Snow-Shoe In Bihue |
誰もいない雪に閉ざされた真冬の美笛、そんな景色を見てみたくて、冬のある日、美笛まで出かけることにした。 鏡のような支笏湖の湖面に映る真っ白な恵庭岳の姿、そんな風景を期待していたのだが、美笛周辺だけが粉雪の舞うあいにくの天気だ。 国道から美笛キャンプ場へ通じる道は、当然のことながら除雪はされていない。 国道からの入り口に車を止めて、スノーシューに履き替える、そこからしばらくは釣り人達がよく通っているのだろう、踏み固められてスノーシューも必要ないくらいだ。 しかし、途中の湖へ通じる分かれ道から先は、ほとんど足跡もないフワフワのパウダースノーである。 いくらスノーシューと言えども、そうなると軽快に歩けるわけではない。一歩一歩雪をかき分けながら進んでいくような感じだ。 美笛川に架かる橋まで来ると、体が汗ばんでくる。 そこから先は、冬の間にここまで来るような物好きな人間はほとんどいないのだろう、足跡一つない巨木の森が広がっている。 ここは、夏の間は笹が生い茂り、キャンプ場までの未舗装の道から森の様子を眺められるだけなのだが、冬の間だけは自由にその中を歩き回ることができるのだ。 天にそびえる巨木の下に立つと、その姿に圧倒されるようだ。 しかし、そこまでほとんど休み無しで歩いてくると、日頃の運動不足がたたり、歩くのが苦痛になってくる。 ところが、途中から前を歩いている妻は、ほとんど疲れも見せず、まるで小型ブルドーザーのように雪をかき分け進んでいくのだ。 ボクはと言えば、妻のつけたルートの上をヒーヒーいいながらついていくのが精一杯だ。 ボクのスノーシューの方が妻のものより一回り大きく、浮力もあるので、この様な新雪の中ならばこちらの方が軽快なはずなのだが。 やっと支笏湖の湖畔まで到着すると、驚いたことにそこには既に先客がいたのだ。 彼らは岸辺に沿って歩いてきたのだろう、確かに岸辺の部分は積雪も少なく、スノーシューを履かなくても歩くことができる。 冬の支笏湖の水は、夏の間よりも数倍透明度を増しているようだ。思わず、カヌーで漕ぎ出したくなってしまった。 帰り道は、一度付けた道があるので、かなり楽である。 ただ、短足の愛犬にとって、スノーシュートレッキングにつき合うのは、かなり大変みたいだ。 最初は、ルートから外れて、そこらの臭いを嗅ぎ回りながら付いてきていたのだが、帰りになるとスノーシューの跡をヨタヨタしながら付いてくるのが精一杯の様子である。 国道入り口からキャンプ場湖畔までの時間はのんびり歩いて50分、夏の間とは全く違う美笛の魅力に触れることのできるお勧めのスノーシューフィールドである。 |
キャンプ場へ向かうときに右手に見えるカツラ(?)の巨木 | 雪が降っていたので、管理棟横のテーブルを借りて昼食タイム |