北海道キャンプ場見聞録
屋久島縦走(2016/05/14)
二日目(白谷小屋〜新高塚小屋) |
朝3時に目覚ましをかけて、ソロの男性が早々に出発した。 顔を洗いに外に出ると霧雨が降っていた。 朝のコーヒーを入れ、朝食を済ませ、朝の6時半には山小屋を出る。 朝の6時半でも、下から登ってきた登山者が休憩のために次々と白谷小屋までやって来ていた。 有名な苔むす森はサッサと通り過ぎる。 その先から急登が続く。 辻峠まで登ってきた。 途中から雨が本格的に降り始めたので、汗で濡れるのは我慢して雨具を着込むことにする。 |
辻峠を越えると下りになる | 辻の岩屋を過ぎる頃から雨が強くなる |
8時半に縄文杉へのメインルートであるトロッコ軌道へと合流した。 その時と違うのは、今回は防水の一眼レフカメラを持ってきていることだった。 重たいザックを背負ってノロノロと歩いていると、軽装の団体ツアーに次々と追い越される。 途中のトイレには長蛇の列。 何となく見覚えのあるガイドさんから挨拶された。昨日、渡渉中に転んだ時、助けてくれたガイドさんだ。 |
団体ツアー客に追い越される | トイレの前は長蛇の列 |
トロッコ道が終わり、いよいよ大株歩道へと入っていく。 ウィルソン株までやって来た。 人が少なくなったところで、ウィルソン株の中に入ってみる。 そのガイドが、何も知らずに株の中を見て歩いていた外人の男女に向かって「邪魔!邪魔!そこ退けて!」と暴言を吐いたのには驚いてしまった。 自分の客に一通り写真を撮らせた後、私に向かって「ほら、ここから撮りなさい」と言ってきた。 |
かなり微妙なハートだと思うが |
その先から更に登りがきつくなる。 そんな私達の様子を見ながら、ガイドが「この様に大きな荷物を背負っているのは縦走する人達です。大変そうに見えますが、この先で山小屋に泊まるので、私達より楽かもしれません。」などとツアー客に説明していた。 動物園の猿になった気分である。 初老に近いおばちゃん達の団体が休んでいた。 おばちゃん団体はこの先の高塚小屋に一泊するみたいだが、このおばちゃん達の面倒を見なければならないガイドの方が気の毒に思えてしょうがなかった。 登りはきついけれど、素晴らしい風景が次々に広がる。 所々にある広めのテラスでは、沢山の団体がそれぞれ弁当を食べているところだった。 |
頭上にも素晴らしい風景が広がる |
そんな様子を横目で見ながら、縄文杉までやって来ると、そこでも団体ツアーが撮影の順番待ちをしていた。 |
霧に霞む縄文杉 |
それにしても、週末とは言っても結構な人出である。 その時にガイドをした人が「GWのことは思い出したくもない」と言っていた程なので、余程悲惨な状況だったのだろう。 高塚小屋は最近新しく立て替えられ、3階建ての小綺麗な建物に変わっていた。 既に午後1時近くになっていたので、ここで昼食を食べようとしたが、汗で濡れた身体が冷えてくるので、昼食抜きで新高塚小屋まで歩くことにした。 高塚小屋の先から始まる登りも結構きつい。 雨は相変わらず降ったり止んだりを繰り返している。 ハイノキが真っ白な花を咲かせ、ヤクシマシャクナゲも所々で花を咲かせ始めていた。 |
ハイノキの花と巨木 |
14時45分、新高塚小屋に到着した。 その後も次々に登山者がやって来る。 ほぼ満員に近い室内を見ても全く気にせず、自分の客に向かって「ここは250人まで泊まれる山小屋ですから、お互いに詰めてもらえば楽に入れます」と説明していた。 「女性はこことここ、男性はここに入って下さい」と勝手に割り当てていく。 ツアー客の中の一人の女性が、私達の下のスペースに場所を割り当てられたようだ。 えっ?えっ! 究極の勘違いおばさんか、と思ったが、意外とそうでもなさそうだった。 勘違いしていることに変わりは無いが、きっと普段とは違う山の生活が面白くてしょうがないのだろう。 その間にもガイドの男性は外で食事の準備をしていた。 しかし、そのガイドさん、何と食器を忘れてきたようである。 そこで先程のお上品な女性が、他のツアー客に小声で「お昼のお弁当の容器を持ってきて下さいって」と伝え、ゴミ袋の中から空の容器を取り出していたのである。 その後からも登山客が次々とやって来たが、さすがにこの時間に来る人達は皆、テントを用意していて、小屋の周りの板のテラスにそれぞれテントを設営してた。 そんな混雑した山小屋も午後8時を過ぎると静かになった。 |
白谷小屋6:30 - トロッコ軌道8:30 - 大株歩道入口10:00 - 13:00高塚小屋13:15 - 新高塚小屋14:40 (縦走記録グラフ) |