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我が家のファミリー通信 No.72

2017京の紅葉を愛でる旅最終日


最終日は東山界隈の紅葉の名所を巡ることにしていた。
人気のお寺が集まる場所で混雑は必至だが、紅葉最盛期の様子も一度は見ておきたいのだ。
地元テレビ局のニュースを見ていると、今年は紅葉の進みが早いので、この週末が最後の見頃になるとのこと。
金曜日の平日でも、紅葉名所はかなり混みあいそうだ。

こんな時は朝早くから行動するに限る。
最初に向かったのは真如堂。朝7時半に到着。
真如堂は境内を自由に見られるので、いくら早くても大丈夫なのである。

犬の散歩をしている人に混ざって、首からカメラをぶら下げた人の姿も結構見られる。
ここは東山が間近に迫り、それに遮られて日の出の時間も遅い。
まずは本堂や三重塔の屋根が朝日に照らされ始め、それに続いて紅葉した木々の葉を赤く染め上げてくる。
朝日に照らされたモミジの葉は一際美しい。


真如堂三重塔と紅葉

陽が昇るにしたがって光の当たり具合も変わり、同じ紅葉の風景でも変わって見えてくる。
境内を歩き回りながら、そんな風景の変化を楽しむ。

風も無いのにモミジの葉がヒラヒラと舞い落ちてくる。
頭上を見上げると、アトリの群れが梢の間を飛び交っていた。

時間はまだ8時を過ぎたばかり。
この後に予定している紅葉の名所永観堂の拝観時間は9時からなので、その前に安楽寺や法然院を見に行くことにする。


朝日が真如堂の紅葉を美しく演出する

安楽寺も拝観時間前だが、藁葺きの屋根が趣のある山門を見ることができる。
散り紅葉の美しそうな山門や石段だが、ここのモミジはまだ色付き始めたばかりだ。

次に向かった法然院の山門も藁葺き屋根である。
こちらは境内までは自由に入る事ができる。
山門をくぐった先に紅葉した紅葉が見えていて、絵になる風景だった。

かみさんを先に行かせて、山門の中に立っている写真を撮ろうとする。
すると、まだ撮影途中なのにかみさんは山門の陰に隠れてしまった。
もう少しそこに立っていてくれれば良いのにと思いながら、私も山門まで行ってみると、その向こう側では沢山の人達がカメラをこちらに向けていたのである。
これでは直ぐにそこを避けてしまうのも無理はない。

ここの紅葉もまだ色付き始めたばかりだった。
真如堂とはそんなに離れていないのに、紅葉の進み具合は全く違う。
京都で綺麗な紅葉を楽しむためには、ネットで情報を仕入れながら、ピンポイントで出かけるのが良いみたいだ。


法然院の山門

哲学の道を歩いて永観堂を目指す。
永観堂に近づいてくると急に人通りが多くなってくる。

そうして永観堂までやってきて、その入り口の前に並んでいる人の列を見てがっかりした。
かみさんは、それだけで入る気を無くしたみたいだが、塀の内側には美しい紅葉が見えている。
混雑覚悟で、列の最後尾に並ぶことにした。

その行列は拝観時間を待って並んでいたもので、時間になって拝観券の発売が始まると、それ程時間もかからずに中に入ることができた。
週末の人気のお寺では券を買うのにも1時間以上かかると聞いていたので、それと比べれば混雑しているうちには入らないのかもしれない。

中門を入ったところの池の撮影ポイントは黒山の人だかりで、諸堂への入り口も混みあっていたので、先に庭園内を一回りする。
もみじの永観堂と言われるだけあって、その美しさはこれまでに見てきたお寺とは完全に別物だった。


真っ赤に染まった永観堂境内

境内の樹木もほとんどがモミジである。
それが、陽の光を受けて、境内が真っ赤に染まっていた。
散り紅葉が苔も見えないくらいに地面を覆っていて、上を見ても下を見ても空間全てがモミジに埋め尽くされている様な感じである。


紅葉に包まれるかみさん

庭を一回りしてから、諸堂の方にも入ってみる。
人は多いけれど、順路に従って歩いていくので、それ程混雑している感じはしない。
御影堂から一旦外に出て、人の流れに乗って多宝塔まで登っていく。
そこからは、紅葉に包まれた境内の向こうに京都市内が一望できた。

永観堂を出て、近くの喫茶店で一休み。
そこのマスターは、「京都市内でモミジが一番美しいのは永観堂だと思います」と言っていた。
近くに住んでいるひいき目もあるかもしれないが、それは多分本当のことだと思った。

次に向かったのは南禅寺。
訪れる度にここの山門には圧倒される。

500円をケチって上には上らなかったけれど、そう何度も訪れる機会があるわけではなく、今になって上らなかったことを後悔している。

でも、南禅寺での私のお気に入りは、山門よりも水路閣の方である。
これが見たくて南禅寺に来たようなものである。
レンガで積み上げたアーチ型橋脚は風格があって本当に見応えがある。


南禅寺の水路閣

水路閣の隣にある南禅院は紅葉の名所でもあるので、ここでは拝観料を払って中に入る。
外は大勢の観光客で賑わっているのに、ここに入る人は少なく、これまでの喧騒が嘘の様である。
幽玄閑寂な趣の池泉回遊式庭園をゆっくりと見て回った。

昼食は、予め調べてあった近くのうどん屋「大明神総本舗」へ。
午前11時を過ぎたばかりだけれど、南禅寺近くの湯豆腐を食べさせる店の前には長い行列ができていた。
私たちも、初めての京都旅行では湯豆腐を食べたけれど、後にも先にもそれ一回である。
湯豆腐を食べるのに3千円以上も払っていられない。

11時半頃に着いた大明神総本舗でも少し並んだけれど、千円もかからずに美味しい稲庭うどんを食べることができた。
今回の旅では、昼食は3日間ともうどん。
四国だけではなく京都のうどんも美味しかったのである。

昼食を終えて向かったのは青蓮院門跡。
時間があれば知恩院辺りまで足を伸ばそうかとも思っていたが、お土産を何も買っていなかったし、時間的にここが最後となった。

まずは、入り口のクスノキの巨木に圧倒される。
書院の中から相阿弥作の龍心池を囲む池泉回遊式の庭を眺め、外に出ては小堀遠州作の霧島の庭を歩く。

竹林の横を登っていくと小さな社があり、そこからは青蓮院の庭や建物が一望できた。
紅葉の色づきは今一だったけれど、思っていた以上に見応えのある庭に満足して、寺を出る。

こうして今回の紅葉を愛でる京都の旅は、全ての予定を追えたのである。
 

思っていた以上に楽しめた青蓮院門跡の庭園

今回の旅に要した経費は、何れも二人分で、宿泊費が3泊で43200円、飛行機代がジェットスターを利用して新千歳~関空往復で35000円。
この程度で行けるのだからと大して考えずに予約したけれど、それ以外の経費が馬鹿にならない。
素泊まりの宿泊なので4日間の食事代が3万円、関空からの移動分も含めて交通費が2万円。
これで済むのならばまだ良いけれど、お寺の拝観料が2万円も掛かってしまうのである。

収入のないリタイア生活の身分では、やっぱり京都旅行には気軽に出かけられないのである。
一ヶ月くらいウィークリーマンションでも借りて、じっくりと京都を観光するのも良いかなと思うけれど、この拝観料を考えると京都観光はやっぱりお金が掛かりすぎるのである。

   

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