三段山(2015/1/17)

二段目で十分


カヌークラブの新年会は、恒例の十勝岳連峰の三段山。
札幌を出てからずーっと雪が降り続いていて、「こんな天気で、今日は本当に山に登るのかな〜。このまま直ぐに温泉でも良いよな〜」と、テンションの全く上がらないまま車を走らせていた。
雪の中で集合白銀荘の駐車場に着いたのは、集合時間午前10時の10分ほど前。
殆どのメンバーは既に到着していて、今日宿泊する部屋に荷物を下ろしていた。
私たちも皆に手伝ってもらいながら、大急ぎで今日の夕食の食材などを白銀荘に運び込む。

途中で降り続いていた雪は、ここに来て更に降り方が強まっていた。。
それなのに、既に集まっているメンバーの中に「登山中止」なんて選択肢などは、全くあり得ない様子である。
しょうがなく、私たちも覚悟を決めて山に登る準備をする。

メンバーは11名。
もさもさと雪が降る続ける中を登り始めた。

雪の中を登るここ一週間近く、この付近ではまとまった雪が降っていないはずだが、足元には30センチ前後の新雪が新たに積もっていた。
昨日の夜か今朝方に降った雪なのだろう。
気温が低い中で降り積もったばかりの雪なので、吹けばそのまま飛び散りそうなくらいの軽さである。

気温が低いと言っても、せいぜいマイナス5度程度。
今時期の、しかも標高1000mを越えているこの場所では、暖かいくらいの気温である。
寒さを覚悟して沢山着込んできたのは失敗だった。
歩き始めて直ぐに体が汗ばんできたが、雪が降っているので上着を脱ぐこともできない。

ただ、登るペースが遅いのが幸いだった。
これならば、汗をかく量も最小限に抑えられる。

このペースの遅さは、参加者の年齢からくるものである。
今回の参加者11名の平均年齢は、軽く60歳を超えているはずだ。
その中で飛び抜けて若い47歳のO川さんが先頭を登っているが、後ろの老人たちをいたわる様に、本当にゆっくりと登ってくれていた。

アカエゾマツの森へそれに、いつも元気一杯のI山さん、I上さん、marioさんの3人組が、今日は揃って仕事のため不参加だったことも影響していた。
特にI山さんなどを先頭にしてしまうと、糸の切れた凧のように一人でどんどんと登っていくので、後ろの老人たちはひーひー言いながら必死に付いていくことになってしまうのだ。

1段目の斜面を登りきり、2段目の斜面へと続くアカエゾマツの森の中へと入っていく。
何時もならば白いモンスターに変わっているアカエゾマツも、今回はまだ樹木としての姿を留めていた。
それを見ても、平年よりも雪が少ないことが分かる。


雪を被ったアカエゾマツの森
雪を被ったアカエゾマツの森を登る

2段目を登る2段目の斜面も、潅木がまだ完全に隠れていない。
そのせいで、何となく何時もの見覚えのある風景とは違って見えてしまう。
目印にしている3本のダケカンバはどれだっけ?と探しているうちに、2段目の斜面も登りきる。

それまで風は殆ど吹いていなかったのが、森林限界を超えたそこでは結構な風を感じる。
雪は少し小降りになってきたものの、見通しは利かない。

「どうするんだ?この後」
「上まで行っても何も見えないぞ!」


雪で潰れそうなダケカンバ
これが3本のダケカンバかな?

山登りは2段目で終了そんな皆の声を受け、I山さんから今日のリーダーを任されていたY須賀の下した結論は「良し!ここで止めよう!」
全く躊躇する素振りも見せずに出した結論である。
重鎮の口から出た結論に、誰も異を唱えるものは出てこなかった。
それどころか「温泉、温泉!」と、はしゃぎ始めるメンバーまでいる有様だ。

登り始めてから1時間半しか経っていない。
Iやまさんがいないだけでこんなにも違うものかと呆れながら、私達夫婦もここで終われるのがとても嬉しかった。
何しろ、登る前から中止になったとしても、何の不満も無かったのである。

ただ、登った標高差が少なければ、滑る距離もそれだけ短くなってしまうのが山スキーの道理である。
2段目などは、2、3ターンしただけで、下まで降りてしまう。
おまけに雪面に顔を出している潅木を避けながらである。
雪質は申し分ないけれど、爽快感は全然無い。


2段目を滑る 2段目を滑る
雪崩で死者が出たこともある2段目斜面 2段目斜面を滑り降りる

1段目の斜面それに比べれば、1段目の斜面はまだ少し滑り応えがある。
昨日までの滑られた跡も、新たに降った雪が概ね隠してくれている。
多少でこぼこしているけれど、まあまあ楽しく滑ることができた。

ここならば、もう一回登り返しても良いかなって気もしたが、そんな事を言い出す人は誰もいなく、そのまま一気に白銀荘へ向かって滑り降りていく。
駐車場まで戻ってきた時の時間は12時30分。
たった2時間の間に、車の上にはもう10センチ以上の雪が新たに降り積もっていた。
今頃になってようやく、雲を通して太陽の姿も確認できるようになる。
「よし、もう一回登るか!」
そんな勇ましいことを口にしながら、皆はさっさと白銀荘の中へと入っていくのであった。

まあ、今回の名目はカヌークラブの新年会で、山スキーはおまけのようなものだから、これで良いのである。
温泉と美味しいビールが待っているのだ。


1段目の斜面 太陽が姿を現す
1段目の斜面はまあまあ楽しめた 降りてきたら太陽が姿を現した


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