そこを過ぎるともう一つ875mのピークがある。
このピークは上まで登らずに右側をまくのが正解。ところがその辺りから、沢山あったトレースが全て吹き溜まりで消えてしまっているので、正しいルートが分からない。
帰りに登り返さなくても済むようなルートをとるのが一番なのだけれど、困ったことに今日は地図を忘れてきてしまった。
大沼山は尾根沿いに上っていけば良いので道に迷う心配もないだろうと簡単に考えていたので、地図のこともあまり頭に浮かんでこなかったのだが、山では何が起こるか分からない。まだまだ山の怖さを本当に分かっていないのだと反省である。
GPSに去年登った時のルートを登録しておいたのだけれど、それ自体が失敗したルートだったのであまり参考にもできない。
しょうがないので適当に見当をつけて歩き始めた。
そしてピークの裏側まで来ると、やっぱり登り過ぎてしまったことに気が付いた。先へと続く尾根は、かなり下のほうに見えていたのである。
その場所からは更に上の方の様子まで良く見渡せた。登り始めた頃よりも、雲が広がり風も強まってきているような気がする。
ここから先、トレースはほとんど消えているだろうし、もしかしたら天候も下り坂に向かっているのかもしれない。
今日はこの付近の山に入っているのは私達くらいだと思われ、何かトラブルがあっても助けてくれる人は誰もいない。
そんなことを考えると少し気弱になってきて、「今日はこの辺で引き上げることにするか?」とかみさんに聞いてみた。
するとかみさんは、「えっ?、???、何言ってるの?」って表情を浮かべるだけで、言葉が無い。
もしかしたらかみさんも不安を感じているかもしれないと思って聞いてみただけなのだけれど、全く余計な心配だったようである。
下の尾根まで滑り降りて再び気合を入れて登り始める。
アカエゾマツやトドマツ、ダケカンバなどが真っ白に雪を被った美しい風景の中を、一歩一歩スキーを進めていく。
たまに雲の切れ間から日が射してきて、その風景をより一層美しく照らし出す。
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