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我が家のファミリー通信 No.90-3

道内周遊鉄ちゃん旅3日目(川湯温泉泊) 2021/11/12

JR周遊の旅三日目は川湯温泉に泊まるので、比較的余裕のある行程になっていた。
お願いすればホテルの方で網走駅まで送ってくれるのだが、ここはやっぱり呼人駅から網走駅までの区間を乗らずに済ませるわけにはいかない。

北天の丘あばしり湖鶴雅リゾート
今朝はゆっくりとホテルをチェックアウト


網走行きの列車の時間は8:54。
昨日のように慌てて朝食を済ませる必要もなく、ゆっくりとホテルをチェックアウト
呼人駅までの送迎もお断りし、坂道を下って駅まで歩いていく。

石北本線呼人駅
こじんまりとした呼人駅


やってきた列車は3両編成。
混んでいるかと思ったが、通勤通学の時間帯も過ぎていたので、人はほとんど乗っていなかった。
そして一駅だけ乗って9:04に網走駅に到着。

石北本線呼人駅
網走行き列車到着


川湯温泉駅への列車は10:24発なので少し時間がある。
網走の街は、網走マラソンに参加するのに3回ほど来ているので、街の様子は大体分かっている。
網走川沿いの散策路を歩いたことがなかったので、河口近くの道の駅まで往復することにした。

網走川
網走川沿いを散策


網走湖から流れ出た網走川は7キロほど流れてオホーツク海に注いでいる。
網走市内は殆ど流れていないだろうと思っていたが、意外と流れが早いので驚いた。
先日の雨で網走湖の水位も高くなっているのかも知れない。

網走川と知床連山
知床連山が見える


河口に近づくと沖の方に知床連山の姿が見えていた。
道の駅の隣には流氷観光砕氷船のオーロラが停泊している。
運航開始は来年の1月。
コロナも収束して、今年はお客さんも戻ってくるのだろう。
でも、お客さんが戻ってきても、最近の暖冬傾向で、流氷がやって来るかの方が心配である。

流氷観光砕氷船のオーロラ
道の駅の前に停泊している流氷観光砕氷船オーロラ


網走駅まで戻ってきた。
今までは網走まで車で来ていたので、駅をゆっくりと見るのは初めてである。

駅前の像は、その雰囲気からアイヌの指導者シャクシャインかと思ったが、説明を見るとモヨロ貝塚などを残したモヨロ人のものだった。
アイヌが北海道の先住民族と言われているが、モヨロ人はその前から北海道に住んでいたようだ。
何時も疑問に感じるのだが、アイヌ民族の歴史は知られている範囲ではとても浅く、その前に住んでいた人との関係は一体どうなっているのだろう。

網走駅
アイヌのシャクシャインかと思ったらモヨロ人の像だった


 

網走から釧路までの釧網本線。
時刻表を見ると、これから私達が乗る快速列車(しれとこ摩周号)の他は、全て普通列車である。
快速と言っても停まる駅に殆ど違いはなく、所要時間が少し短い程度である。

キハ54形の快速しれとこ摩周号
キハ54形の快速しれとこ摩周号


中に入って鮮やかな青色のシートに目を奪われる。
そのシートは、4人がけのボックスシートではなく2人がけのシートなのが嬉しい。
乗客は昨日の列車よりも多かったけれど、今日も左右に分かれて2人がけシートを1人づつ座ることができた。

キハ54形気動車内部
鮮やかなシートの色にびっくり


釧網本線は乗り鉄の方にも人気があるようで、如何にも鉄ちゃんらしき人が数名乗車していた。
最初に目に飛び込んできたのはオホーツク海の向こうに見える雪を被った知床連山。
網走川からも見えていたけれど、やっぱり目の前にオホーツク海が広がっている方が絵になる。

釧網本線車窓風景
オホーツク海の向こうには知床連山が


そんな風景を楽しめる左側のシートに座っていることで、反対側のかみさんに対して後ろめたさを感じてしまう。
しかし、右側に濤沸湖が見えるようになってからは風景が逆転した。
濤沸湖の奥にはなだらかな山容の藻琴山が見えている。
そして遥か遠くには雌阿寒岳などの姿も確認できる。

釧網本線車窓風景
濤沸湖と藻琴山


途中の藻琴駅や北浜駅なども鉄ちゃんの間では人気なようで、停車する度に皆がカメラを向けていた。
それらの駅は私は何度か車で訪れているので、特に写真を撮ろうとも思わない。

知床斜里駅を過ぎると線路は海岸線を離れて内陸へと入っていく。
車窓からの楽しみは今度は海別岳へと変わる。

釧網本線車窓風景
内陸へ入ると海別岳の姿が


そして海別岳を過ぎると、次の主役は斜里岳となる。
列車が進むに従って斜里岳の姿が変わってくるのが面白い。
どちらの山も登ったことがある山なので、見ていても余計に楽しく感じる。


