北海道キャンプ場見聞録
愛宕山(京都) (2020/11/22)
3連休の混雑を避けて
京都滞在中、3連休の混雑を避ける方法として思いついた愛宕山登山。
少々人が多かったとしても、山の上ならばそんなに気にならないだろうとの読みである。
愛宕山に登るコースは色々と有るみたいだけれど、私達は最も一般的な表参道ルートから登ることにした。
登山口は、京都一周トレイルを歩いている時にも通っていた清滝。
嵐電嵐山駅からバスに乗り換え、午前8時前に清滝バス停に到着。
朝霧がかかっていたけれど、直ぐに晴れてきそうな様子だ。
朝の清滝は霧がかかっていたけれど上空には青空が
愛宕神社の鳥居が登山口。
登山というより神社に参拝する気分である。
愛宕神社の鳥居が登山口
その先にいたワンちゃん。
最近、愛宕山登山100回を達成したばかりらしく、地元の方にはアイドル的な存在のようだ。
人気者のクゥーちゃん
登山道沿いにはお地蔵さんが沢山ある。
最初のうちは面白がって一つ一つ写真を撮っていたけれど、途中の看板に「1丁目毎に地蔵があり、山頂まで50丁ある」と書かれているのを見て、それ以降は気になったお地蔵さんの写真だけを撮ることになる。
お地蔵さんが見守ってくれる
所々にある看板にも丁目の数字が書かれているけれど、そんなに登ってきていないのにいきなり20丁目になっていて、何か変だなと思いながら登っていた。
この文書を書いている時になって知ったのだけれど、登山口にあった鳥居ではなく、そこから離れた場所にある一の鳥居から数えての丁目になっているようだ。
言われてみれば、京都一周トレイルで鳥居本へ下りてきた時に愛宕神社の鳥居があったが、それが一の鳥居だったのである。
京都一周トレイル最終日に鳥居本に下りてきた時に見たのが愛宕神社一の鳥居だった
昔は登山客を相手にした茶屋も沢山あったらしく、所々に石垣などが残っている。
明治の初めには19軒も茶屋があったとのこと。
それだけの茶屋が営業できるのだから、今では想像もできないくらいに昔は沢山の登山者がいたのだろう。
この辺りの石垣も茶屋の跡だろうか
登山道は、階段になっている場所が多く歩きやすい。
ただ、階段が多いということは、それだけ登りが続くことでもある。
楽をできるような部分がないので、ひたすら登り続けなければならない。
延々と階段が続く
途中で暑くなってきて上着を脱ぎ、その後にTシャツになり、それでも暑くてたまらずに5合目の休憩所で半ズボン姿となる。
膝から下を取り外せるようになっているトレッキングパンツなので、京都一周トレイル歩きも含めて、随分とこの機能が役に立ってくれた。
登り始めてからここまで50分くらいだろうか。
ようやく少しだけ休ませてもらえた。
5合目休息所で一休み
大きな杉の倒れた跡があった。
そこには酒樽も置かれている。
後で調べてみたところ、ここには杉の巨木をご神体とする大杉大神の小さな祠があったらしい。
その大杉は2017年の台風で倒れたとのこと。
3年前に倒れた御神体の大杉
これまでに2018年の台風による倒木被害の跡を何度も目にしていたけれど、その前にも大きな台風被害があったのである。
そして2019年には大雨による被害もあり、最近の気候変動は古都京都にも多くの影響を与えているようだ。
この大杉大神の少し先には、京都市内を見渡せる素晴らしい展望地があった。
蛇行しながら流れる桂川の水面が太陽に照らされて白く光って見えている。
京都市内の展望
京都一周トレイルを歩いている時は、展望ポイントから京都の街を見渡しても、何処が見えているのかさっぱり分からなかった。
しかし、京都滞在期間も長くなり、トレイル歩き最終日には松尾山からこの愛宕山を眺めていたこともあり、嵐山や嵯峨野付近が手前に見えていることだけは理解できた。
山の眺めも素晴らしかった
水尾わかれの休息所まで登ってきた。
時間は9時25分。
ここで水尾から登ってくるルートと合流するのだが、水尾が何処にあるのかも分からない。
休息することもなく、登り続ける。
子供連れで登っているファミリーも沢山見かけた。
こんな小さな子でも登れるのだと驚かされることもあり、これでは私も途中で休んではいられないのだ。
微笑ましいファミリー登山
途中で雲海が見えていた。
その風景に喜んでカメラを向けたが、上空には雲も広がってきていた。
そのせいなのか、標高が高いからなのか、半袖半ズボン姿では少し寒く感じてきた。
雲海も良いけれど、雲の下の風景も見てみたかった
