我が家のファミリー通信 No.45

弘前街歩き


ホテルが見えた 白神山地のキャンプ&トレッキングを楽しんだ後は、弘前市内へ移動して弘前観光を楽しむこととする。
 午後3時頃に到着して、まずは今日の宿、ホテルハイパーヒルズ弘前にチェックイン。
 1泊朝食付きで3,440円。部屋も広くて、まずまずのホテルだった。
 狭いテントで寝るのは全然平気だけれど、ビジネスホテルの狭い部屋は息苦しくて苦手なのである。
 トレッキングの汗を流してから、弘前の街歩きに出かける。
 直ぐに暗くなる時間帯なので、この日のテーマは弘前の路地裏巡り。
 弘前市内の観光では、目的や地域別に街歩きのコースが沢山設定されている。その中で私の目を引いたのが「夕暮れ路地裏散歩」だった。
 私は、観光客が押し寄せる場所よりも、その土地に暮らす人たちの生活に触れられる様な場所が好きなので、そんな趣味にはぴったりのコースである。
 コースの地図を持ってホテルを出る。ホテルの場所も、この夕暮れ路地裏歩きにはちょど良いところに位置しているのだ。
中央食品市場と一戸時計店 最初に立ち寄ったのが「中央食品市場」。私の好きな地元の市場である。
 キノコを売っている店にはいろいろな種類のキノコが並べられていて、見ているだけで楽しくなる。
 でも、市場の中は閑散としていた。夕方の時間帯はお客さんも少なくなるのだろうか。
 それぞれの店の店主が暇そうにぼーっとした表情で座っている光景には足がすくんでしまった。
 空き店舗も目立ち、その一角では市場にはちょっと似合わない様な小洒落た店が営業していた。
 多分、市場に賑わいを取り戻そうと、空き店舗を埋めるために店を出しているのだろう。
 他でも良く見かける試みだけれど、なかなか上手くいかないのがほとんどである。
 このコースの出発点である弘前市まちなか情報センターにも入ってみる。街歩きのそれぞれのコースのマップも沢山置かれていたので、参考になりそうなものを幾つかゲットした。

最勝院の五重塔 路地裏歩きと言っても、弘前昇天教会や弘前市出身の美術家奈良美智さんの立体作品「A to Z Memorial Dog」、古井酒造煉瓦倉庫などの観光ポイントも、しっかりとコース内に含まれている。
 夕焼けに染まった空には最勝院の五重塔がシルエットとなって浮かんでいた。
 洋風建築や和風建築が一体となって混在しているのも弘前の魅力である。
 そこから直ぐで土淵川沿いの道に出るはずが、途中で道を間違えたらしく、しばらく歩いても川に行き当たらない。
 まあ、急いでいる訳でもないので、知らない街で道に迷うのも楽しいものだ。
 迷っている間に、面白い果物屋の看板や、「富田の清水」などの観光ガイドには載っていない様な旧跡を見つけたりするのである。


弘前昇天教会 A to Z Memorial Dog
弘前昇天教会はライトアップされていなかった 優しい顔のA to Z Memorial Dog

古井酒造煉瓦倉庫 バナナを売っていない果物屋の看板
重厚な造りの古井酒造煉瓦倉庫 バナナを売っていない果物屋の看板

土淵川沿いを電車が通る ようやく川沿いの道に出ることができた。
地元の人達が犬の散歩でそぞろ歩いている。
 川の対岸には弘南鉄道大鰐線の線路があり、ちょうど良いタイミングで電車が通り過ぎていく。
 その大鰐線の始発駅である弘南弘前駅から、路地裏歩きは繁華街へと入っていく。
 地図を見ながら歩いていくと、道路が無い場所にまでルートが描かれている。
 また道を間違えたかなと思ったら、そこはどうやら本当の路地裏を歩くらしい。
 札幌のすすきのでも、地元の人しか入らない様な飲食店の集まった路地があるけれど、この付近はそんな路地ばかりだ。
 地図と見比べて多分ここで間違いないと思われる路地に入ったけれど、まがりなりにも観光ルートに含まれている道とは思えない様なものだった。
 まあ、そんなところを歩けるのが路地裏散歩の醍醐味かもしれない。

