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我が家のファミリー通信 No.86-5

奈良旅五日目(斑鳩の里)

奈良旅五日目は、奈良で迎える最初の週末。
なるべく人の集まる場所は避けたかったので、熟考の結果、法隆寺のある斑鳩の里を観光することにした。
法隆寺と言えば日本屈指の名刹である。
しかし、奈良へ来てから分かったことは、観光客に人気の場所ほど人が少ないということだった。
奈良への旅を計画した時は、奈良県のコロナ感染者数もまだ少なかったのだが、私達がこちらに来てからは徐々に感染者の数が増えつつあり、少しでも人との接触が少なくなるようにしたいのである。

法隆寺へはJR奈良駅で降りると良いのだが、竜田川に隣接する竜田公園にも行きたかったので、一つ先の王寺駅で降りる。
特に目的はないのだけれど、桜が美しいらしく、「ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは」の有名な歌にも出てくる川なので、何となく興味を持っただけである。

王寺駅前の道を歩いていると、歩道上に色々な動物のモニュメントが置かれていた。
境港の水木しげるロードを思い出して楽しくなる。


歩道上のモニュメントを見て歩くのが楽しそうだ


途中で大和川を渡る。
「川の名前が大和なんて、さすがに奈良だな」と、変なところに感心する。

大和川
大和川から見える風景もは何となく大和っぽい?


そうしてやって来た竜田公園は取り立てて見るような物も無く、竜田川も特に風情のある川でもなかった。
ただ、少し離れた場所の小高い山は、桜に覆われてピンク色に染まっていた。
桜が美しいのはその三室山だったようで、これはちょっとリサーチ不足だったようだ。

竜田川と三室山
分かっていれば最初から三室山を目指したところだが


三室山に行くには少し逆戻りすることになるので、そのまま先に進むことにする。
龍田神社、藤ノ木古墳に立ち寄りながら法隆寺を目指す。

竜田川
竜田川の風景は特筆するものもなし


龍田神社ではご神木の大クスに目を惹かれたが、ここではソテツの巨樹が県指定の天然記念物となっている。
「これで巨木なの?」と思ったが、種子島で見た日本一のソテツも、そんなに大きくはなかったので「ソテツはこんなものなのだろう」と納得する。

龍田神社
それ程広くはない龍田神社の境内一杯に枝を広げる大クス


藤ノ木古墳は名前だけは聞いたことがあったけれど、その印象は「北海道の公園にあるスキー山と大して変わらないな」である。
ここには古墳内部の石室を覗ける窓があるので少しは良かったけれど、なかなか古墳マニアはなれない。

藤ノ木古墳
古墳とスキー山は似たようなものだ


 

そうして午前10時前に法隆寺に到着。
さすがにこの時間では、東大寺の時の様に観光客が数名だけと言うわけには行かなかった。
しかし、それでも普段と比べたら全然空いているのだろう。

法隆寺
国宝南大門の先に見える中門と五重塔


正直言って法隆寺には、修学旅行で見るお寺のイメージがありあまり期待はしていなかった。
しかし、中門から入って金堂や五重塔など、ほぼすべての建物が国宝に指定されているだけあり、さすがに見ごたえがある。

法隆寺
国宝の中門と五重塔


そして建物の中に入っても国宝の仏像ばかり。
人が少ないので一つ一つの仏像をゆっくりと見て回れた。

法隆寺
国宝の金堂と五重塔


ちょっと不思議な団体いた。
バスガイドさんの現地見学かと思ったら、どうやら新人バスガイドの研修らしい。
時期的に、4月に入社したばかりなのだろう。
二人一組でお互いに施設の説明をしあっているのが、見ていて微笑ましい。

法隆寺
バスガイドさんの新人講習に遭遇


次に大宝蔵院に入る。
法隆寺に伝来する数々の名宝が展示されていて、国宝のオンパレードである。
中でも取り分け感動したのが百済観音像だった。
すらりと伸びた体躯と柔和な微笑み、明らかに今までに見たことのないタイプの仏像である。
この仏像が何故法隆寺にあるのかもはっきりせず、その置き場所も何度か変わって、不遇な扱いを受けていたらしい。
それがようやく大宝蔵院観音堂のご本尊として安置されたとの説明書きを読み、余計にこの百済観音が好きになってしまった。
あなたの一番好きな仏像は?と聞かれたら、私は迷いなくこの百済観音だと答えるだろう。

