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カラスがおはよう久種湖畔キャンプ

久種湖畔キャンプ場(6月21日〜22日)

先月に屋久島を歩き、今月初めには道南の大千軒岳に登り、気分的にはそろそろ北を目指したくなってきた。
そうして向かったのが礼文島。

できれば利尻島にも渡りたかったが、退職した身とは言え結構忙しいのだ。
2日前にモエレ沼公園で開催されたママチャリ耐久リレー大会に出場し、今週末にはカヌークラブの例会が控えている。
その合間を縫っての渡島である。

遠別川礼文島に渡るのは今回が4度目で、旅の計画も要領良く立てられる。
乗船予定のフェリーは稚内発14:40分。
時間はたっぷりとあるので、オロロンラインをゆっくりと北上していく。

途中、以前から気になっていた遠別川に寄り道する。
川の水は濁っていて、この川を下るためにわざわざ遠路遙々とやって来る価値は無いとの印象だった。

昼食は、てしお温泉夕映のレストランでしじみラーメンを食べる。
それなりに美味しかったけれど、しじみがもっと沢山入っていても良いような気がした。

エゾスカシユリ天塩川に架かる天塩河口大橋を渡った後、河口方向へ向かう砂利道に車を乗り入れる。

天塩川と日本海に挟まれ、砂嘴状に細長く伸びたこの場所。
名前こそ無いものの、なかなか素晴らしい原生花園なのである。
訪れる人も稀で、美しい花々を独り占めして楽しむことができるのだ。

エゾカンゾウの花が見頃を迎えている頃かなと思ったのだが、それ以上にエゾスカシユリの花が素晴らしかった。
その様子に感動し、これから向かうオロロンライン道道106号線沿いの風景に胸をときめかせる。

 
天塩川河口の原生花園
訪れる人も殆どいない場所で花が咲き乱れている

何時も写真を撮ってしまうオントルイの風車には目もくれず、先を急ぐ。
そうして、その先に広がってきた風景は、まさに圧巻だった。

オロロンラインの原生花園2009年と2014年に礼文島に渡った時は、天気にはあまり恵まれなかったので、今回だけは晴天の礼文島を歩きたかった。
そう思って出かける機会を探っていたのだが、6月の北海道は異常気象とも言えるくらいに天候不良が続いていた。

それがようやく天気も良くなり、今回の礼文島行きを決めたのだが、原生花園の花々も天気が良くなるのをじっと待っていたのかもしれない。
久しぶりの太陽の日射しの元で花々が一斉に開き始めた。
そんな様子なのである。

草原を黄色く染めるエゾカンゾウの花。
その向こうに聳える利尻山の姿。
私がこれまでに見たオロロンラインの風景の中でも、今回が一番素晴らしかったかもしれない。


利尻山と原生花園
エゾカンゾウが咲き乱れる原生花園の向こうには利尻山が浮かぶ

フェリーターミナルを目指して歩く稚内に着き、何時もの無料駐車場に車を停めてフェリーターミナルまで歩いていく。
花の美しい時期を迎えて、さすがに礼文島に向かう観光客も多かったが、それでもフェリーの中は空いていた。

16時40分に香深港に到着。
2年前には工事中だったフェリーターミナルが完成していて、フェリーから連絡橋を歩いて直接ターミナルビルの2階に行くことができる。
便利にはなったけれど、桃岩荘の若者が旗を振って出迎えてくれる中、タラップを降りていく独特の旅情が失われてしまったのが残念だ。

フェリーから下りて迎えのバスや車に続々と乗り込んでいく観光客を横目に、私達はバス停に並ぶ。
そして16時55分のバスに乗って船泊の町を目指した。
船泊のスーパーでビールを買ってから、今日の宿である久種湖畔キャンプ場まで歩き、テントを張り終える頃には既に太陽は沈みかけていた。


テントを張り終えてビールを   球種湖畔キャンプ場
森に囲まれ落ち着ける雰囲気   テントはまばらだ

久種湖畔キャンプ場
到着が遅かったので直ぐに日は沈んでしまった

1本早いフェリーに乗ればもう少し余裕ができたかもしれないが、それだと香深港からのバスの連絡が悪く、多分今回の行程が一番効率的な気がする。
カラスがおはようございます過去の礼文島では、重たいザックを背負って島を縦走していたが、今回はバスを上手く利用して、荷物はキャンプ場に置いたまま手軽に島を歩く計画を立てていたのである。

静かな夜を過ごし、翌朝はカラスの鳴き声で目を覚まさせられた。
テントから顔を出すと、場内の芝生の上に沢山のカラスがいてビックリする。
芝生の中にいる虫を探しているようだ。

天気は快晴。
今日は岬めぐりコースを歩いて、キャンプ場へと戻ってくる予定である。
そのスタート地点であるスコトン岬まで向かうため7時12分のバスに乗り込んだ。

(岬めぐりコースを歩いた様子はこちら

岬めぐりコースを歩き、12時30分にキャンプ場に戻ってきた。
この後は、緑ヶ丘公園キャンプ場まで移動する予定である。
しかし、16時12分までバスはない。
何せ、この辺りではバスの運行は1日5本しかないのだ。

丘の上から見たキャンプ場不便と言えば不便だけれど、その中でどうやって島内を巡るか考えるのも、パズルをやっているような楽しみがある。
ここではキャンプ場から伸びる遊歩道が有るのでそこを歩いて時間をつぶすことにした。

湖畔の道を離れて丘の上まで登ると、利尻山の美しい姿が見えてきた。
明日はその姿を眺めながら歩く予定である。

天気は良いけれど、風が強い。
久種湖の湖面はその風で波立っていた。
7年前にこの丘に登った時も、久種湖は同じように波立っていた気がする。

バスの時間が近づいてきたのでキャンプ場に別れを告げ、昨日のスーパーでビールを買ってから、フェリーターミナル行きのバスに乗り込んだ。


久種湖畔の丘の上からの眺め   バス停でバスを待つ
久種湖畔遊歩道からの眺め   バスが来るのを待っている


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