初めて利用するLCC。
関西空港までの2時間20分、ジェットスターの狭い座席に小さく収まったまま京都を目指す。

「退職する前にもう一度京都へ行ってみよう」
11月始め頃に突然思いついて直ぐに行動に移せたのも、LCCの料金の安さのおかげである。
往路の新千歳から関空までの料金は6,080円。復路はちょっと高くなったが、それでも10,580円である。
宿泊は、職場の福利関係の割引があるビジネスホテルが1泊5,400円で予約できた。
こうして、12月2日（水）から5日（土）まで3泊4日の日程で、5年ぶりの京都旅行へ旅立ったのである。

LCC故の遅れなのかは分からないが、予定より30分遅れの午後1時半に関西空港に到着。
京都まではリムジンバスを利用し、最初に向かったのは北野天満宮だった。
目的は、紅葉の時期にだけ公開されている「もみじ苑」と「御土居」の紅葉である。

5年前に京都を訪れたのは3月下旬の桜の季節。
秋の京都は、その前の2003年以来12年ぶりである。
夫婦で京都を旅するのはこれが3回目になる。
北野天満宮は12年前の時に訪れていたが、その時は上七軒へ向かう時に立ち寄っただけで大した印象も残っていなかった。

京都駅からJRで円町まで行き、そこからタクシーに乗る。
飛行機が遅れたおかげで、明るいうちにもみじ苑の紅葉を楽しもうと思っていた目論見が危うくなっていたのだ。
午後4時過ぎに北野天満宮に到着し直ぐにもみじ苑を目指したが、既に日は沈みかけていた。
北海道ならば既に暗くなっている時間帯だが、札幌と京都では日の入りの時間が45分も違うのでまだ明るいのである。
それでも、もみじ苑の中ではライトアップ用の照明が既に灯っていた。

少しでも明るいうちに紅葉を見て回ろうと急ぎ足で場内を一周する。
京都の紅葉の見頃は、11月中旬から下旬にかけてで、12月に入ると殆んどは散り紅葉となっている。
しかし、今年の京都は11月の気温が高く紅葉も遅れがちだと聞いていた。
北野天満宮は他の紅葉名所よりも盛りの時期が遅いので、一番美しく色付いたモミジを見られるかもしれないと期待していたのだ。

確かに紅葉も遅れ気味の様で、まだ緑色のままのモミジもあったが、全体的にはちょうど見ごろと言っても良さそうな色付きだった。
豊臣秀吉が築いた御土居の上から紅葉を眺めおろし、次は御土居の下から紅葉を仰ぎ見る。

一周する頃には、辺りも暗くなってきていたので、今度はライトアップされた紅葉を楽しむために、もう一度園内を一回りする。

人出もそれほど多くはなく、ゆっくりと場内を見て回れる。
人気スポットである清水寺や永観堂のライトアップは、さぞ物凄い人出だったことだろう。
紅葉の見頃は終わっていても、我が家が京都の紅葉を楽しむとしたら、やっぱりこの時期しかないのである。

ライトアップされた紅葉は幻想的な風景をかもし出しているが、青や緑のライトアップは少しやり過ぎな気がする。

今回の旅ではカメラのレンズを何時ものズームではなく、新たに購入した単焦点レンズを取り付けてきていた。
荷物を軽くするのと、明るいレンズでライトアップされた紅葉を撮影するためである。
ただ、買ったばかりの使い慣れていない単焦点レンズ。
撮った写真をカメラの液晶画面で確認しても、ピントが合っているかどうかも分からず不安になってくる。

もみじ苑を出た後は、ライトアップされた建物の方を見て回る。
短焦点レンズでは、建物をバランス良くファインダーの中に収めるには、自分が前後に動かなければならない。
こんな時は、ズームレンズの便利さをしみじみと感じてしまう。

天満宮を出た後は、近くの餃子屋に入って夕食にする。
これまでの京都旅行では「せっかく京都に来たのだから」と言って、無理してそれなりの店に入ったりしていた。
今回は突然思いたった旅行でもあるし、食事にはお金をかけない事を一つのテーマにしていたのである。
このおかげで、外食で餃子を食べる習慣のない我が家にとって貴重な体験ができたのである。

泊まったホテルはリブマックス５条店。
京都駅や繁華街からも離れ中途半端な立地だが、ツインの部屋は意外と広く、コンビにも近く、室内に電子レンジもあり、3泊過ごすには良いところだった。

京都旅行初日の写真