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我が家のファミリー通信 No.88-5

紅葉の京都観光(苔寺・嵐山) 2020/11/25

せっかくの京都の長期滞在なので、こんな機会でなければ行けないような所にも行ってみよう。
そこで出てきたのが苔寺(西芳寺)である。
参拝するためには往復ハガキによる事前申込みが必要。
今回の宿はアパートのような民泊施設なので、部屋番号の入った郵便受けで郵便物の受け取りができるので丁度良かった。

京都に来てから申し込みをして、一週間後くらいに返信ハガキが届いた。
希望日は第3希望まで書くことができて、届いたハガキには第2希望としていたこの日の午前10時から11時の間に入場するように書かれていたのである。

時間があったので、苔寺に行く前にまずは松尾大社に参拝することにした。

8時40分頃に阪急嵐山線「松尾大社」駅で下車すると、目の前に松尾大社の大きな鳥居が建っていた。

松尾大社
二の鳥居には榊の束が下げられている


表参道を少し歩いた先にある二の鳥居には、榊(さかき)の束がぶら下がっている。
下を通る時には全く気が付かなかたけれど、榊には汚れを祓う力があるらしい。
後でそれを知り、改めて写真を見てみると、確かに榊の束がぶら下がっていたのである。

本殿は松尾造とも呼ばれる珍しいものらしいが、屋根の一部が見えるだけなので、何処が特徴的なのか良く分からない。

松尾大社
少ししか見えていない本殿の屋根だけれど、何処が松尾造なのか分からない


松尾大社は酒造の神としても知られていて、境内に湧く霊泉「亀の井」の水を酒に混ぜると腐敗しないと言われる。
この「亀の井」の場所が分かりづらく、行事用のテントが入口の前に張られていたこともあって、それを見逃してしまったのが心残りである。
亀は松尾の神様のお使いとされていて、手水舎の水も亀の口から流れ出ている。

松尾大社
水を吐く亀


9時になるのを待って御朱印を貰い、お酒の資料館を覗いてから苔寺へと向かう。

その途中に月読神社がある。
松尾大社の摂社であり、子授け、安産の信仰がある。
どちらも私達には関係ないけれど、神社に参拝する時は何時も何も考えずに手を合わせているので、ここでも無心で手を合わせるだけである。

月読神社
月読神社は構えは立派だけれど、小さな社があるだけ


苔寺の手前の鈴虫寺(華厳寺)は、参拝者で賑わっていた。
住職の法話が人気らしいが、私達はそれにあまり興味がないので、5年前に近くまで来た時にもこのお寺はスルーしていたのである。

時間がまだ早かったので、苔寺を通り過ぎて地蔵院(竹の寺)を見に行く。
こちらは5年前の秋にも訪れた寺である。

地蔵院
地蔵院の紅葉は少し遅れ気味


緑の竹林と紅葉のコントラストがとても美しかった記憶がある。
今回は全体的に紅葉が遅れているようで、その時程の感動は得られなかった。

地蔵院
竹林と紅葉の組み合わせはもっと美しくなるはず


 

そうして午前10時少し前に苔寺に到着。
コロナの影響もあるので、一度に大勢は入れないだろうと勝手に考えていたけれど、結構な行列が伸びていた。
拝観料は破格の3000円だが、折角の機会なので、その金額は気にしないことにしていた。

西芳寺
入って直ぐの紅葉、見学する前にまずは写経を


園内に入って、まずは写経をしなければならない。
この写経が、サービスなのか義務なのかが良く分からない。
一般的にはお金を払って写経するので、多分サービスなのだろうが、私にとっては正直言ってやらされている感しかない。
100円ショップで買ってきた筆ペンで初めての写経を経験したが、自分の字の下手さを思い知らされただけだった。

写経
字の下手さにガッカリ


それを奉納してから、ゆっくりと時間をかけて写経しているかみさんを外で待つ。
写経の最後に願い事を書くのだが、私もかみさんもただ「健康」と書いていたのには笑ってしまった。

それからいよいよ苔の庭に入る。
そこには期待していた通りの風景が広がっていた。

西芳寺


落ち葉を綺麗に取り除いた箇所もあれば、そのまま散り紅葉が残っている箇所もある。
今の時期だとやっぱり、緑の苔と赤い散り紅葉のコントラストの方に美を感じてしまう。

西芳寺


しかし、苔だけの風景もやっぱり素晴らしい。
色々な種類の苔が混ざっているので、同じ緑の絨毯でも場所によって表情が違うのである。
拡大して見ると、小さな小宇宙のようでもある。

