北海道キャンプ場見聞録
知床縦走(2016/08/03)
1日目(カムイワッカ湯の滝バス停〜第一火口キャンプ指定地) |
知床自然センターの駐車場に車を停め、8月1日から運行が始まったカムイワッカ湯の滝へのシャトルバスに乗り込む。 楽勝でバスに乗れるだろうと思っていたら、補助椅子も出してほぼ満員。 湯の滝に着くと、そこのバス停に縦走装備の親子がいた。大学生くらいの娘さんと、そのお父さん(だと思う)である。 2週間前に縦走した大雪山と比べると、こちらの方はかなり険しい道もあり難易度は高い。 湯の滝へ向かって歩き始めると、正面に見えている硫黄山は既に雲に隠れ始めていた。 湯の滝から先の林道は落石の恐れがあるために通行止めになっているが、道路特例使用承認申請書を提出すれば、登山者はその先の登山口まで行くことができる。 事前に書いておいた申請書をそのままポストに投函して、私達が先に進んだ。 間もなく硫黄山の登山口に到着。 いきなり、容赦のない急登が始まる。 一休みしていると、先程の男性二人に追い抜かれる。 森の中は見通しも悪く、熊避けの鈴だけでは心配なので、時々声を出しながら登っていく。 |
登山口の掲示板には熊目撃情報が沢山 | 熊に怯えながら森の中を登る |
突然、森を抜けて見晴らしの良い場所に出てきた。 男性二人もそこで休憩していて、しばらく話しをする。 そこへ、奥さんが3〜4ヶ月の赤ちゃんを抱っこした外人夫婦が登ってきた。 私達は10分程休んで再び登り始める。 しかし、遮るものがないので、夏の陽射しが容赦なく照り付けてくる。 大きな岩の上に熊の糞が乗っかっていた。 展望台から次のチェックポイントの新噴火口までのコースタイムは50分。 かみさんの顔は、まるで風呂上がりのように真っ赤になっている。 |
この辺りが新噴火口か?噴火口が有るわけではない |
再び登り始める。 ようやく彼らのところまで辿り着き、通じているかどうか分からないが、山頂まで登るのか?と聞いてみたら、どうやらそうらしい。 先に行った男性二人を含めて、この先で彼らに追い付くことはなかったのである。 しばらくハイマツの藪の中を登り、途中から下って沢へと出てきた。 12時45分になっていたので、ここで長めの休憩をとった。 涸れ沢だけれど、雪融け時や降雨後はかなりの水が流れるのだろう。 上空には再び青空が広がっていた。 しかしそれも、涸れ滝が現れるまでだった。 ホッとしていたらもう一つ滝が現れ、こちらの方が険しそうだ。 |
涸れ沢の中を登っていく |
涸れたなめ滝を登る | 涸れ滝の上から振り返る |
沢は次第に形を変え、岩の中に火山礫も混じってくる。 ガスがかかって、見通しも悪くなってきた。 山頂への最後の登りは、岩をよじ登るような場所である。 やっとの思いで稜線まで出てきた。 ガスの中に太陽の姿が見えてきた。 山頂への分岐まで達する頃には、その姿もはっきりと見えていた。 既に私達には、山頂を目指す気は無くなっていたので、分岐は躊躇わずに通り過ぎる。 突然、周りに広がっていたガスが、嘘のように消え始めた。 |
急にガスが晴れて知床半島の先端部まで見えてきた |
山頂の下をトラバース | 硫黄山山頂を通り過ぎる |
ここまで来たら、後は今日の野営予定地である第一火口まで下るだけ。 一旦下ってから、およそ50mの登り返し。 ようやく眼下に今日の野営地が確認できた。 |
ようやく第一火口キャンプ指定地が眼下に見えた |
滑り落ちそうなザレ場の急斜面を降り、滑って転びそうにながら雪渓を下り、午後3時半、ようやく今日の野営地に到着。 私達はやっとの事でここまで辿り着いたと言うのに、 男性2人連れはともかく、外人夫婦までもがもっと先のテン場まで行ったらしいのには、本当に呆れるしかなかった。 早速テントを設営し、雪渓の水でビールを冷やす。 雪渓の雪解け水が目の前をサラサラと流れ、テントの後ろにはチングルマの群落。 |
最高のロケーションのテン場だ |
冷えたビールで乾杯。 ツアーの一行は、ガイド3人に女性5名、男性1名のお客さん。 そのお礼にと、女性陣の一人が披露したのが、何と詩吟。 離れたところにあるフードロッカーに、ゴミや食べ物を入れて、7時過ぎにはテントの中に潜り込んだ。 |
バス停9:25 - 登山口9:45 - 10:05展望台10:25 - 11:00途中休憩11:10 - 新噴火口11:30 - 12:45沢出合い13:05 - 9:40硫黄山山頂分岐9:55 - 11:35宰一火口分岐11:40 - 12:25第一火口キャンプ指定地13:40 (縦走記録グラフ) |