昨日の幌向岳に続いて今日も山スキーに出かけることに。
朝から雲が広がっていたけれど、昨日と逆で昼頃には晴れてくるだろうと勝手な予想を立てる。
行き先は2年ぶりの千尺高地。過去に2度登った時はどちらも天気に恵まれず、頂上からの展望は未だにお目にかかっていない。今回は、天気が良ければ長尾山から無意根山まで足を伸ばしてみるつもりだった。
豊羽鉱山に向かうに従って次第に雪深い風景に変わり、空を覆っていた雲も薄くなってきて、期待が高まってくる。ところが、もう少しで現地に着くところで、道路が工事中で通行止め。
事前に南区役所のホームページで確認して工事中のことは調べていたけれど、そこには片側交互通行と書かれていたはずだ。ここでガードマンのお兄ちゃんに文句を付けて困らせたところで、事態が変わる訳もなく、素直に引き返すことにした。
近くで他に登れそうな山は迷沢山か奥手稲山だが、あまり気が進まない。
そのどちらも、車を停められそうなスペースが無かったので、去年の2月に初めてチャレンジして途中撤退と言う結果に終わった白井岳に目的地を変更した。
突然の予定変更だったので、白井岳周辺の地図も用意していなく、GPSへのルート登録もしていない。
これでは何処をどう登れば良いのかも分からないが、今日は3連休の最終日である。
山頂へは昨日までのトレースが縦横無尽に刻まれているはずだから、迷う心配も無いだろう。
その予想通り、歩き始めて直ぐ、札幌国際スキー場の敷地から外に出たところで朝里岳沢川沿いに昨日のものと思われるハッキリとしたトレースを見つける。
去年の初チャレンジの時はそんなトレースもなく、膝までのラッセルを強いられ、最初から苦難の道となったのである。
それが今回は、素直にそのトレースに従って登っていけば良いだけだ。
ところが、去年のイメージが変に頭の中に残っているので、「あれ?こんな場所を歩いたかな〜?」と余計な考えが浮かんでくる。
その時、一人で登ってきた若者に追い越された。
私達だって歩くのはそれ程遅い方ではないと思っていたけれど、彼のスピードの速さに、私もかみさんも唖然として顔を見合わせる。
その彼がスノーブリッジを越えて川を渡っていくのを眺めながら、「やっぱり変だ!こんなところで川を渡った記憶はない!この辺りから急な斜面を登って尾根に上がったはずだ!」との考えに囚われる。
その記憶にあるような斜面を通り過ぎてきたばかりだったので、一旦戻ってみることにした。そこの斜面には、雪に埋もれたトレースらしき跡が微かに見えている気がする。
「多分ここが去年登ったルートだろう」
しばらく迷っていたけれど、そこを登ったところで、次に待っているのは去年のようなラッセル地獄である。
昨日の幌向岳での失敗のことも思い出し、変な思い込みは捨てて、素直に今まで歩いてきたトレースに従うことにする。
そして次の渡河地点までやって来て、こここそが記憶に残っている場所であることをようやく確信した。
スノーブリッジを渡って、尾根の上に出る斜面に取り付く。
沢から上がると回りの景色ががらりと変わる。
頭上にが青空も広がってきた。
たっぷりと雪を乗せた枝をしな垂れるトドマツ。曲がりくねった枝を広げるダケカンバ。
大好きな冬の森の風景だ。
複雑にうねる斜面の中を縫うように、トレースが続く。
上空の雲の流れは速く、せっかく広がった青空も直ぐにまた隠されてしまいそうだ。
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