塩谷丸山(2010/2/12)

4度目の正直


 連休二日目は、一昨日の夜から昨日の朝にかけて40センチ以上の雪が降り積もった小樽の塩谷丸山へ登ることにした。
 札樽自動車道を走っていると、海の向こうに暑寒別岳などの増毛山地の山並みがはっきりと見えている。
 間違いなく今日は今シーズン一番の好条件が期待できる。
スキーを背負って住宅街を歩く 「こんな素晴らしい日に登るのが塩谷丸山だなんて、なんだかな〜」
  塩谷丸山にとっては何とも失礼な言葉が口から漏れ出てきた。
 まあ確かに、この天気ならば余市岳とか春香山に登った方が展望を楽しめそうである。
 それでも行き先を変えることなく、JR塩谷駅の駐車場に到着。
 そこから、スキーを取り付けた重たいザックを背負い、15分ほどかけて登山口まで歩いていく。
 途中、除雪の雪を押し付けた僅かばかりのスペースに車が1台停まっていた。
 時間も早いので私達が一番乗りかと思っていたが、先客がいたようである。

嬉しいトレース 雪の中に深いトレースが1本続いていた。
 昨日のトレースと思われる。
 ストックの跡から判断すると、昨日登ったのは数人程度しかいなかったようだ。
 その人数でこの深さのラッセル、相当苦労したに違いない。
 そこを私達は、何の苦労をすることも無く歩かせてもらう。
 冬に塩谷丸山に登るのはこれが4度目になるけれど、雪の多さは今回が断トツだった。
 倒木なども殆どが雪に埋もれていて、かなり歩きやすくなっている。
 全く苦労する事も無く300m台地のトドマツ林のところまで登ってきた。
 ここのトドマツは、何時も必ずカメラを向けてしまう程に美しい姿である。


森の中を抜けて 300m台地
静かな森の中を歩く 300m台地のトドマツ

深いトレースの中を歩く そこを過ぎるといよいよ本格的な登りとなってくる。
 昨日の音江山の時と違って、ここのトレースは無理に急登することも無く、優しささえ感じるような登り易いトレースだった。
 それでも、息遣いが次第に荒くなってくる。
 後ろには塩谷の港や、頂上にアンテナの立つ赤岩、そしてその向こうの増毛山地など、素晴らしい展望が広がってきた。
 ダケカンバの林を抜けると、余市の街並みやその向こうの積丹の山並みも目に入ってくる。
 私達よりも先に登っていた人達はもう、滑り降りていくところだった。
 休みらしい休みも殆ど取らずに、塩谷駅の駐車場を出てから1時間50分で山頂に到着。
 北海道雪山ガイドの塩谷丸山のページには、積丹半島の山並みが美しく見渡せる写真が載っている。
 ここに登る時は、それと同じ風景が見られるのを楽しみにしていたのだが、何時も雲に邪魔されてしまい、その願いは叶わないままだった。
 それがとうとう、ガイドブックの写真と同じ風景を目にすることができたのだ。


後に見える風景
赤岩山の向こうには増毛山地が見えている

深いトレースの中を登る 山頂まであと少し
深いトレースの中を登り続ける 山頂までもう少しだ

頂上直下
この岩塔の横を登れば山頂だ

憧れの風景
山頂から眺める余市の街並みと積丹の山並み

 それに、石狩湾の向こうに見える増毛山地。その山の連なりを目で追っていくと遠くに見えるのは大雪の山々だろうか。
 先週登ったばかりのニセコ連峰も、真っ白な山の連なりとして一望できる。
羊蹄山が見える その隣りでは、手前の山の上に、羊蹄山が白い頭だけを見せていた。
 真っ青な空が広がる中で、そこだけが雲に覆われているのは余市岳のあたりだ。
 途中で予定を変更してそこに登っていたりしたら、悔やんでも悔やみきれないところだった。
 塩谷丸山の山頂には小さな祠がある。
 本当は小高い場所に建っている筈なのに、今回はそこへ、スキーで滑り降りていく。
 それだけ、回りに雪が積もっていることになるのだろう。
 山頂から張り出した岩の上に立ってみる。
 その下に見渡せる雪原は、動物達の足跡だらけだ。
 冬の山に登っていると、こんな足跡はそこら中で目にするけれど、ウサギやキツネの姿そのものを見たことはまだ一度も無い。
 是非一度、雪原の中の真っ白なウサギの姿を見てみたいものである。


塩谷丸山の山頂 岩の上に立つ
山頂の祠と錫杖 ちょっとびびってます

山頂の雪庇の上を歩く
山頂の雪庇の上を歩く

一体、何処の山まで見えているのだろう

 塩谷丸山の頂上は何時も風が強いイメージがあったが、この日は風も弱かった。
 頂上から絶景を眺めながら昼を食べる絶好のチャンスだったけれど、こんな時に限ってそんな準備はしていないのである。
 スノーシューの男性が一人で登ってきたので、山頂を明け渡し、私達はそこでシールを剥がして滑り降りることにする。
新雪を滑る たっぷりと新雪の積もった斜面には、私達の先に登っていた二人連れのトラックが刻まれているだけだ。
 昨日登った人達は、登ってきたトレースとほぼ同じ場所を滑り降りたようである。
 何だか私達のために、しっかりとしたトレースと美しい斜面を残してくれていたようで、本当にありがたい。
 しかし、せっかくの美しい斜面に、私の技術ではいびつなトラックしか描けないのが情け無かった。
 かみさんのトラックの方が、まだ形の良い弧を描いているくらいである。
 滑っている本人はパウダースノーの浮遊感を楽しんでいるのだけれど、かみさんに録ってもらった動画を見ると、上半身の無駄な動きが多すぎて、何とも格好が悪い。
 一度だけ上手に滑れた感覚があったのだけれど、「あっ!ごめんなさい、スイッチ入って無かったわ!」
転んだ〜 それでいて、最後に転んだところだけはしっかりと写されていたのである。

 途中ですれ違った登山者の方から「道路際にランクルを停めていませんか?」と聞かれた。
 その車が除雪の邪魔になっているらしく、登っている時に他の登山者に声をかけてくれと言われたとのこと。
 その次にすれ違った方からも同じ事を聞かれる。
 私達が朝に見た車なのか、その後に停められた車なのかは分からないが、これだけ雪が多くなれば、道路際への駐車は止めるべきである。
 登山口まで下りてきた後、そのまま車道を滑り降り、JRの踏み切り手前でスキーを外していると、ちょうどそこへミニパトが走ってきた。
林間を滑る 「登山者の方ですか?」と聞かれる。
 「最近は路上駐車する人とか、道路をそのまま滑ってくる人がいて、苦情が増えているんですよね」
 思わず小さくなってしまった。
 くれぐれも地元の方の迷惑にならないように山スキーを楽しみたいものである。

 最高の条件に恵まれた今回の塩谷丸山。
 スキーシーズンも、ほぼ折り返しまできている。
 願わくば残りのシーズンでもこんな快適な山スキーを楽しみたいものである。



塩谷駅 登山口 300m台地 頂 上
0:15 0:45 0:50
下り 0:45
距離:3.6km 標高差:578m


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