山門が見えてきた。
それを見て愛宕神社に着いたのかと喜んだが、その門は黒門と呼ばれ、昔ここにあった白雲寺の名残の一つだった。
その門を過ぎても愛宕神社までまだ暫くあったのである。
黒門を過ぎても先はまだ長かった
石灯籠が現れたので、もう少しかと思ったがまだまだである。
愛宕神社境内に入っても、まだ先は長い
そして最後に現れたのが急で長い階段。
これが男坂、別名「出世の石段」と言われているのだとか。
退職した身では、出世など全く関係なく、ただ辛いだけの階段だった。
そうして午前9時53分愛宕神社本殿に到着。
山頂は別にあるのかと思ったが、この愛宕神社本殿の建っている場所が山頂のようだ。
男坂を上から見下ろす
参拝して御朱印を貰っていると、神社の方から「ツイッターに載せるので写真を撮らせてください」と言われる。
後で愛宕神社のツイッターを見てみると、この日も沢山の登頂者(参拝者)の写真が載っていた。
これが、今回の京都の旅において夫婦二人で写った貴重な2枚の写真のうちの1枚となったのである。(もう1枚は比叡山で写したもの)
貴重なツーショット写真
男坂を下りたところで一休みする。
眺めの良い場所を探したが、杉の樹木越しに京都市内を眺めるような場所しかない。
それにしても、今まで脱いでいた服を全部着込んでもまだ寒かった。
陽射しがあって、風も吹いていなければもっと暖かく感じたのだろうが、吹いてくる風がやたらに冷たいのである。
境内には下界を望める場所が少ない
何時もは禁煙している私だけれど、登頂した山の上での一服だけは止められない。
しかしここは神社の境内、しかも防火の神様の神社である。
今回だけは我慢するしか無かった。
午前10時25分下山開始。
下山は月輪寺参道を下ることにする。
その月輪寺参道、男坂の手前から少し入ったところで絶景が待っていた。
登ってきたのと同じ道を下っていたとしたら、この風景を見ないで終わるところだった。
見えているのは、登っている途中で見た場所と殆ど同じ場所だが、標高がそこより350m程度高くなった分、見える風景に更に奥行きがプラスされた感じである。
愛宕山からの展望
そこから先、急な下りが続く。
全体的に、表参道より傾斜が急なようだ。
そこを登ってくる人ともたまにすれ違うけれど、皆辛そうな表情を浮かべている。
わざわざこのルートから登るなんて、Mな人達としか思えない。
このルートの途中にある月輪寺は眺めも良いと聞いていたので、そこで昼食にするつもりでいた。
ところがその手前のゲートに吊り下げられていた看板を見てガッカリした。
そこには「コロナウイルス予防のため境内ではマスクを着用し、休憩などの行為はやめて下さい」と書かれていたのである。
月輪寺境内から眺める紅葉の風景も素晴らしかった
月輪寺境内は、確かに眺めも良く紅葉も綺麗だった。
しかし、食事どころか休憩も駄目と言われては、写真を撮っただけで足早に立ち去るしかない。
そこからまた暫く下ったところで、ベンチのある場所を見つけ、ようやくそこで昼食をとることができた。
ここまで下ると気温も上がってきたのか、上着を脱ぐくらいの暖かさである。
ここで昼食をとった
私達が昼食を食べている間にそこに登ってきた人達は、皆すごい汗をかいていた。
気温が上がってきたからなのかと思っていたが、そこから先がまた急な下りとなっていたのである。
山の中の急な道を下っていて下から水音が聞こえてきたら、もう少しで楽になるのだとホッとする。
急な登山道を一気に下ってきた
そこからは川沿いの林道を登山口まで歩いて戻ることになる。
京都一周トレイルの最終日にもここを歩いていたはずだ。
三日前に歩いたばかりなのに、あまり見覚えのない景色だなと思っていたら、暫く先で京都一周トレイルと合流。
そこで初めて、下に見えている川を清滝川だと思っていたが、ぜんぜん違う川だったことを知ることとなる。
そうして今度こそ三日前と同じ道を歩いて、午後12時30分、登山口へと戻ってきた。
清滝川の河原に降りて、食べずに残っていたミカンを食べて一休み。
下山してきて清滝川の河原でミカンを食べた
清滝バス停からバスに乗って嵐山へと戻る。
3連休中日の今日は嵐山も凄い人出となっていた。
バスも交通渋滞で動かなくなり、手前のバス停で下りて歩くことにした。
嵐山は凄い人出だった
人波を掻き分けて、ようやく嵐電の駅へと辿り着いた。
この日を愛宕山登山に当てたのは大正解だったようだ。