北海道キャンプ場見聞録 夏山歩きの部屋
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屋久島縦走(2016/05/13)

一日目(海楽園キャンプ場〜白谷小屋)


私達にとって3度目の屋久島。
4年前に初めて訪れ、右も左も分からなかった時と比べれば、今回は気分的にもかなり余裕がある。
そこで、ちょっとしたチャレンジをしてみるつもりでいた。
ゼロ to ゼロ、海から登り始めて海へと降りる。島の山だから可能な、究極の縦走である。

先月に熊野古道小辺路の延長64キロ、累積標高4500mを3泊4日で縦走していたので、今回の屋久島完全縦走も無理ではないだろうと思っていた。
しかし、道の険しさは小辺路とは比べ物にならず、そして最終日に下る予定の永田歩道は歩く人も殆どいないような登山道らしい。
若干の不安はあったが、還暦を過ぎた自分が何処までやれるのか、プチ冒険の今回の計画だった。

海楽園キャンプ場からスタート過去2回は5泊6日の日程だったのに比べて、今回は15泊16日の長期滞在。
その中の天気の良い時に縦走しようと思っていたが、屋久島に着いて暫くは天気が良さそうなので、直ぐに縦走することに決めた。
縦走最終日に雨が降る予報になっていたが、今時期の屋久島で4日間も天気が続くことは期待できないのだ。

朝7時55分、海楽園のキャンプ場から歩き始める。
最初に登るのは楠川歩道。県道77号から楠川歩道への入口までキャンプ場から約1.5キロ。
屋久島縦走のためにはとても便利なキャンプ場なのである。

前日にキャンプ場の管理人をしている方に楠川歩道から登ると言ったら、「白谷雲水峡まで結構ありますよ!」と驚かれてしまった。
便利な場所に有るキャンプ場なのに、やっぱりここから歩いて登るような物好きな人間は殆どいないようである。

爽やかな青空が広がる前日に屋久島に着いた時には、肌に纏わり付いてくるようなネットリとした暑さにうんざりしたが、今日は湿度も低く爽やかな青空が広がっていた。
途中にあった神社にお参りして、暫くは舗装された道を登っていく。

途中で、海の砂を持ってくるのを忘れたことに気が付いた。
地元の人の岳参りで、海岸の砂を山の上の奥宮に供えるシーンをテレビで見たことがあるので、それを真似してみたかったのだ。
旅人の私がそんな真似事をしても御利益は無さそうなので、砂は諦めることにした。

山の中に入っていくと、白い花が道路を白く染めるくらいに散っている場所があった。
後で調べてみると、それはアブラギリの花らしく、屋久島滞在中は何度も同じような光景を目にすることとなる。


花の散らばる道
白い花が道を染める

苔むした石段を登る舗装道路も次第に荒れてきて、その中央を川のように水が流れていたりする。
その舗装道路も途切れて、いよいよ杉林の中の登山道へと入っていく。

自然の風景の中に突然石垣が現れた。
炭焼き窯の跡らしい。
昔の屋久島は、現在よりももっと山側まで、人々の営みがあったのだろう。

そこから先、次第に急な登りに変わってきた。
その急登に耐えられず、途中で休憩を入れる。
既に3時間近く、休みも取らずに歩いていたのだ。

苔生した岩場や石畳の道が現れるようになってきた。
楠川歩道は江戸時代から伐木材の搬出に使われていたらしいので、その名残なのかもしれない。

沢を渡るのに苦労する所々に目印の赤いリボンが木の枝等にぶら下がっているので、それを頼りに登っていく。
すると少し大きな沢に出てきた。
沢の反対側にもリボンが見えているので、この沢を渡らなければならないようだ。

しかし、簡単に渡れるような沢ではなかった。
ガイドブック等を見ていても、こんな沢のことは何処にも載っていなかったはずだ。

私は何とか渡れたけれど、かみさんが苦労していたので、ザックだけを私が持ってかみさんは空身で沢を渡る。
少しでも水が増えれば、渡渉できなくなりそうな沢である。


炭焼き窯跡 古い石畳
昔の炭焼き窯の跡だ 熊野古道のような石畳の道もある

東屋で昼食そこから少し登ったところで林道らしき場所へ出てきた。
今日は白谷小屋へ泊まる予定なので、そのまま林道を横切って楠川歩道を進むのが最短ルートとなる。
それでは勿体ないので、林道を少し下り白谷雲水峡の原生林歩道を歩いて白谷小屋に向かうことにする。

