
三崎 219.76m)



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