次に東大門をくぐり、美しい桜を楽しみながら東院伽藍の夢殿へと向かう。
拝観料金の1500円にはこの夢殿までが含まれているので、パスするわけにはいかないのだ。

法隆寺
東門を抜けた先には美しい桜の並木があった


夢殿を見た後は、隣にある中宮寺を訪れる。
ここでまた新人研修中のバスガイド御一行様と一緒になる。
本堂に上がって、バスガイドさん達と一緒に本尊の国宝菩薩半跏像の前で中宮寺の由来や本尊の説明を聞く。

私は奈良に来てからヒノキの花粉に反応したようで、花粉症の症状が出ていた。
説明を聞いている時に、後ろで思いっきりくしゃみをしたものだから、ガイドさんの何人かが恐れの表情を浮かべて後ろを振り向かれてしまう。

中宮寺
中宮寺本堂の中でバスガイドの卵達と話を聞いた


中宮寺を出た後に、私たちは近くのラーメン屋で昼食を食べることにした。
そのラーメン屋に向かっていると、バスガイドさん達も後ろから付いてきた。
まさか同じラーメン屋に行くわけはないよなと思っていると、突然全員で「車が通りますから道の脇に寄ってください」と声をかけられ、思わず「ハイ!」と返事してしまった。
彼女たちはまだ研修時間中なので、道路を歩く時も車が来たらそう言うように決まっているらしい。
ラーメン屋へ行く途中の駐車場に、彼女たちが乗ってきたらしいバスが停まっていた。



目的のラーメン屋に着いた時、時間はまだ11時20分なのに店の前には数人の行列ができていたのに驚かされる。
店の中の表示を見て初めて知ったのだが、この店は食べログラーメン100名店WEST2019に選ばれていたのだ。
週末ならば混むのも当然である。
それでも少し並んだだけで美味しいラーメンを食べられて大満足だった。

ラーメンやみつ葉
人気のラーメン店だけど、少し並んだだけで食べることができた


腹を満たした後は法輪寺、法起寺を回る。
どちらの寺にも三重塔があり、法隆寺の五重塔と合わせて斑鳩三塔として親しまれている。

レンゲの花の咲く喉かな田園風景の中を歩いていくと前方に三重塔が見えてきた。
法輪寺到着である。
門前の桜が何とも良い感じだ。

法輪寺
法輪寺の三重塔が見えてきた


法輪寺
桜の花越しに見上げる法輪寺三重塔


次の法起寺はコスモス畑に囲まれた三重塔の写真がガイドブックに載っていたので、境内に入る前に周りの畑の方に行ってみる。
しかし、コスモスが咲いていないと、写真で見たような風情はなかった。
境内に入っても三重塔以外に特に見るべきものはなく、拝観料の300円は払わなくても良かったかなと思ってしまう。

法起寺
法起寺の三重塔


時間はまだ午後1時。
宿に戻るには早過ぎるので、近鉄郡山駅の郡山城跡に寄っていくことにした。
桜が綺麗に咲いている様子が電車の中から見えて、気になっていた場所である。

法起寺の直ぐ前にバス停があり、それに乗って郡山城跡へと向かう。
城の近くのバス停で降りると、沢山の人がぞろぞろと歩いていた。
その人の流れは郡山城跡へと向かっているようだ。

郡山城址
お堀の桜が綺麗な郡山城址


郡山城跡は桜の名所にもなっているので、天気の良い週末に地元の人達が花見に集まるのだろう。
せっかく週末の混雑を避けて観光していたのに、思わぬところで人混みに入ってしまった。

それでも、何時もよりは人出も少ないのだろうし、城内もコロナ対策として花見の飲食は禁止になっていた。
石垣とお堀だけの城跡だけれど、桜の花に彩られ、良い風景を楽しめた。

郡山城址
郡山城址の一番高い場所からの眺め


帰りはJRの郡山駅まで歩いて、そこから電車に乗る。
ようやく奈良の交通機関にも慣れてきて、移動ルートも自分で考えられるようになってきた。
今回は、移動の際にスマホアプリの「乗換案内」、「NAVITIME」、「Googleマップ」を参考にしていたけれど、アプリによって全然違うルートが示されることが度々あった。
それだけ奈良の交通機関が分かりづらいということなのだろう。
最終的には自分で時間を調べて考えた方が良いのである。


郡山駅で見つけた金魚、郡山は金魚養殖の盛んな土地だ


今回利用した民泊施設は申し分のない宿だったけれど、唯一の不満はトイレがウォシュレットではないことと風呂が狭いことである。
特に風呂の狭さは、背の高い私には苦痛に感じる程である。
それでこの日は宿から徒歩10分程度の朝日温泉に入ってみた。
久しぶりに手足を思いっきり伸ばしてお湯に浸かり、良い気分で疲れも取れたのである。


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