夕暮れの空の下を走る弘南電車 中央弘前駅ホームの顔出し
土淵川沿いを走る弘南鉄道の電車 中央弘前駅のホームに置いてある顔出し

海鮮居酒屋けん太 その路地を通り抜けたところに目星を付けておいた海鮮居酒屋「けん太」が有ったので、そこで一休み。
 腹いっぱい食べて飲んで、一人4000円は平均的なところだろう。
 店を出た後は酔い覚ましに、そのまま路地裏散歩を続ける。
 持ち歩いている地図には主な施設しか載っていないので、ルート上に何があるか、宝探しのような楽しみもある。
 ライトアップされた青森銀行記念館は定番のお宝だとしたら、その近くの三上ビルは隠しお宝。
 随分古いビルだな〜と思いながら写真を撮っていたら、後で調べてみると、県内に現存する最古の鉄筋コンクリート造の建物で昭和2年に建てられたのだとか。
 それが、店舗が入っていて現役で使われているのがまた良いところだ。
 その他にも蔵を改造した店だとか、土淵川に面した路地に場違いに思えるようなバーがあったり、同じ名前の雑貨屋があちこちの建物に入居している通りがあったりと、弘前の一味違った風景を楽しんでホテルへと戻った。

三上ビル
青森銀行記念館よりこちらの方が私の好みだ

青森銀行記念館 蔵を改造した居酒屋
ライトアップされる青森銀行記念館 蔵を改造した居酒屋

土淵川沿いのBAR 何の店だろう?
土淵川沿いのお洒落なBAR 何屋の看板だろう?

カラスの朝の集会 翌朝、部屋のカーテンを開けると街の空を埋め尽くすようなカラスの大群に度肝を抜かれる。
 前の日からカラスの多い街だなとは思っていたけれど、そのカラスが一か所に集まってきたみたいだ。
 弘前公園周辺をねぐらにしているカラスの群れらしく、電線の上に一旦集合して、そこからそれぞれの餌場にでも向かうのだろう。
 ホテルをチェックアウトし、ザックをバスターミナルのコインロッカーに預けて、弘前市内の観光地巡りに出かける。
 禅林街の一番奥まで行って、そこから市内へと戻ってくるルートを考えたが、ちょうど良い時間のバスが無かったので、止むを得ずタクシーに乗ってしまった。
 車中では運転手さんが東北弁で禅林街の説明をしてくれたが、何をしゃべっているのか良くわからない。かみさんは熱心に相槌を打って聞いていたが、本当に聞き取れているのかは疑問である。
太平山長勝寺の山門 最初に訪れた観音山普門院はごく普通のお寺で、津軽観音巡礼第三十三番札所になっているらしいが、信心深くない私たちにとってはそれほど興味を惹かれる場所ではなかった。
 昨日までの好天とは打って変わって、今日の天気予報はパッとしないものだった。
 雨が降り始めるのも午後からだと思っていたのに、早くもポツリポツリと雨粒が落ちてくる。
 禅林街の太平山長勝寺は山門はさすがに歴史を感じさせられるが、他は改修工事中で見ることができず。
 33もの禅宗寺院が並ぶ禅林街は、杉並木が貧相で、寺院も建て替えられたばかりのような建物が多く、ちょっと期待外れだった。
 神社仏閣はやっぱり、その建物の古さと周りを囲む樹木が立派でなければ、見ていても面白くないのだ。


禅林街の杉並木 宗徳寺山門
貧相な杉並木にがっかり 宗徳寺山門は少しだけ見応えがあった

大正浪漫喫茶室 藤田記念庭園の洋館に入ってみると、喫茶室があったのでここで一休みすることにした。
 弘前のスイーツと言えばアップルパイ。
 アップルパイガイドマップまであるくらいで、それぞれの店毎に特徴のあるアップルパイを作っている。
 「是非、何処かの店のアップルパイを食べなくては」と思っていたら、ありがたいことにここの大正浪漫喫茶室では4店のアップルパイがメニューの中に入っていた。
 勿論、かみさんとは別々のアップルパイを注文。
 美味しいアップルパイだったけれど、アップルパイは何処で食べてもやっぱりアップルパイである。
 その後は庭園内の和館や考古館、庭などを見てから、弘前市立観光館周辺の観光施設を見て回る。
 旧弘前市立図書館とか旧東奥義塾外人教師館などの歴史を感じさせる洋館があるけれど、小綺麗に整備されすぎていて面白みがない。
 まるで新築の建物のような外観なのである。
 直ぐ隣に弘前市内の洋館のミニチュアを展示している場所があったが、ミニチュアも本物も大して変わりがない気がした。


