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我が家のファミリー通信 No.79

九州の旅四日目(熊野摩崖仏他・耶馬渓)

別府に泊まった後は国東半島から耶馬渓を巡って福岡市内へ。
そのルートの中で何処を回ろうかと考え、杵築市で武家屋敷を見て、国東半島のお寺を巡って、豊後高田市の昭和の街を歩いて、宇佐神宮に参拝して、耶馬渓を巡って、日田市豆田町で街歩きを楽しんでと色々な案を考えていたけれど、どう考えても時間が足りなすぎる。

最終的に国東半島のお寺巡りと宇佐神宮参拝、耶馬渓観光だけに絞り込む。
しかし、自分で作った旅行の旅程表をホテルで確認していて、それでもまだ時間が足りないことに気が付いた。
何処かで時間の計算を間違えていたらしい。
とりあえずは旅程表通りに回って、途中で考えることにした。

熊野摩崖仏
こんな階段はまだ序の口

朝から素晴らしい青空が広がり、昨日がこんな天気だったらと、改めて悔しさがこみあげてきた。
そんな中、最初に向かったのが熊野摩崖仏。
駐車場までの道が狭くて怖そうだったので、その下の大型車の駐車場に車を停めて、そこから坂道を登っていく。
一般車の駐車場まで登ってきたところで既に息が切れていたが、そこからが階段の急な登りが始まる。
でも、その階段はまだ序の口だった。
鳥居の先に続いている自然石を積み上げた急勾配の階段を見て眩暈がしてくる。

しかし、今日は観光にかけている時間があまりないので、その急な階段をかみさんに負けない様に駆け上がる。

熊野摩崖仏
急な自然石の階段が遥か上まで続いている


案内所で「階段が急だから」と木の杖を貸してくれたが、私たちにはその杖は邪魔なだけだった。
やっとの思いで岩壁を掘って作られた摩崖仏まで辿り着いた時、私は息切れでゼーゼーしてたのに、かみさんは全く息も乱れていなかった。

岩壁に彫られた巨大な不動明王と大日如来の姿に圧倒される。
ただ、大日如来の方は美しい表情で彫られているのに比べて、より大きな姿の不動明王の方は少し顔の形が崩れている印象を受けた。

熊野摩崖仏
2体の摩崖仏


どちらも平安時代末期に彫られたとのことだが、不動明王の方が風化が進んで、そのせいで形が崩れているのかもしれない。

そこから更に石段を登ったところに熊野神社の拝殿がある。
一番下からここまで標高差は100mくらいありそうだ。

熊野摩崖仏
熊野神社の拝殿


登りは駆け上がれたけれど、下りは一歩一歩慎重に降りていく。
駐車場まで降りてきて、せっかくなのでその横にある胎蔵寺にも寄っていくことにする。

胎蔵寺
そこら中が金ぴか

境内に入って金ぴかに輝く石像にビックリした。
金色に塗られているのかと思ったら、小さな金色のシールが表面にびっしりと張られているのだ。
ここでお参りすると金色のシールを貰えて、それを境内の石像に張るとご利益があるらしい。
私たちにはあまり好きな風景ではなかったので、早々にそこを後にして、次の目的地である富貴寺へと向かった。

途中の真木大堂付近で、あちらこちらに並ぶ案山子の姿に興味を惹かれ寄り道する。
先を急いでいたけれど、こんな私たちはこんな案山子が大好きなのである。
この付近の農村景観に親しんでもらうとの趣旨で案山子コンクールが行われているらしい。

農村景観といえば、この付近の田染荘と言われる荘園は国の重要文化的景観に選定されているらしい。
できればそこにも行ってみたかったけれど、見るのに時間がかかりそうなので、仕方なく先を急いだ。


案山子を見ると絡みたがるかみさん

後ろにはのどかな田園風景が広がる


 

富貴寺は期待した通り紅葉の美しい寺だった。
ただ、写真教室らしい集団がいて、綺麗なモミジの木の下に群がってそこから動いてくれないのがとても邪魔くさかった。

富貴寺
紅葉に包まれた富貴寺


富貴寺
富貴寺


その次に向かう予定なのが両子寺。
そこは国東半島の中心部に位置するので、そこまで行くと時間をかなり消費してしまう。
迷ったけれど、予定していたよりも早い時間でここまで回ってきていたので、予定通り両子寺に向かうことにした。

結果的にこれは少し失敗だったようだ。
仁王像が有名だったのでこれを楽しみにしていたのだが、駐車場に車を停めるとこの仁王像を見るためには一旦参道を下っていかなければならない。
その仁王像の姿は私が期待していたのとは少し違っていて、ちょっとがっかりしながら参道をまた登り返すこととなる。

両子寺
両子寺の仁王像


両子寺の境内は奥が深いので、拝観料を払って中へ入ると時間がかなりかかってしまう。
結局、参道周辺を少し歩いただけで、中途半端なまま両子寺を後にすることとなった。

両子寺
歌碑を彩る散り紅葉
両子寺
もっと時間をかけて歩きたかった


昼食は耶馬渓で食べる予定だったので、途中にある宇佐神宮も省略して、最短距離で耶馬渓へと向かう。
耶馬渓に入って最初の観光地が青の洞門。
国道から川沿いの細い道へと入り、岩のトンネルを2か所ほど通り抜けると大きな駐車場にお土産屋が並び、如何にも観光地らしい様子である。

しかし、耶馬渓は山深い渓谷のような場所だと思っていたが、そこはごく普通の町外れの様な場所だった。
「ここって何か見るものがあるの?青の洞門って何処にあるの?」
そう思いながら駐車場で車から降り、そして後ろを振り返った瞬間、そこに広がっている絶景に圧倒された。
私たちが通ってきた道路の上に見事な岩峰が聳えていたのである。