斜里岳山頂は少し白くなっていた


こうして、走っている列車の中から車窓風景を撮影しているけれど、写真を撮影するのならば車で移動していた方が良いのである。
美しい風景あれば、適当なところで車を停めてじっくりと構図を考えながらシャッターを切れるので、列車の車窓から写すよりもずーっと良い写真を撮れるのだ。
それでもやっぱり、運転に余計な気を使わないで、純粋に風景だけを楽しむことができる列車の旅には、全く別の魅力がある。

釧網本線の車窓風景
車窓風景が列車の旅の一番の楽しみ



そして、12:00に川湯温泉駅に到着。
今日の宿泊はお宿欣喜湯。チェックインが午後3時なので、時間が少しあり過ぎる。
まずは腹ごしらえで、最初はカフェ「森のホール」に入ろうと思ったが、生憎の満席。
川湯温泉駅の駅舎の中にある「オーチャードグラス」にも興味があったので、直ぐに予定変更。

川湯温泉駅
雰囲気のある川湯温泉駅


川湯温泉の駅舎は昭和11年の建築で、なかなか味わいのある建物である。
「オーチャードグラス」はその駅舎の貴賓室を改造したものらしく、なかなか良い雰囲気である。

川湯温泉駅オーチャードグラス
温かみのあるオーチャードグラス店内


私はオムライス、かみさんはビーフカレーを食べて、満足して店を出た。
駅から今日の宿までは、まっすぐに向かえば3.6キロほど。
天気も良くて時間もたっぷりとあるので、硫黄山に寄り道し、そこからつつじヶ原自然探勝路を歩いて温泉街へ向かうことにする。

硫黄山までは青葉トンネル遊歩道というものがあったので、そこを歩くことにした。
森の木々は既に葉を落として、青葉どころか紅葉トンネルにもなっていない。
それでも、普通の道路を歩いていくよりもずーっと清々しい気持ちになれる。

青葉トンネル
葉の落ちた青葉トンネル


硫黄山では噴気孔の直ぐ近くまで行ってみる。
川湯温泉には何度も来ているけれど、硫黄山に来るのは30数年ぶり。
有名な観光地は一度見れば十分というのが我が家のパターンなのである。

硫黄山(アトサヌプリ)
久しぶりの硫黄山だ


息子がまだ小さい頃、硫黄の匂いが嫌だったのか、どうしても駐車場から先に進もうとしなかったことを懐かしく思い出しながら、噴気孔に近づく。
30数年前の記憶は、そんな息子のことしか残っていない。

久しぶりに見る硫黄山は思っていた以上に素晴らしい場所だった。
周りの荒々しい風景、黄色く染まった噴気孔から吹き出す真っ白な噴気。
一級品の観光地と言えるだろう。
ただ、一度見ればもう十分かなという気にはなってしまう。

硫黄山(アトサヌプリ)
迫力のある風景だった


つつじヶ原自然探勝路を全て歩くのはこれが2回め。
1回目は5年前の7月初め、「100km歩こうよ大会in摩周・屈斜路」のイベントで歩いた時以来だ。
その時は、立ち止まって景色を眺める余裕もなく、ただ黙々と歩いただけで終わってしまった。

つつじヶ原自然探勝路
つつじヶ原自然探勝路に足を踏み入れる


今回はゆっくりと見て回れるけれど、辺りを埋めるように群生しているイソツツジは既に葉も枯れて、ちょっと殺風景なのが残念である。
5年前に歩いた時も既に花が終わっていたので、こちらの方は花の咲いている時期に是非もう一度再訪したい場所である。

つつじヶ原自然探勝路
このイソツツジが全部花を咲かせている風景を見てみたい


温泉街までやってきてもまだ時間が早かったので、そのまま川湯エコミュージアムセンターまで行って時間をつぶした。
そしてようやくチェックインして部屋に入り窓を開けると、正面に藻琴山が見えていた。
夕日は直接見えなっかったけれど、空に浮かぶ雲は赤く染まり始めていた。

お宿欣喜湯
夕日は直接見られなくても満足できる風景だ


ようやく本格的な温泉に入れるけれど、ここの酸性の強いお湯はちょっと苦手である。
私は湯船に入ってすぐに両手でお湯をすくって顔にかけるのだけれど、ここでそれをやるとお湯が目に染みて目を開けられなくなるのだ。
ザラザラした石でお尻がこすれると、今度はお尻がヒリヒリしてくる。
泉質は良いのだけれど、ゆっくりとお湯に浸かるような雰囲気ではないのだ。

ここの宿泊は2食付きで5400円なので、食事にはあまり期待はしていなかった。
それでも、ビュッフェスタイルではないので皿を持ってウロウロする必要もないので、ゆっくりと料理を食べられるのが良い。

お宿欣喜湯夕食
これにもう一品海老の天ぷらが付く


朝飯も必要十分って感じだ。
特徴的なのは朝からラーメンを用意してくれるところだ。
努力は認めるけれど、わざわざ朝からラーメンを食べる必要は無いかなって気がした。

お宿欣喜湯朝食
朝ラー付き朝食


それにしてもこんな料金で温泉宿に泊まれるのだからありがたい話である。


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