藤田記念庭園洋館 ミニチュアの昇天教会
藤田記念庭園の洋館 ミニチュアの弘前昇天教会と本物の旧弘前市図書館

 昼食は弘前の蕎麦の老舗「高砂」に入る。私はもりそば、かみさんはかしわそばを注文。どちらも美味しかったけれど、かみさんは「つゆが美味しい!」と絶賛していた。
弘前公園の菊祭りで その後は街歩きマップ「魅惑の細道コース」を途中から歩いて、弘前公園を東門から入る事にする。
 この細道コースでは特に面白いものは発見できなかった。
 それでも、全く知らない街を歩くのは楽しいものだ。
 弘前公園ではちょうど弘前城菊と紅葉まつりが開かれていて、菊のオブジェがずらりと並んでいて楽しませてくれる。
 まだ咲いていない菊も多くて、これが全て咲いたら素晴らしい眺めになりそうだ。
 弘前城天守も、小さいけれど江戸時代に建てられただけあって、歴史を感じることができる。
 本丸の石垣の上から眺める岩木山も素晴らしい。
 そして、桜はやっぱり凄かった。松前の桜とは比べものにならない。一度は満開の時期に訪れてみたいものだ。


弘前城天守 弘前城から見る岩木山
お城はやっぱり美しい ここからの岩木山の展望は素晴らしい

ねぷた村で 北門から弘前公園を出て、最後に「津軽藩ねぷた村」に立ち寄る。
 団体さんの人波に巻き込まれ、心ならずもお囃子体験や津軽三味線の演奏を聞くことになってしまった。
 たまには正しい観光客になるのも良いかもしれない。
 ここで予定していた観光は全て終了。
 帰りの急行はまなすは青森発22時40分。
 時間はまだたっぷりとあり、まずは青森に移動して何処かの居酒屋へ入ることにする。

 青森に着いたのが午後5時過ぎ。
 居酒屋に入るにもまだ早すぎ、かといって観光施設も既に終わっている時間だ。
アスパム展望台からの夜景 そこで観光案内所で聞いて、駅から徒歩圏内で遅い時間までやっているアスパムの展望台に行ってみることにする。
 そもそもアスパムって何?って感じで、予備知識は全く無し。
 県の観光物産館が入っているので、税金で作った箱物施設のようだ。
 海沿いに作られた公園の中にあって、人通りも少なく、400円を払って入った展望台は、何でこれでお金を取るの?と疑問に感じるような展望しか見られない。
 つまらない時間の潰し方をしてしまったと後悔しながら、事前に調べておいた居酒屋へ行ったところ、満席で入れず。
 第2候補に考えていた店も満席。
 しょうがなく、行き当たりばったりで入った2軒も同じく満席。
 土曜日の夜の居酒屋って、札幌でもこんなに混んでるのだろうか?
 店先で店員が呼び込みをやっているような居酒屋には入りたくないし、途方に暮れてしまう。
 実は、アスパムに行く前に下見した店があったのだが、観光客が気軽に入れそうな店でもなく、そこは候補から外していた。
ゆうぎりの入り口 でも、こうなってはそんな事も言ってられないので、ダメ元でその店「ゆうぎり」行ってみることにした。そこが満席ならば、いよいよ白木屋にでも入るしかなくなる。
 恐る恐る店の戸を開けると、かなり古ぼけた店内。空いている席があると聞いてホッとした。
 弘前観光で沢山歩いて、青森に来てからも恐らく4キロは歩いているだろう。やっと座ることができた。
 この店にはメニューはなく、おまかせコースがあるだけ。ネットであらかじめ調べてあったので、驚くことはなかった。
 一番安い2,500円のコースを頼んだら、いきなりウニが出てきてビックリ。次に白子の蒸し物。どれもかみさんの食べられないものばかり。
 気の毒だったけれど、他は美味しい物ばかりで、かみさんも満足したようだ。
 活イカは新鮮すぎて、足の吸盤がところ構わず吸い付いてくるので、食べるのに苦労する程だった。

急行はまなすのB寝台 そうして駅に戻り、はまなすの発車時間を待つ。
 夜の駅前風景をぼんやりと眺めながら時間を過ごす。
 疲れていたけれど、旅の充実感が心の中に満ちていた。
 あちこち歩きすぎて、白神山地を歩いたのが随分と昔のことに感じる。
 時間がきて、寝台車に乗り込む。
 最初はその狭さに戸惑ったけれど、帰りはもう慣れたもので、狭いベットの中でザックや荷物を手際よく片付ける。
 耳栓をして、列車の揺れも気にならず、直ぐに眠りについた。

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