耶馬渓の青の洞門と競秀峰
青の洞門と競秀峰


そして、青の洞門とは私たちが通り抜けてきた岩をくり抜いたトンネルのことだったのである。
江戸時代に諸国巡礼中だった禅海和尚が30年かけて手彫りしたトンネルが青の洞門のなのだが、現在は車が通れるように広げられているので、何も気づかないまま通り抜けてきたのだ。

トンネルの上の岩峰は競秀峰と呼ばれていて、その上まで登ることができるみたいだ。
眺めも良さそうだけれど、残念ながらそんな時間はない。

耶馬渓の青の洞門
時間が有れば上まで登ってみたかった



昼食は、道の駅耶馬トピアに併設されたレストランで洞門そばを食べる。
この道の駅は、そば打ち体験などそばを売りにしているだけあって、なかなか美味しいそばだった。


ここから先は写真撮影が禁止されている羅漢寺

昼食後に羅漢寺へと向かう。
この寺は山の中腹にあって、そこまで観光リフトに乗っていくことができる。
何時もならばリフトには目もくれずに歩いて登るところだが、今日は時間がないからという理由で、大手を振ってリフトを利用する。

五百羅漢や岩壁に食い込むように建てられた山門や本堂など、なかなか見ごたえのあるお寺だけれど、境内の撮影が禁止されているのが残念だった。

参拝を済ませた後、再びリフトに乗って山頂まで登ってみたが、それ程良い景色でもなかった。

次に向かったのが深耶馬渓の一目八景。
ちなみに青の洞門周辺が本耶馬溪で、他にも裏耶馬渓、奥耶馬渓などと渓谷ごとに名前が付けられている。

深耶馬渓の一目八景
一目八景より層雲峡の方が見ごたえがある

周囲の岩峰群が一望できることから一目八景と呼ばれているが、柱状節理の景観は層雲峡と似ている気がした。
ただ、その景観の迫力は層雲峡の方が遥かに勝っているだろう。

道路沿いにお土産屋がずらりと並んでいて、名物は「からし椎茸」らしい。
店ごとに味が違っていると説明しながら試食させてくれるが、各店の味を食べ比べて買うほどのものでもなく、最初に入った店のからし椎茸を素直に購入した。

耶馬渓は九州を代表する紅葉の名所と聞いていたが、既に盛りを過ぎてしまったようである。
この後、裏耶馬渓に向かおうとも思ったけれど、せっかくの耶馬渓で美しい紅葉を見たかったので、他の場所より紅葉が遅いと言われる御霊もみじへ行くことにした。
こちらのモミジも既に散りかけていたけれど、色とりどりの散り紅葉に覆われた参道の風景を楽しめて満足できた。

御霊もみじ
御霊もみじの散り紅葉


耶馬渓には他にも猿飛千壺峡などの見どころがあるが、そろそろ福岡市内の宿へと向かう時間である。
ホテルは福岡市の中心部に近いホテルニューガイア天神南。
大分自動車道から九州自動車道へ、更に岡市内に入ると高速2号線、都市高速環状線へと分岐し、高速を降りても市内の混雑した道路。
カーナビ無しでは絶対に走れないようなルートを通り抜け、ホテルの駐車場に辿り着いた時は心底ホッとした。


クリスマスマーケットのイルミネーション

チェックインを済ませて夜の博多の街へと繰り出す。
お目当ては屋台だけれど、時期的に街のあちらこちらにイルミネーションが飾られている。

丁度この日から市役所前広場でクリスマスマーケットが始まっていたので、それを見に行く。
美味しそうなピザやステーキの店も出ていたけれど、どうせならやっぱり屋台で食べたい。

まずは天神の屋台「てっちゃん」で明太子オムレツとおでんで軽く一杯。
何処の屋台に入るか迷ったけれど、ビニールで囲まれているところよりオープンになっている屋台の方が入りやすい。

軽く酔ったところで警固公園のイルミネーション会場に行ってみる。
札幌のホワイトイルミネーションでさえ10年以上見に行ったことがないのに、福岡の街でイルミネーションを見た回るのも何だか変な感じだ。


天神のイルミネーション


それにしても福岡の街は札幌よりも都会の様な雰囲気がある。
2連結のバスが走っていたり、街の真ん中のビルに電車が高架で乗り入れていたりして、お上りさんになった気分でキョロキョロしながら街の中を歩く。


博多の屋台を楽しむ

せっかくなので中洲の屋台にも行ってみることにした。
札幌で言えば駅前通りに店を出すのが天神の屋台で、ススキノに出すのが中洲の屋台と言ったところだろう。
満員の屋台もあれば、がら空きの屋台もある。
この辺はススキノのラーメン横丁と同じである。

中洲の屋台までは下調べしていなかったので、しょうがなく席の空いていた「伸龍」という屋台に入ったが、やっぱり失敗だった。
牛タンは美味しくないし飲み物も値段が高い。
そんな屋台でも次第に席が埋まってくる。
酔い客相手なので、こんな屋台でも商売が成り立つのだろう。

牛タンと餃子、ハイボールとレモンサワーで3200円也。
サッサと店を出て天神へと戻る。
締めは「鬼太郎」で博多ラーメンを食べる。
かみさんは豚骨ラーメンが苦手なのだけれど、ここのラーメンは美味しく食べられたようだ。

コンビニで金麦を買って帰り、最後はホテルの部屋飲みで九州最後の夜を締めたのである。


九州の旅最終日へ 



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