音江山(2015/1/10)

真っ白な森


3日間とも天気予報では雪マークの付いている3連休。
1日くらいは山に出かけようと考えて、比較的天気の良さそうな3連休初日の土曜日に深川の音江山に登ることにした。
音江山に決めたのも、その付近の天気が比較的良くなりそうだと考えてのことである。

砂川PAの青空当日の札幌は朝から雪が降りしきり、出かける前に家の前の除雪を済ませる。
高速道路も、岩見沢を過ぎるまでは前を走っている車のテールランプも見えないくらいの雪で、ハンドルを握る手にも力が入ってしまう。

それが砂川辺りまで来ると、私の目論んだとおりに青空が広がってきた。
周辺の木々も、新たに降り積もった雪で真っ白に雪化粧し、山スキーには絶好のコンディションである。
しかし、滝川を過ぎると目指す音江山は雲に隠れてしまっていて、その姿も確認できない。

登山口までやってくると、既に5、6台の車が停まっていた。
本当は一番乗りの方が嬉しいのだが、到着時間が9時半近くでは、それは無理な話だ。
でも、林道の上には、先に登っていった人達のしっかりとしたトレースも残っていて、楽ができるのは嬉しかった。
新雪も結構積もっているので、これを二人だけでラッセルしながら登るのは、ちょっと辛い。

陽が射してきた雲の切れ間から日も射してきて、天気の回復も期待できそうだ。
まずは1.5キロの林道歩き。
先週のキロロに行った時よりも服を1枚少なくしていたのに、途中で早くも汗をかいてしまい、上着を1枚脱ぐことになる。
気温は氷点下でも、先週と比べると随分と暖かいようだ。

およそ30分で林道を歩き終え、そこからいよいよ森の中へと入っていく。
森の木々は、その枝先まで真っ白な雪に覆われ、森全体が白一色に染まっている感じだ。
私の大好きなそんな風景を楽しみながら黙々と登っていく。
木々の多くにはツルアジサイが絡み付き、それもまた独特の景観を作っている。


林道歩き 森の中へと入っていく
30分の林道歩き 真っ白な森の中へ入っていく

コルへの急な登り尾根上のコルへと向かう急な登りが始まる。
先行者のトレースは、躊躇うことなくその急斜面を真っ直ぐに登っていた。
私には少し急すぎるけれど、他のトレースがないので、その中を黙って登るしかない。

コルまで登った後は、次に沢を渡るまで、ほぼ同じ高さを維持したままトラバース気味に歩くことになる。
帰りに登り返しにならないようにルート取りに気を使うところだけれど、ここでもトレースに従うだけである。
目印のリボンも殆ど見当たらず、このトレースの主はこの山に登り慣れた人なのかもしれない。

登り始める時には天気が回復傾向にあると思っていたのに、その逆に雪が舞い始めた。
しょうがないので、脱いでいた上着をもう一度着なおす。

トドマツ林を抜ける回りがトドマツ林に変わり、ここまで来ると渡渉ポイントまでもう少しである。
先行者のトレースを見ていても、時々偵察隊が沢に下りてそこを渡れるかどうか確認しているみたいだ。
そんなに無理をしなくても、そのまま進んでいけば苦労せずに沢を越えられる場所があるはずだ。
そう思いながら歩いていると、とうとうそのトレースは途中で強引に沢を越えていた。

初めて音江山に登った時にもこんなことがあり、その時はトレースを無視して自分の考えていたルートで登ることにした。
しかし、結局はラッセルに苦労することとなり、元のトレースに合流できた時は心底ホッとしたのである。
それで今回は、素直にトレースに従うことにして、予定していたよりも早い場所で沢を渡った。

もしもこのトレースがなければ、今回は滑り降りるルートの確認のため、もっと沢をつめた場所から登るつもりだった。
過去2回は、登るルートと滑り降りるルートが違っていたので、何処を滑れば良いのか分からずに苦労していたのである。

雪が降る中を登り続ける沢を渡った後は、山頂から続く尾根に向かってひたすら高度を上げていくだけだ。
ここでも先行者のトレースは、スキーで登れるギリギリの斜度を保つかのように、一気に森の中を登っていた。
私の以前のスキーでは絶対に登れない傾斜である。
「こんな角度で登るなんて、余程元気の良い若者グループなんだろうな〜」
「意外と、元気なおじさんおばさんグループかもしれないわよ」
そんな会話をしながら、トレースの中を必死に登っていく。

