北海道キャンプ場見聞録
積丹岳(2016/4/2)
| トラバース地獄 |
積丹岳は2年前の4月に夏道コースを登ったことがある。 ガイドブックでは農家の横の除雪終点から登ると書かれていたが、道路の雪は完全に溶けていて、その先の溜め池まで入ることができた。
一時は滑らずにこのまま帰ることも覚悟したが、車にスノーシューを何時も積んであるので、かみさんはそれで登ると言いだした。
林道が消えかけた辺りから、春先にはタランボ畑に変わりそうな空き地を横切り、積丹岳の山頂へと続く尾根に取り付く。 樹木の根元回りは、一足早く雪が溶けて、地面まで見えているところもある。 |
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| スノーシューで登るかみさん | しばらくは雑木林の中の登りが続く |
前方にピークが見えてきて、何となくそれが積丹岳の山頂のように錯覚してしまうが、そこはまだ916mのピークに過ぎない。 かみさんはスノーシューで登っていても、ペースはスキーの時と変わらない。 |
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| 背後に海が見えてきた |
気温が下がってきて、この辺りでは雪面も固まったままで溶けていない。 |
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| 目の前の尾根に登る斜面はブッシュが多い |
ハイマツ帯へ入ってきた。 700m台地付近から風が強くなってきたけれど、この尾根まで上がると風は更に強くなってきた。
そこから先は特に急な斜面もなく、強風に耐えながら黙々と登っていく。
標高は1135m付近、登り始めて3時間50分だった。 そこでI山さんに撮ってもらった写真。 若い頃には、還暦なんて聞くと赤いちゃんちゃんこを着てちょこんと座っているおじいちゃんをイメージしていたが、最近の還暦じいちゃんは、まだまだ元気一杯なのである。 |
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| 1000mピークのトラバースも怖かった | 元気な還暦トリオ |
ビクビクしながらその斜面の上に立ったが、想像していたほどの急斜面ではなかった。 続いて私も滑り降りる。 アイスバーンで、斜面も急で、私の技術では滑っていても全然楽しくない。 滑りは不満だったけれど、周りの風景は素晴らしかった。 |
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| 積丹岳北斜面 |
そして見つけたオープンバーン。 早く尾根に戻りたかったが、その先でまた楽しそうな斜面を見つけたI山さんが「ここも下りちゃいましょうか?」 |
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| 雄大な山岳景観が広がる |
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| マイペースで滑るmarioさん | 何処まで滑り降りていくI山さん |
でも、そんな話しを聞いても私は全く安心できなかった。 心配していたとおり、そこからトラバース地獄が始まった。 おまけに樹木は混んでいてブッシュも多い。 たまらずに途中で休憩を挟んでもらった。
休憩を終えて、更にトラバースは続く。 そこから先も決して楽ではなかった。 そのかみさんも、色々とあったようだ。 そんな風に終わった積丹岳だったが、登らずにそのまま帰ってしまうことを考えれば、最高に楽しい山行となったのである。 (GPSトラック) |
駐車場所8:50 −かみさん引き返し11:50 - 12:40山頂手前12:55 - トラバース開始13:30 - 駐車場所15:00 |
多分これが今シーズン最後の山スキー。
張り切って登る準備を始めようとしたら、かみさんが小さな悲鳴を上げた。
溜め池周辺の雪は完全に無くなっていたけれど、最初の林道部分にはまだ雪が残っていた。

標高500mを越えると樹木も疎らになり、ようやく視界も開けてくる。
S藤さんが「後1時間くらいですか?」と聞いてきた。
S藤さんのスキーが横滑りして、そのまま斜面を滑落。
かみさんはここから一人で降りることになった。
この固い雪面では気持ちの良い滑りは期待できない。

この、I山さんが滑ろうとしている積丹岳の北斜面。
おまけに板も外れて転倒。
そんな風景を楽しんだ後は、サッサと登ってきた時の尾根まで戻り、そこをゆっくりと滑りたかった。


さすがにこれ以上降りると谷底まで降りてしまうことになるので、ここからようやく尾根を目指してトラバースすることになった。
I山さんに「I上さんとここをトラバースした時は何か勝算があったのですか?」と聞いてみたら、「いや、ただ動物的な感だけでトラバースしただけです」との答えが帰ってきた。