北門から弘前公園を出て、最後に「津軽藩ねぷた村」に立ち寄る。
団体さんの人波に巻き込まれ、心ならずもお囃子体験や津軽三味線の演奏を聞くことになってしまった。
たまには正しい観光客になるのも良いかもしれない。
ここで予定していた観光は全て終了。
帰りの急行はまなすは青森発22時40分。
時間はまだたっぷりとあり、まずは青森に移動して何処かの居酒屋へ入ることにする。
青森に着いたのが午後5時過ぎ。
居酒屋に入るにもまだ早すぎ、かといって観光施設も既に終わっている時間だ。
そこで観光案内所で聞いて、駅から徒歩圏内で遅い時間までやっているアスパムの展望台に行ってみることにする。
そもそもアスパムって何?って感じで、予備知識は全く無し。
県の観光物産館が入っているので、税金で作った箱物施設のようだ。
海沿いに作られた公園の中にあって、人通りも少なく、400円を払って入った展望台は、何でこれでお金を取るの?と疑問に感じるような展望しか見られない。
つまらない時間の潰し方をしてしまったと後悔しながら、事前に調べておいた居酒屋へ行ったところ、満席で入れず。
第2候補に考えていた店も満席。
しょうがなく、行き当たりばったりで入った2軒も同じく満席。
土曜日の夜の居酒屋って、札幌でもこんなに混んでるのだろうか?
店先で店員が呼び込みをやっているような居酒屋には入りたくないし、途方に暮れてしまう。
実は、アスパムに行く前に下見した店があったのだが、観光客が気軽に入れそうな店でもなく、そこは候補から外していた。
でも、こうなってはそんな事も言ってられないので、ダメ元でその店「ゆうぎり」行ってみることにした。そこが満席ならば、いよいよ白木屋にでも入るしかなくなる。
恐る恐る店の戸を開けると、かなり古ぼけた店内。空いている席があると聞いてホッとした。
弘前観光で沢山歩いて、青森に来てからも恐らく4キロは歩いているだろう。やっと座ることができた。
この店にはメニューはなく、おまかせコースがあるだけ。ネットであらかじめ調べてあったので、驚くことはなかった。
一番安い2,500円のコースを頼んだら、いきなりウニが出てきてビックリ。次に白子の蒸し物。どれもかみさんの食べられないものばかり。
気の毒だったけれど、他は美味しい物ばかりで、かみさんも満足したようだ。
活イカは新鮮すぎて、足の吸盤がところ構わず吸い付いてくるので、食べるのに苦労する程だった。
そうして駅に戻り、はまなすの発車時間を待つ。
夜の駅前風景をぼんやりと眺めながら時間を過ごす。
疲れていたけれど、旅の充実感が心の中に満ちていた。
あちこち歩きすぎて、白神山地を歩いたのが随分と昔のことに感じる。
時間がきて、寝台車に乗り込む。
最初はその狭さに戸惑ったけれど、帰りはもう慣れたもので、狭いベットの中でザックや荷物を手際よく片付ける。
耳栓をして、列車の揺れも気にならず、直ぐに眠りについた。
弘前街歩きの写真へ
|