西芳寺


今日は曇り空なのも幸いだった。
木々の間からの木漏れ日が苔を照らす風景も美しいかも知れないが、苔の写真を撮るには曇り空の方が向いているのだ。

西芳寺


周遊式の庭を一周りするとほとんどの人はそのまま出ていってしまうが、私達は人が少なくなった苔の庭をもう一回りした。
直ぐに立ち去るには惜しい風景なのである。
まあ、三千円分は楽しもうとの浅ましい心があったことも否定はしない。

西芳寺


苔庭を出た後は、混雑覚悟で嵐山へ行くことにした。
大河内山荘庭園を見たかったのである。



苔寺周辺には美味しそうな店も無かったので、昼食は嵐山に行ってから食べることにする。
しかし、目星を付けておいた店は休業日で、その近くの店はまだ11時半を過ぎたばかりなのに何処も既に行列ができている。
嵐山の混雑を甘く見ていたようだ。

そこから少し離れたところに手打ち蕎麦の店があったのをバスの中から見ていたので、そちらへ行ってみる。
その店では一組だけ待っている人がいたが、これくらいなら我慢できる。
そうして入った店だけれど、とても美味しい蕎麦を食べることができて大満足だった。

手打ち蕎麦 芳汕
換気用に開け放たれた窓の前の席だったので、待っている間は寒くて堪らなかった


食後は嵐山へ戻り、竹林の道を歩いて大川内山荘に向かう。
この竹林の小路は、京都一周トレイル最終日にその入口部分だけを見て、あまりの人の多さに呆れていたのだが、今日はその時よりも人が少ない気がする。
それでもやっぱり、その入口部分だけは人だかりができていた。

竹林の小路
これでも人は少ない方か?


しかし、そこから大川内山荘に向かう人は少なかった。
それなので、今日の目的地にここを選んだのである。

映画俳優大河内伝次郎が自ら手がけた庭園なので、これまで見てきた寺院の庭園とは少し趣が違っている。
入園料は千円とちょっと高めだが、お抹茶サービスも入っているので、それ程割高でもない。

大川内山荘
枯山水の庭


回遊式の庭園は、歩くに従って次々と様子を変えていく。
枯山水の庭、風情ある茶室、途中では比叡山や東山が眺められる。
紅葉の嵐山を借景にした庭の風景は見事としか言いようがない。

大川内山荘
建物との組み合わせも良い


大川内山荘
借景の嵐山との境目が分からないくらいに風景に馴染んでいる庭園


そして一番上まで登ってきたところにあるのが月香亭。
そこからは、京都一周トレイル前半で歩いた東山から大文字山、そして比叡山へ続く山の連なり、そして京都の街並みが一望できる。
建物の中から見ると、それがまるで額縁に収まる一幅の絵のように見えるのである。

大川内山荘
月香亭からの眺め


最後にお抹茶とお茶菓子をいただく。
混雑する嵐山の中で、ここだけが別の時間が流れているようである。

大川内山荘
最後の抹茶サービスが嬉しい


良い庭を眺めた後は、嵐山の人波を楽しむ余裕もできていた。
その人波に押されるように嵐電の駅に向かって歩いていると、紅葉の季節だけ特別公開されている宝厳院の前を通りかかる。
紅葉がかなり綺麗らしいので気になっていたお寺だけれど、この混雑ぶりでは入る気になれない。

保津川
保津川に浮かぶ舟


そのまま通り過ぎようと思ったけれど、外から見えている紅葉だけでも素晴らしく、その紅葉に誘われるように踵を返した。
中は人も多かったけれど、ゆっくりと歩ける程度の混み具合である。

宝厳院
園内はそれ程の混み具合ではなかった


獅子吼の庭と呼ばれる庭園は、正に紅葉に染め上げられていた。
木々の紅葉と散り紅葉により、頭上も足元も真っ赤なのである。

宝厳院
美しい流れを埋める散り紅葉


地面を覆う苔の美しさも、午前中に見てきたばかりの西芳寺の苔庭に勝るとも劣らないものだ。
庭園内の風情ある流れも散り紅葉で埋もれそうだ。

宝厳院
真っ赤なモミジが味のある建物を飾る


規模こそ小さいものの、今回の旅で回ったお寺の中では、ここの紅葉風景が一番だったかも知れない。
庭を出て、最後に紅葉のトンネルを歩いて宝厳院を後にした。

宝厳院
出口の参道も紅葉のトンネルに


苔寺観光がメインの一日になる予定だったけれど、嵐山でも美しい庭を見られて、充実した一日となったのである。


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