一時は強く降っていた雪も次第に弱まってきた。
その代わりにガスが出てきたようである。
ただでさえ真っ白な森の風景が、ガスに包まれて余計に白くなってくる。
全く現実離れしたような風景で、まるで幽玄の世界に迷い込んだようだ。


ガスがかかってきた
森は次第に白いベールに包まれていく

トドマツの美林見覚えのあるトドマツの美林が現れた。
それが尾根の上に出たことの目印でもある
後は尾根伝いに山頂を目指すだけだ。

白いモンスターに変わりかけたトドマツ林を抜けると、今度は若いダケカンバ林の中へと入っていく。
ここでは、ダケカンバの白いはずの幹でさえ、真っ白な世界の中では、僅かな彩りとなる。

そこをも抜けると、今度はダケカンバの老木が現れてくる。
それらの老木は、細い枝先までが見事な樹氷に覆われ、もはや完全な白一色の世界だった。
音江山の標高は800mにも満たないのに、その樹氷に覆われた風景は、札幌周辺の1000mを超える山と変わりは無い。


ダケカンバの森 枝先まで凍り付く
ダケカンバ林の中 枝先まで樹氷に覆われる

真っ白な森
真っ白な森になってしまった


山頂もガスの中トレースに助けられ、2時間15分で山頂に到着。
そのトレースの様子から、数名のパーティーが先に登っているのだろうと思っていたら、山頂には10名を軽く超えるくらいの大人数で賑わっていたので驚いてしまった。
ラッセルのお礼を言うと、一番最初のトレースはその人達でなかったらしい。

その大勢の中に、去年千尺高地でお会いしたマリッカさんがいたのでまたびっくりだ。
マリッカさんとは、その時が初対面。それをきっかけにフェイスブックで交流はあったけれど、再び山の上でお会いするとは思ってもいなかった。
山スキーで登れる山は他にも沢山ある中で、2年連続で山の上で会うとは本当に奇遇である。

皆さんは、HYML(北海道の山メーリングリスト)の集まりとのことである。
私たちよりもかなり早く登っていたようで、ちょうどこれから滑り降りるところだった。
もう一度登り返そうと言いながら、楽しそうに滑り降りていき、山頂には私達二人が取り残された。
ガスは晴れてきそうな気配も無く、展望は全く無し。おまけに再び雪が降ってきた。
山頂にとどまっている意味は無いので、私達もさっさとシールを外して滑り降りることにする。

雪が降る中を滑り降りる1本滑ってからもう一度登り返すのならば、何処を滑っても関係ない。
ところが私達には、こんな天気の中、登り返してもう1本滑るほどの元気も無いので、そのまま下まで滑り降りるだけである。
そうなると、少しでも楽しいルートで滑りたいところだが、そのルートが分からないのが痛かった。

山頂から北東方向へ続く斜面は、小さな沢地形を間に挟んで大体3つの尾根に分かれている。
多分、どの尾根を滑っても、一番下の沢まで下りてしまえば、後は沢沿いに滑って登りのルートへ合流できるのだろう。
しかし、もしもそれが無理だったら、登り返さなければならなくなる

それを避けるために、滑っている途中で何度も止まっては、GPSで現在地を確認する。
そんなことをしているうちに沢の下まで降りてきてしまい、せっかくのパウダー斜面を颯爽と滑ることはできずに終わってしまった。

途中で男女の二人連れに出会った。
話を聞くと、どうやらその二人が最初のトレースを付けてくれた人だったらしい。
もう一度登り返すと言う二人にお礼を言って、私達はそのまま滑り降りる。


ツルアジサイ 雪を被った木
お馴染みツルアジサイの枯れ花 枝振りの良い木だ

パウダー斜面を滑り降りる

白い森の中でカップラーメンを作る雪も止んできたので、途中で昼食にする。
できれば、もう少し眺めの良い場所で昼食にしたかったところだ。
それでも、こんな雪深い森の中で食べていると、ただのカップラーメンがとても美味しく感じる。

車まで滑り降りた後は、近くのアグリ工房まーぶの温泉で汗を流す。
天気の良いときを狙って、今シーズン中にもう一回滑りにきたい。
そう思わせる程に、魅力たっぷりの音江山だった


駐車場所 沢の渡渉ポイント 山頂

1:10

1:10
距離:3.9km 標高差:604m



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