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礼文島岬めぐりコース(2016/06/22)

軽装で歩く


スコトン岬とトド島前日は久種湖畔キャンプ場に宿泊
そこからバスに乗り、午前7時30分終点のスコトン岬に降り立つ。
7年ぶりに訪れるスコトン岬。
7年前は低い雲が垂れ込めていたけれど、今回は気持ちの良い青空が広がっていた。

天気も違うけれど、背負っている荷物も違っていた。
7年前は、8時間コースの途中で野営するつもりだったので、重たいザックを背負ってここから歩き始めたものである。

今回歩くのは岬めぐりコースで、最後は久種湖畔のキャンプ場に戻ることになる。
それなので、背負っているのは最小限の荷物だけだ。
足も軽く歩き始める。

鮑古丹への海岸線鮑古丹の分岐では「前回はどちらを歩いたっけ?」と話しながら江戸屋山道へと進む。
結局は7年前も江戸屋山道を歩いていたのだが、せっかくなので鮑古丹の海岸線の方を歩いてみたかった。

でも、花が咲いているのは江戸屋山道の方である。
道ばたでは、ピンクのレブンシオガマと青のチシマフウロが花を咲かせていた。
7年前には黄色いエゾカンゾウやセンダイハギも咲いていたので、もう少し華やかだった気がする。
しかし今回は、真っ青な空が少し寂しい花の風景を補ってくれていた。

遠くには利尻山も見えている。
歩くにしたがって、ゴロタ山の姿が大きく迫ってくる。
樹木が一本も生えていない滑らかな山の姿。
如何にも礼文島らしくて、私の好きな風景である。


遠くに見える利尻山 花の風景に足を止める

遠くに見える利尻山

レブンシオガマが花盛り

ゴロタ山へ向かう
ゴロタ山へと向かうこの風景が大好きだ

ゴロタ山への登りそのゴロタ山へと登っていく。
緑の草原の中に白い花が散らばる。
エゾノシシウドやオオカサモチ。

私も花の区別は良く分からず、礼文島の花の中ではあくまでも脇役でしかない。
しかしここでは、主役然として山の斜面を飾っていた。
そこに混ざり込むチシマフウロ。
緑と白と青、それらが大きな風景となって広がり、その先にスコトン岬やトド島が繋がる。

真っ青な海を行く漁船が、一筋の白い航跡を描いていく。
全てが一幅の絵画のようである。


ゴロタ山からの風景
天気が良ければ海の青さも引き立つ

ゴロタ浜への下りそうしてゴロタ山の頂上まで登ってきた。
再び利尻山が姿を現す。
眼下にはゴロタ浜が緩やかな曲線を描き、その先に鉄府の漁港が見える。

ゴロタ山を下りていくとエゾカンゾウの花も目立ってきた。
ゴロタ浜は、その名の通りゴロタ石の海岸である。
しかし、鉄府の集落に近づくにしたがって砂浜へと変わってくる。
少し歩きづらいけれど、そこからは砂浜を歩くことにした。

波打ち際には沢山の昆布が打ち上げられていた。
本土の海岸なら、そんな昆布も地元の漁師さんが丁寧に拾い集めるのだろうが、ここではそんな昆布には誰も見向きもしない感じだ。
何だかとても勿体ない気がした。


エゾカンゾウも目立つ 浜辺の昆布
エゾカンゾウが咲いていると華やいで見える 美味しそうな昆布だ

貝殻の浜を歩くその辺りの海岸は穴開き貝が拾えることで知られている。
実際に沢山の貝が砂浜に打ち上げられていて、その中に穴の開いた貝も沢山混ざっている。

ついつい拾い集めたくなったが、札幌の家には前回ここで拾った穴開き貝が沢山有るのを思い出し、じっと我慢した。

打ち寄せる波の中にも沢山の貝殻が混ざっているようだ。
波が引いていく時、その貝殻がシャラシャラと音を立てていた。

鉄府漁港を過ぎると、再び斜面を登っていく。
上から眺める澄んだ海は、息を呑むような美しさだった。

しかし、登山道の方は草が茂って、何処に道が有るのかも分からないような状態である。
2年前に8時間コースを歩いた時も、同じように酷い状態になっていた。

美しい海観光客に人気のある桃岩展望台コース以外は、歩く人も少ないのだろう。
島内のトレッキングも島の観光としては重要な要素なのに、現状はちょっとお寒い状況に思えてしまう。

一山越えると、そこは人気の観光地の澄海岬である。
海の美しいスポットだけど、空が曇っているとせっかくの澄んだ海もその灰色の空を映し込んで美しさも半減してしまう。
7年前はまさにそんな状況だった。

しかし、今日の青空ならば本来の美しさを見られそうだ。幸いなことに、駐車場には観光バスの姿も無かった。
「今のうちだ」と思って、急いで展望台まで駆け上る。
そこには期待通りの美しい海の風景が広がっていた。


澄海岬

澄海岬の素晴らしい風景


美味しい蕎麦ゆっくりと展望台からの風景を楽しめたのは一瞬の間だけで、すぐに中華系観光客の集団が押し寄せてきて、楽しい一時は終わってしまった。
しかし、ここでの楽しみはもう一つ残っていた。

それは、ここの売店兼食堂で食べる蕎麦。
7年前にもここで蕎麦を食べて、「生涯の中で一番美味しい蕎麦」と評価したのである。

本当にそんなに美味しかったのだろうか?
今回はそれを確かめてみたかったのだ。
お店のおじさんとの会話を楽しみながら、7年ぶりの蕎麦を食べる。

その結論は、極端に疲れて原が減っている時は何を食べても美味しく感じると言うことだった。
今回は、荷物が軽い分、疲れも大したことは無く、時間も11時を過ぎたばかりでそれ程腹も減っていなかったのである。

レブンアツモリソウその先の岬めぐりコースは車道を歩いて行くので、何の面白みもない。
途中にあるレブンアツモリソウ群生地も既に花が終わって閉鎖されていた。
岬めぐりコースは浜中のバス停が終点となるが、私達は更に久種湖畔キャンプ場まで歩かなければならない。

トボトボと歩いていると、道路脇の草が刈ってある場所があり、何とそこには1株のレブンアツモリソウが咲いていたのである。
花は既に枯れかかっていたが、レブンアツモリソウの実物を見るのは初めてだったので、飛び上がる程嬉しかった。

そうしておよそ15キロを歩いて12時30分にキャンプ場まで戻って来た。
礼文島を歩く時はやっぱり青空の時に限るのである。

礼文島岬めぐりコースの写真 



スコトン岬07:40 - ゴロタ山08:50 - 10:40澄海岬11:20 - 浜中バス停12:10 - 久種湖畔キャンプ場12:30



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