ちょうど昼になったので、雲水峡入口の東屋で昼食を食べる。
タクシーの運転手さんが話しかけてきた。
昨日、空港からキャンプ場までタクシーに乗った時の運転手さんだった。
その時の会話でも、縦走して永田歩道を降りる話しをすると、「私はお客さんにはあまり勧めてないんですよね」と言われてしまったのだ。

白谷雲水峡は4年前の屋久島縦走のスタート地点だった。
まだ暗いうちにタクシーでやって来て、この東屋で朝食を食べ、雨の降る中を歩き始めたのである。

白川雲水峡の風景 そのために、せっかくの白谷雲水峡の風景もあまり楽しむ余裕がなかったので、今回はその時の分まで白谷雲水峡の風景を楽しむことにする。

白妙の滝、飛流落としの滝と、白谷雲水峡はやっぱり、その名の通り水の風景が美しい。

少し遠回りになる弥生杉はパスして、最初に目にする屋久杉は二代大杉。
一応はその前で記念写真を写すけれど、過去の屋久島縦走で大きな屋久杉を何度も目にしているので、それ程の感動はなかった。

森の中を歩いていると上空の様子が分からないが、いつの間にか曇ってしまったようだ。
三本足杉、くぐり杉、奉行杉などと名前の付けられた屋久杉に次々と出会う。
しかし、周りの森を良く見ていれば、そんな名前を付けられた杉よりももっと興味を惹く樹木や風景が沢山あるのである。


白谷雲水峡の風景
白谷雲水峡はやっぱり水の風景が美しい

不思議な形のヒメシャラ 素適なベンチ
不思議な形のヒメシャラ 素晴らしい自然のベンチだ

幾つもの沢を渡るこのルートでは沢山の沢を越える。
増水していると危険な場合もあるが、今日は何処の沢も簡単に渡ることができた。

しかし、その中の一つの沢を渡る時、休憩していた女性グループに気を取られたせいか、足を滑らせ転倒。
おまけにストックを川の中に落としてしまう。

すると、そのグループをガイドしていたらしい若い男性が駆け付けてきて、私のストックを拾い上げ、「ここから渡って下さい」とそのストックを両手で持って手すり代わりにしてくれる。

彼にしてみれば、連れて歩いている女性客にガイドらしい格好良いところを見せられて気分が良いだろうが、私にとっては屈辱でしかない。
しかし、川の中でこけてしまった身としては、素直にそのストック手すりを頼りにするしか無かったのである。


白谷雲水峡の風景
圧倒されるような風景が次々に現れる

白谷小屋で寛ぐそんな事もありながら午後3時白谷小屋に到着。
この白谷小屋には便所が併設されていて、前回訪れた時はその臭いの酷さに、ここで泊まる予定でなくて良かったと思ったものである。
今回も、小屋に着く前からその臭いが漂ってきていた。

ちょっとがっかりしたが、部屋部分のドアを閉めてしまえば、その臭いはあまり気にならない。
早速、ザックの中に入れてきた金麦を水場で冷やす。
寝るスペースの掃除もして、これで今日は快適に寝られそうだ。

そこへ4人組のパーティーがやって来た。
トイレの利用だけかと思ったら、ここで泊まるみたいである。
その後からもソロの男性がやって来た。
ここの山小屋に泊まる人なんてそんなに居ないだろうと思っていたが、今日は金曜日である。
週末を利用して山に入る人も多いのだろう。

同宿の皆さん誰も居ない方が落ち着けるのは確かだけれど、これくらいの人数ならば山の話しをしながら情報交換もできるので、良いこともある。
ソロの男性が使っていたジェットボイルを見て、それがすっかり気に入ってしまった。
登山中のガスストーブは、殆どがお湯を沸かす目的でしか使わず、ジェットボイルだとそのお湯があっと言う間に沸いてしまう。
それなので、小型ガスカートリッジ一つで3泊程度の縦走ならば十分に足りるとのこと。
その大きさを見て買うのを躊躇っていたが、普通のガスカートリッジを二つも持つことを考えると、ジェットボイルの大きさは許せそうである。

小屋の前に大きなテーブルがあるので、夕食は皆そこで食べる。
初日の割り当てである金麦1本とワイン3分の1を空けて小屋の中へと戻った。

屋久島縦走2日目

屋久島縦走1日目のアルバム 


キャンプ場7:55 - 県道入口8:30 - 登山道入口9:30 - 11:45雲水峡入口12:20 - 白谷小屋15:00  (縦走記録グラフ



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