チセヌプリ(2011/2/6)

骨折り損


リフト終点で ニセコでの二日目はチセヌプリに登ることにした。
 今日の天気は午後から曇りの予報。
 そこで朝一番のリフトに乗って、晴れているうちに山頂からの展望を楽しもうと計画を立てる。
 昨日登ったばかりの前目国内岳をチセヌプリの山頂から眺めるのが楽しみである。
 ところが、リフトが動き始める9時前に既に空には雲が広がってきていた。
 おじさんおばさんの11人グループの後に続いてリフトに乗り込む。
 リフト終点から隣りのニトヌプリの方向に目をやるが、雲に隠れてその山頂を確認できない。

 そこから少し滑り降りた場所でシールを張って登り始める。
 私達の周りでも準備をしている人が沢山いたが、こんな時は少人数の方が行動も早い。
 私達の前にはボーダーの女性が一人登っているだけだ。
チセヌプリを登る その彼女も直ぐに追い抜いて、私達が先頭となる。
 最初の急斜面も難なく登って、今日は調子が良い。
 毎朝のランニングで、体力も付いてきているのだろう。
 しばらく登ったところで後ろを振り返る。
 途中で追い抜いたボーダーは男性と一緒で、二人で全く別のルートで登っている。
 そしてそのずーっと下に蟻の行列のように見えるのが、リフトに乗っていたおじさんおばさんグループのようだ。
 足も軽いし、今日はぶっちぎりで山頂に到着できそうである。
 登頂タイムも、我が家がこれまで登った中での最短時間を記録できそうだ。


先頭で登る 遙か後方から大集団が
ぶっちぎりの先頭で登る 遙か後方に見える大集団

 傾斜は更に急になって、ジグザグに斜面を登っていく。
 古いトレースが残っているのでそこを登ろうとしたが、私には急すぎてスキーがスリップしてしまう。
 そのトレースは諦めて、自分の角度で登ることにする。
 無理をするよりは、その方が負担もずーっと少ないのである。
 直登してくるボーダーのカップルに追い越されるが、これはしょうがない。
追いつかれた! 次第にガスがかかってきた。
 所々に硬く締まった雪面が現れて、スキーのエッジが効かずにずり落ちてしまう。
 そうなってくると全身に力が入り、一気に体力を消耗する。
 そろそろ頂上が近いかなと思って上を見るが、先程のカップルがずーっと上の方に霞んで見えている様子からは、まだまだ遠いようだ。
 それよりも自分達よりかなり下に居たはずの人影が直ぐ近くまで迫ってきていたので驚かされた。
 スノーシューで直登している人に追い抜かれるのはしょうがないが、スキーで登っている例のおじさんおばさんグループにまで抜かれるのは許されない。
 と思っても、私のスキーは横滑りばかりしていて、さっぱり先に進めない。
 とうとうそのグループの先頭の男性二人に追い越されてしまった。
 もうつまらない意地を張るのは止めにして、その二人の後を着いて行く事にした。
 ところが彼らが普通に登っていく硬い雪面で、私のスキーは相変わらず横滑りばかりしている。
 結局その後を追うことを諦め、再び自分の角度で登り始める。
 1時間もかからずに登れるチセヌプリだけれど、ここを簡単に登れた事は一度も無い。毎度毎度苦労させられるのだ。
山頂は何も見えず ヨレヨレになって後ろを振り返った瞬間、信じられない光景を目にして唖然とした。
 私達の登ってきたトレースの中を、例の集団の中のおばさんグループが凄い勢いで登ってきていたのである。
 「よりによって何で私の後を!」
 尻に火が付くとはこんな時の状況を表すのかもしれない。
 スキーがスリップしようが横滑りしようが、もうどうでも良かった。
 そこからがむしゃらになって登り始めた。
 すると間もなく傾斜が次第に緩くなってきた。徐々に登る角度をきつくして最後は真っ直ぐに山頂へと向かう。
 時計を見るとほぼ1時間。何時もと殆ど変わらないタイムでの登頂だった。

ガスが晴れてきたところで滑りはじめる 頂上では昨日と同じような強風が吹き付け、おまけにガスに包まれて周りが何も見えない。
 頂上の標識の前で写真を撮って、早々に滑り下りることにする。
 しかし完全なホワイトアウトの状態では、どちらに向かって滑れば良いのか見当も付かない。
 幸い、何年か前に滑ったコースをGPSに登録しておいたので、それを頼りに方向を定める。
 滑ると言っても、横滑りで下りるだけである。
 距離が開くとお互いの姿さえ見えなくなるので、少し滑ってはかみさんの姿を確認する。
 雪質は、風に飛ばされた雪が薄く積もった状態で昨日よりはましだけれど、これでは滑りようが無い。
 苦労して登って、景色は何も見えず、そして下山はズルズルと滑り落ちるだけ。
 「これじゃあ登った意味が何も無い」と思えてきた頃、ようやくガスが薄れて、下界の風景が見えるようになって来た。


下界へ向かって滑る
ガスがかかっていたのは上の方だけだった

 「良し!」と思って滑り始めた途端、吹き溜った雪に板を取られて転倒。
 雪まみれになったけれど、これが楽しい。
 調子に乗ってかなり滑り下りてしまい、GPSを見ると前回滑ったコースよりもかなり下まで来ていた。
大湯沼が見える場所まで下りてきた 雪に埋もれているニセコパノラマラインまで下りてきても、そのまま大湯沼まで滑り降りられるが、駐車場から離れてしまうので、山の中をトラバースしながらスキーコースへ戻ることにする。
 真っ白な風景の中に湯気を上げる小湯沼を見下ろしながら、森の中を滑っていく。
 その辺りでは雪面もガリガリである。
 ようやく大湯沼や雪秩父の見える場所まで回りこんできて、ようやくチセヌプリスキー場のコースへと出てこられた。

 車に戻って、その後は雪秩父の温泉に直行。
 山スキーと温泉をたっぷりと味わった週末。
 ニセコはやっぱり最高のアウトドアフィールドである。


山の中で湯気を上げる小湯沼
山の中で湯気を上げている小湯沼


リフト終点 チセヌプリ山頂
1:00
下り 0:50(駐車場まで)
距離:1.6km 標高差:327m


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