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我が家のファミリー通信 No.72

2017京の紅葉を愛でる旅初日


新千歳発午前10時30分のジェットスターで関空へ。
関空から京都までは特急はるかの指定席を利用。
特急はるかは自由席でも十分に座れるらしいが、指定席にすると気分的に余裕ができる。
リタイア生活の中での節約旅行でも、これくらいの無駄遣いは許されるだろう。

JR山科駅で降りて、最初に目指すのは毘沙門堂門跡。
平日の遅い時間なので、人も少ないだろうと思っていたら、お寺へ続く道を結構沢山の人が歩いていた。

私達が秋の京都を訪れるのは、2003年、2015年に続いてこれが3度目。
過去2回は、紅葉が終わりかけた12月の京都だったが、今回は混雑覚悟で紅葉真っ盛りの時期を選んだのである。
毘沙門堂の紅葉も1週間前から見頃になっているらしい。


まだ緑の葉も目立つ毘沙門堂の紅葉

午後3時半に毘沙門堂に到着。
仁王門へと続く階段両側のモミジは、まだ緑色のものが多かった。
それでも、西日に照らされた紅葉がなかなか美しい。

寺の内部のモミジは全体が赤く色付いていたが、こちらは既に日が陰っていて、その色もくすんで見える。
一部にはまだ日が当たっていて明暗差が大きく、カメラの露出を合わせるのが難しい。

見る角度によって変化して見えるという狩野益伸作の襖絵などが、このお寺の見所らしい。
しかし、今回の旅は紅葉を楽しむのが目的だったので、他のお寺を回っている時でも、仏像や襖絵などには正直言って興味が向かなかった。


庭園のモミジは色付いていた

毘沙門堂を出て、すぐ隣の双林院(山科聖天)へと歩いていく。
こちらの方は訪れる人も少ないようだ。
山沿いの道の紅葉も、緑から黄、橙、赤へと変わるグラデーションが美しく、こんなところを歩いていると心が洗われるようだ。


双林院へと向かう道の紅葉

再び毘沙門堂へと戻ってくる。
帰り道は、勅使門前の緩やかな階段を下りていく。
この階段の両側は、散り紅葉を楽しむために立ち入り禁止とされていたが、そこを赤く染めるほどにはモミジはまだ散り始めてはいなかった。

この後は、醍醐寺のライトアップを見に行く予定である。
中に入れるのは午後5時45分からなので、まだ時間がある。

山科駅まで戻る途中、山科疎水沿いの道を歩いてみた。
山科疎水は、琵琶湖の水を京都へと流すために作られた琵琶湖疎水の一部である。
紅葉が美しいとガイドブックに載っていたが、ここは春の桜の時期の方が美しそうだ。

地下鉄に乗って醍醐駅で降りる頃には、既に辺りは薄暗くなってきていた。
醍醐寺のライトアップでは事前予約拝観券があって、一般の拝観は午後6寺からだけれど、事前予約拝観券ではその15分前に入場することができる。

午後5時15分頃に醍醐に着いた時、既に仁王門の前には拝観待ちの列が延びていた。
事前予約の人達は仁王門の脇から入るのだが、そこに並んでいる人は思っていたよりも少ない。
一般の拝観料より300円高いからなのか、それとも事前予約できることを知らないのだろうか。
これならば、15分間だけはゆっくりと紅葉のライトアップを楽しめそうである。

事前予約の入場が始まると、先の方に並んでいた人達は我先にと参道を駆けていく。

私達は急ぐこともなく、ライトアップに浮かび上がる金堂や五重塔を横目にしながら、ゆっくりと歩いていく。
皆が目指しているのは、一番奥にある弁天堂とその前に広がる池なのだろう。

私達がそこに着くと、池のビューポイントには三脚を立てたカメラマンがずらりと並んでいた。
その後ろに立ってみると、ライトアップされた弁天堂や紅葉が池の水面に映り込んで、素晴らしい光景が広がっていた。
しかし、混みあっているのはそこだけで、その他の場所は人も疎らである。

紅葉時期のライトアップでは三脚の使用が禁止されているところが多いが、ここでは使用できるみたいだ。
清水寺のライトアップなどと比べたら混雑も少ないので、それ程うるさくないのかもしれない。


ライトアップに浮かび上がる弁天堂と紅葉

私は、荷物になるので三脚は持ってきていない。
その代わりに、何時も使用しているズームレンズではなく、単焦点の明るいレンズをライトアップの撮影用に用意していた。

それでISO感度を上げれば、手持ちでも十分に撮影できるのである。
ブログで紹介する程度の写真ならば、それで十分だった。

隣の観音堂から読経が流れてくる。
それを聴きながら、ライトアップされた美しい紅葉を楽しむ。
池を一回りして元の場所に戻ってくると、カメラマンがずらりと並んでいた場所も空いていたので、そこでゆっくりと撮影できた。

既に午後6時を過ぎていたけれど、人が一気に増えるわけでもない。
紅葉のライトアップが行われているお寺の中では、ここは穴場なのかもしれない。


池に映り込む紅葉が美しい

帰り道に改めて、金堂や五重塔を眺めていく。
私達が醍醐寺を訪れたのは2010年の3月、桜の花が満開の時である。
豊臣秀吉が「醍醐の花見」行ったことで知られる醍醐寺だけあって、確かに桜は素晴らしかった。
紅葉が美しいことでも知られているが、やっぱり醍醐寺は桜の方が華やかな気がする。

今回泊まる宿は伏見のビジネスホテル。
役所に勤めていた頃は、福利厚生で安く泊まれるホテルもあったけれど、退職するとその恩恵にもあずかれない。
それで苦労して探したのが今回の宿だった。
紅葉真っ盛りの京都で、休日前日を含めて素泊まり7200円で泊まれるのは、十分に安い方である。
中心部からは遠くなるけれど京阪本線や近鉄京都線の駅が近いので、京都市内を観光するためには結構便利でもある。

醍醐寺観光を終えた後、ホテルに一先ずチェックインしてから食事に出た。
たまたまこの日は私達夫婦の35回目の結婚記念日だったので、少しだけ贅沢して居酒屋入ることにする。
伏見と言えば酒蔵が多いことでも知られている。
この日に利用した「月の蔵人」も、月桂冠の旧酒蔵を改築した居酒屋である。

普段は滅多に飲まない日本酒だけれど、辛口日本酒3種が味わえる「飲み比べセット」があったので、ビールを空けた後はそれに切り替える。
2人でお腹一杯になるくらいに食べて飲んでも、6千円でおつりが返ってきた。
こうして京都の旅初日は当初計画通りに終わったのである。

   

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