北海道キャンプ場見聞録
小辺路縦走(2016/04/16)
二日目(伯母子峠〜三浦峠) |
激しい風と雨の音で目が覚める。 時間は朝の7時。 マイケルは近くの沢から水を汲んできたようだ。近くと言っても、歩いて5分くらいはかかる。 朝食を済ませてしばらく様子を見ていたが、風雨は一向に弱まる気配を見せない。 とは言っても、小辺路を歩き終えた後の宿も既に予約してあり、これ以上は出発を遅らせれない。 前回中辺路を歩いた時も雨に降られていたし、屋久島ではもっと激しい風雨の中を歩いてこともあるので、少々の雨は気にならない。 ブナの幹を伝って雨水が流れ落ちていた。 |
沢水が登山道を横切っていた | 初めて見たブナの樹冠流 |
途中、崖崩れで通れない時は迂回路を回ってくださいとの看板が立っている場所があった。 迂回路は多分、その崖が崩れている場所の上部を通過するようになっているのだろう。 そんな険しい道を過ぎ、ようやく平らな場所へと出てきた。 |
上西家跡で出会った苔の犬? |
上西家跡で小休止 | 人が生活していた痕跡も残る |
今日の道程は伯母子峠から三田谷まで、長い下りが延々と続いている。 水ヶ元茶屋跡の小さな祠の中には石の仏像が安置されていた。 次第に日も射してくるようになってきた。 途中から古道らしく石が敷かれた道が現れた。 三田谷に近づくにつれて急な下り坂へとなっていく。 |
霧に霞むスギ林が美しい |
森の中に日が射してきた、道は石畳に |
地蔵仏等には必ず手を合わせる | 天気も回復し、周りの山も姿を現す |
三田谷を流れる神納川も平成23年の大雨で被害を受けたのか、その川原に重機が入って復旧作業が行われている最中だった。 ここまで殆ど休むこともなく3時間歩き続けて、標高差900mを下ってきた。 その思いだけで、休みも取らずに舗装道路をひたすら歩いていく。 「やった〜、自販機だ〜」 そこで遅い昼食をとり、午後2時に再び歩き始める。 今日の宿泊予定地は、ここからまた標高差800m近くを登った先の三浦峠である。 前日と比べればかなり楽に歩けるだろうと考えていたが、それは大きな間違いだった。 登っていく途中に棚田が作られていて、そこからカエルの鳴き声が聞こえてきた。 石垣や石畳も残っていて、登りのきつさを忘れさせてくれる。 巨大な杉が目を惹いた。 |
スギの巨木に圧倒される |
その先に三十丁の水と呼ばれる水場があって、そこで水を補給する。 斜面の杉が皆伐されている場所へ出てきた。 何かに喰い散らかされた様なシカの死骸が道の真ん中に転がっていた。 その斜面を登り切ったところが東屋のある三浦峠だった。 やや風があったけれど、東屋周辺はその風も遮られちょうど良いテン場になっている。 そんなことをしている内に、昨日の山小屋に一緒に泊まっていたマイケルが追い付いてきた。 それにしても、峠からの眺めは素晴らしいものだった。 風も止み、昨日よりは少し冷えた金麦を飲みながらその風景に見惚れる。 こうして小辺路縦走2日目も無事に終わったのである。 |
最高の風景を眺めながら金麦を飲む |
一日の締めくくりの素晴らしい夕景だ |
伯母子峠9:50 - 上西家跡10:35 - 水ヶ元茶屋跡11:20 - 待平12:20 - 伯母子岳登山口12:55 - 13:15船渡橋14:10 - 吉村家跡14:45 - 三十丁の水15:35 - 三浦峠16:30 (縦走記録グラフ) |