前十勝(2014/01/19)

最高の大斜面


カヌークラブ新年会の2日目は、昨日、三段山に登りながらその姿を横目で眺めていた前十勝に登ることとなった。
昨日の三段山が、スキーを履いたままで山頂まで登れる様な雪の状態だったので、三段山も同じ状況だと思われる。
敢えて山頂は目指さずに、良い斜面を見つけて、そこで滑りを楽しもうとの計画である。

出発前昨日のメンバーからS村さんと、足を痛めたN島さんが抜け、昨日の夕方に到着したMオさんが加わり、総勢10名のパーティーで登る。

朝8時、太陽はまだ山の陰に隠れたまま。
それよりも、空には雲が広がっていて、朝日が昇ってきたとしても直ぐにその雲に隠されてしまいそうだ。
早朝の空は見事に晴れあがっていたのに、ちょっと残念な天気である。

まずは森の中を抜けて、前十勝の麓まで出なければならない。
去年の夏、白銀荘のキャンプ場に泊まった時は、この森の中を抜けて前十勝の山麓で夕陽を眺めたものである。
森の中に続くトレースは、その時に歩いた登山道と同じルート上に付けられているのだろう。
途中の火山観測小屋の屋根には、どっさりと雪が積もっていた。


アカエゾマツの森を抜ける 火山観測小屋
まずはアカエゾマツの森を抜けていく 屋根に積もった雪が重たそう

朝日が昇ってきそうだけれど・・・小屋の先から坂を下り、その先にちょっとした登りがある。
そこでようやく森を抜け出て、前十勝が目の前に姿を現す。
その前十勝の稜線からもう少しで朝日が昇ってきそうだったが、雲がそれを邪魔していた。

その先でまた、沢を渡るために一旦下らなければならない。
シールを付けているのでその程度の上り下りは気にならないが、帰りのことを考えるとちょっと気が重くなる。

沢を渡り、しばらくの間、山麓の緩やかな傾斜を登っていく。
先頭グループはI山さん、I上さん、Mオさんの3人。
後続グループの先頭は、今日はT津さんが務めていた。
そのゆっくりしたペースが、他のメンバーからの評判が良かったのだ。
我が家は何時ものペースならば、先頭グループの後ろに付いて登るところだが、昨日の反省もあって、T津さんの後ろをゆっくりと付いていくことにした。
しかし、途中で汗をかかない様に上着を1枚脱いでいたのが、そのペースで登っていると汗もかかずに、逆に体が冷えてしまいそうなので、再び上着を着込むこととなる。


沢を渡る 一列縦隊で登る
スノーブリッジで沢を渡る 今日は後ろからゆっくり付いて行く

ひたすら登る三段山では、山頂まで緩急を繰り返しながら登っていくけれど、前十勝の場合は麓の部分がなだらかで、途中から山頂にかけては、ほぼ同じ傾斜の急斜面が続いている。
私達が跡を辿っているトレースは、その急斜面を大きくジグザグに登っている。
それが、無理のない傾斜で登っていてくれるので助けられた。
登る距離は少々長くなっても、緩い傾斜の方が私にとっては登りやすいのである。

空を覆っている雲はなかなか晴れそうにない。
時々、その雲を透かして青空が見えるのだけれど、直ぐにまた無情な雲がその青空を覆い隠してしまう。
ほんの一瞬だけ、太陽の光が雪面を照らしたけれど、カメラを取り出す間もなく曇ってしまった。


このまま晴れてくるかと期待したが、直ぐにまた雲の中に

雪の状態は申し分ないけれど、所々で雪面ギリギリにハイマツの枝が潜んでいるようだ。
滑っている途中でこんな枝に引っ掛かっては堪ったものではない。
滑り降りる時は、誰かが滑った後に続いた方が良いかもしれない。


前十勝の斜面の様子
慎重に滑らないと、こんなブッシュが隠れていそうだ

何も見えない標高1500m付近まで登ってくると、その上にはブッシュだらけの斜面しか見えていなかったので、今日はここから滑り降りることにした。
しかし、滑る頃になって一番天気が悪くなってきた。
雲の中に入ってしまったようで、見通しも利かなくなる。
こんな状態で、何処に障害物があるかも分からない斜面を滑る気にはならず、晴れてくるのを待つことにした。

しばらく待っても変化が無いので、しびれを切らしてG藤さんが滑り始め、皆もそれに続く。
少し下ると雲の下に出たようで、周りが見渡せるようになってきた。
目の前に大斜面が広がっている。
今回は滑りだす前にT津先生のレクチャーを受け、体を積極的に使うように心掛ける。
そうしてその大斜面に向かって思いっきり飛び込んでいった。


大斜面を滑る
各々が好きなコースを滑り降りる

昨日の三段山を滑るよりも、こちらの方がずーっと楽しかった。
下まで下りてきたところで、時間も早いのでもう一度登り返そうとの話が出てくる。
かみさんは、Y賀さんとK田さんがこのまま降りるというのでそちらに着いていき、私はもう一度登り返すことにした。
それくらい、前十勝の斜面は楽しかったのである。

もう一度登り返して滑りを楽しむ三段山の方が、樹林帯の雰囲気も良く、景色の変化も楽しめて、登るのには良い山だけれど、単純に滑りを楽しむためだけならば、前十勝の方がお勧めかもしれない。
ただし、雪の状態が良い場合の話である。

25分かけて150mを登り返すと、最初に滑った時よりも天気も良くなっていた。
斜面が広いので、まだ荒らされていない雪面も残っている。
そこを再び一気に滑り降りた。

帰りの2か所の登り返しも、思った程苦労することもなく駐車場まで戻ってこられた。
「お疲れ様」と言い合う皆の顔には、充実した笑顔が浮かんでいた。
思う存分に冬山の魅力を満喫できた2日間となったのである。


白銀荘 沢の渡渉ポイント 1500m

0:30

1:50
距離:2.9km 標高差:500m

十勝岳連峰
下界は晴れていたけれど、十勝岳連峰にだけ雲がかかっていたようだ


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