北海道キャンプ場見聞録
大雪山縦走(2016/07/20〜21)
| 1〜2日目(層雲峡温泉〜忠別岳避難小屋) |
公共交通機関を利用して札幌から層雲峡へ行くとしたら、多分これが一番早い到着時間になるはずだ。 退職後にやりたいことの一つであった大雪山の縦走が、いよいよここから始まる。 黒岳ロープウェイで5合目まで登り、そこのレストハウスで豚丼と蕎麦の黒岳セットを食べる。 |
![]() |
| ロープウェイ5合目駅から望む黒岳 |
ここまで来ると黒岳の山頂も直ぐ近くに見えるが、更にリフトに乗って7合目へと向かう。
でも、天気も良く、ウコンウツギやシナノキンバイの花が沢山咲いていて、辛い登りも苦にならない。 13時15分、ガスに包まれた黒岳山頂に到着。 山頂周辺には砂礫地が広がり、そこでは沢山の高山植物が花を咲かせていた。 |
![]() |
![]() |
| 黒岳山頂付近の花畑 | エゾリスの姿も |
![]() |
| ガスが晴れそうで晴れない黒岳山頂 |
ガスが晴れて展望が開けかけたかと思うと、直ぐにまた次のガスが流れてくる。 早めにテン場に行って良い場所を確保したいので、黒岳山頂からの展望は諦めて、黒岳石室に向かって降りていく。
端の方のテントとテントの間にポッカリと空いたスペースがあったので、そこにテントを設営する。 私がテントを張り終える頃、彼女は張ってあったテントをズルズルと引っ張って移動していった。
翌朝は3時半に目が覚める。 テントの正面に見えている凌雲岳の山肌の一部を朝日が明るく照らし出していた。
北海沢沿いには大きな雪渓も残っていた。 北海岳への登山道は5年前に歩いた時は雨水等による浸食で荒れていたが、今回は随分歩きやすく整備されていた。 そんな風景よりも登山道の周りに広がる花畑に目を惹かれてしまう。 |
![]() |
![]() |
| 美しい花畑に足を止める | エゾノツガザクラとチングルマ |
北海岳山頂ではガスに包まれ何も見えず。
その先では紫の花が地面を覆っていた。 溶岩塊に覆われた荒々しい山肌の白雲岳が間近に迫ってくる。 白雲岳分岐まで登ってきた。 やがて眼下に白雲岳避難小屋が見えてきた。 |
![]() |
![]() |
| エゾオヤマノエンドウ | マット状に広がるイワウメ |
![]() |
| 目指すトムラウシ山が遠くに見える |
避難小屋のベンチで一休みする。 私達は今回、そこを3泊4日で縦走するので、比較的余裕がある。
少しずつだが青空も広がってきていた。 場所によってはそこにキバナシオガマやホソバウルップソウが混ざり込んでくる。 コマクサも姿を現してきた。 |
![]() |
| 高根ヶ原、エゾツツジとエゾハハコヨモギの花畑 |
反対側に目をやると、そこは大きく切れ落ちて、その下には幾つかの沼が見えていた。 |
![]() |
| 高原沼の熊の巣に熊の姿は確認できず |
休憩を終えて再び歩き始める。 そこを過ぎると再び展望が開けるが、登山道はゴロゴロとした石に覆われて歩きづらく、ダラダラとした上り坂が辛く感じる。
周りをチングルマやエゾコザクラの花畑に囲まれた忠別沼はとても美しかった。 エゾノハクサンイチゲとチングルマの白い花畑の風景を楽しみながら、13時35分に忠別岳山頂に到着。 |
![]() |
| 片側が大きく切れ落ちた忠別岳の山頂 |
小屋には女性が一人だけだったが、私達はテン場の方にテントを張る。 雪渓の直ぐ下から流れ出てくる水に缶ビールを漬けておくと、直ぐに冷えてくれる。
疲れていたので、今日も食事が終わるとまだ明るいうちからシュラフに潜り込んだ。 |
1日目 7合目リフト降り場11:55 - 13:15黒岳山頂14:00 - 黒岳石室14:25 (1日目縦走記録グラフ) |
7時21分札幌発のオホーツク1号に乗って、上川駅到着は9時40分。
黒岳へ登るのはこれが2度目だけれど、5年前の前回は源泉台から入って層雲峡へと下山する縦走だったので、この登山道は降りたことしかないのである。


14時25分に黒岳石室のテン場に着いた時には、既に沢山のテントが張られていて驚いた。
雪渓がテン場の近くに残っていると分かっていれば、今日飲む分のビールも担いできたのだが、山小屋で売られている高いビールを買って飲むしかなかった。
まずは北海岳を経由して白雲岳の避難小屋を目指す。

白雲岳に向かって下っていくとキバナシオガマが群生していた。


雪渓を下っていき、避難小屋の水場にもなっている沢を渡る。
眼下には高根ヶ原が広がり、その中に1本の縦走路が続いている。
後ろを振り返ると、いつの間にか白雲岳が遠くになっていた。
そこを登りきると眼下に忠別沼が見えていた。
そんな風景をたっぷりと楽しんだ後、今日の宿泊地である忠別岳避難小屋へ向かって降りていく。
ようやく青空も広がってきた。