日勝ピーク(2007/05/03)

これが今年のスキー納め


 国道274号の日勝峠を日高側から走っていくと、日勝トンネルに入る直前、そのトンネルの上にスキーで滑るのに楽しそうな斜面が広がっているのが見える。
 冬にここを通る度に、いつかはここを滑ってみたいなと憧れの目で眺めていたのだが、山スキーを始めたおかげでその憧れがついに実現することになった。
 北海道雪山ガイドにもこの山のことが載っていた。もっとも、雪山ガイドの中ではトンネル上の山ではなくて、その奥の沙流岳が紹介されているのだ。
 本当は4月中頃に登ろうと考えていたのだけれど、都合が付かずに結局GWの後半になってしまった。
 今年は暖冬だったし、この時期でも滑るだけの雪が残っているのだろうか?札幌を出て日高町までやってくる間、何処にも白い雪の姿を見かけない。
 しかし、さすが日高山脈である。日高町を過ぎて日勝峠に向かうと、その前方に立ち塞がる日高山脈の山々は、まるで私達を出迎えてくれるかのように、雪化粧を落とさずに待っていてくれたのだ。
 トンネル横の駐車場に入ると、そこには数台の車が停まっていた。誰も乗っていないので、山に登っている最中なのだろう。
 そこから見上げる山の斜面は真っ白な雪に覆われているけれど、駐車場の周りの雪は車粉などでまっ黒に汚れたいた。
 その汚れた雪を恐る恐る乗り越えて、白い雪の上でスキーを装着する。


登り始め 日勝展望園地
駐車場から登り始める 後ろに展望園地が見える

 気温もかなり上っているのでシャツ1枚で登りたかったけれど、風がかなり強いので、その上にジャケットを着込んだ。
 今日は朝のうちは所々で雨の降るところもあるが、昼頃には全道的に青空が広がるとの天気予報になっていた。しかし、もう直ぐ昼になるというのに、天気が良くなりそうな気配は全くない。
 たまに青空が覗くこともあるが、直ぐに次の雲が流れてきてそのすき間を塞いでしまうのだ。
 登るにしたがって、国道を走る車の騒音が次第に遠ざかっていく。
 今日はGW後半の初日と言うこともあり、交通量もかなり多い。これまでは何時も下から見上げる立場だったが、今日はその車の列を山の上から見下ろせるので、とても良い気分だ。
 きつ過ぎることもなく、登るのにちょうど良い斜度の斜面がずーっと続いている。
 エゾマツやダケカンバが所々にアクセントのように生えている以外は、ほとんど樹木の無い大斜面である。ただ、雪解けが進んでその下に隠れていたハイマツが一帯に顔を出してきているような場所があった。
 そんなところは樹木の周りに空洞ができているので、時々ストックがズボッと刺さってしまう。スキーならば大丈夫だけれど、スノーシューだとこの落とし穴に嵌ってしまいそうだ。
 後ろを振り返ると、日勝展望園地の木製展望台が下のほうに見えていた。
 そこには何度か休憩目的で立ち寄ったことがある。トンネル入り口の少し手前から砂利道を車で登ったところにあり、そこからは十勝平野も見下ろせ、おまけに美味しい湧き水も飲める穴場スポットである。


ハイマツ地帯 大斜面
ハイマツが雪の下から顔を出した落とし穴地帯 大斜面を順調に登り続ける

熊見山
熊見山などが後ろに見える

 次第に傾斜もきつくなってきた。
 先に登っていたかみさんが途中で立ち止まり、雪面を指差しながら何かしゃべっている。そんなところに何か落ちているのかと思いながら近づいて行くと、そこにあったのは熊の大きな足跡だった。
 昨日は雨が降ったはずだし、爪の痕まではっきりと残っているところを見ると、今日の朝方にこの付近を散歩でもしていたのだろう。
 そんな足跡を見ると何時もはビビッてしまうかみさんだけれど、今日は逆に楽しそうな様子だ。周りの見通しが良いので突然襲われる心配も無いと、安心しているみたいだ。
 もしも熊が出てきたらこの斜面を一気に滑って逃げれば良いのだろうけど、果たしてその時になってまともに滑ることができるかどうか、私はちょっと自信がない。
 かみさんが、熊除けの鈴の音を更に大きく鳴らしながら、再び登り始めた。

熊の足跡 庭木のようなマツ
熊の足跡が! 庭木のようなマツ

  そうして約1時間ほどで山頂に到着。ニセコのイワオヌプリやチセヌプリに登るのにも同じくらいの時間がかかるけれど、それなりに結構苦労する。
 ここは同じくらいの時間で登れ、標高差もそれほど違わないはずなのに、随分楽に登れたような気がした。斜度が適当で、雪質もザラメで登りやすかったせいかもしれない。
 かなり青空が広がってきたものの、楽しみにしていた十勝平野の展望はほとんどが雲に隠れてしまっていた。
 はじめて登る日高山脈の山。その山頂からは、端正な姿の山が遥か彼方まで延々と連なっている様子が見える。尖った山頂に切り立った尾根、人を寄せ付けないような厳しい姿である。


ダケカンバの間を登る 山頂間近
ダケカンバの間を登る もう少しで山頂だ

十勝平野は・・・
この雲の下に十勝平野が広がっているはずなんだけど・・・

日高山脈
日高山脈の山の姿は独特である

 次第に怪しげな雲が広がりはじめたので、下山開始。
 風の当たらない場所で昼飯を食べようと思ったけれど、ちょうどそこは熊の足跡があった場所だ。さすがにそこで食べる気にはなれず、天気も崩れてきたのでそのまま車まで戻ることにする。
 駐車場まで降りてくると、パラパラと雨も降り始めた。
 この日、十勝では雷も鳴っていたようで、かなり不安定な天候の中、私たちはちょうど良いタイミングで登ることができたようだ。
 天気の良いときに是非もう一度登ってみたい山である。


大斜面を滑り降りる かみさんも滑り降りる
駐車場目指して滑り降りる 重たいザラメ雪は滑りづらい

日勝トンネルの上から 駐車場から山を見上げる
トンネルの上から道路を見下ろす 先ほどまで自分たちが立っていた山頂がかろうじて見えている


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