北海道キャンプ場見聞録
瀬戸内の旅(とびしま海道)
大浦崎公園キャンプ場(4月10日~11日)
大久野島キャンプ場での朝。
今日も美しい朝日を見られた。
毎日のように美しい朝日を拝める
朝の散歩中、かみさんが道に落ちていた人参とキャベツを拾い、それを小さく切ってウサギ用の餌にする。
誰かがウサギに食べさせようとしたのだろうが、ウサギだって大きいままゴロンと与えられても食べ余すのだろう。
それを小さくするとウサギも喜んで食べている。
やっぱり朝が一番食欲があるようだ
ウサギも朝はお腹が空くのだろう。
昨日は愛想の悪かったウサギ達も、今朝は向こうから餌をねだって集まってくる。
島の一角に桜がかたまって咲いている場所があった。
花付きも良くて、溢れるように花が咲くとはこんな状態のことを言うのだろう。
今回の旅の途中で見た桜の中でも一番華やかな桜だったかもしれない
そんな桜の樹の下でも、ウサギ達が戯れている。
そんな様子を見ているとやっぱり癒される。
桜の木の下でもウサギ達が遊んでいた
午前8時45分発のフェリーで大三島へと戻る。
このフェリーは竹原市忠海港8時半発の始発便で、沢山のお客さんが乗っていた。
天気の良い日曜日なので、今日もウサギの島は多くの観光客で賑わい、餌を沢山与えられたウサギ達は観光客に冷たい態度をとるのだろう。
忠海港からやって来た朝一のフェリー
今日はとびしま海道を観光する予定だ。
広島の呉から南に5つの島が連なり、それをとびしま海道という。
それぞれの島は橋でつながっているのだけれど、しまなみ海道とは繋がっていない。
そのためにフェリーで大三島の盛港に戻った後は、島を縦断して西側の宗方港から再びフェリーに乗って、とびしま街道の一番東側にああたる岡村島の岡村港に渡らなければならない。
大久野島にお別れ
問題は、午前9時に盛港に着いた後、宗方港のフェリーは午前9時40分発なのである。
それに乗れないと次の便は午後2時35分なので、旅の予定は大幅に狂ってしまう。
港から港への距離は約18キロ。
何もなければ間に合う時間だと思うけれど、初めて走る道なのでどうなるかはわからない。
スリリングな行程だったけれど、何とか9時半には宗方港に着いてホッと一息だ。
無事に宗方港に到着
今回の旅では何度もフェリーを利用したけれど、船が岸壁にしっかりと係留されていないのに、ゲートを下ろしたかと思うと直ぐに車が降りていく様子は結構衝撃だった。
今までは、新日本海や太平洋の大型フェリーばかりに乗っていたので、こんなので良いのかと思ってしまうけれど、こちらではフェリーは路線バス感覚で利用する乗り物なので、乗り降りにそんな時間もかけていられないのだろう。
チャリダーやバイクも多い
23分間、瀬戸内海の風景を楽しんで、岡村港に到着。
この日はとびしま海道を通り過ぎ、呉市を通って倉橋島の大浦崎公園キャンプ場に泊まる予定である。
今までは一日の移動距離をなるべく少なくするようにしていたけれど、この日は少しそれが長くなる。
途中に良いキャンプ場がないと、こんなこともあるのだ。
瀬戸内海らしい風景だ、見えている橋は来島海峡大橋
まずは岡村島から小さな島2つを挟んで大崎下島へ、連続して3つの橋を渡っていく。
最初はアーチ橋の「岡村大橋」。
その手前に橋を見渡せる東屋がある。
そこには願い事が書かれた木札が所狭しとぶら下げられ、そしてお決まりの愛の鐘。
何処にでもある縁結びスポットだけれど、いったいどれくらいのご利益があるのだろう。
岡村橋と縁むすびスポット
次は同じアーチ橋の「中の瀬戸大橋」。
大三島から同じフェリーに乗ってきたチャリダーファミリーを追い越す。
中の瀬戸大橋
最後にコンクリートの斜張橋「平羅橋」を渡ると大崎下島である。
岡村島は愛媛県今治市だったのが、大崎下島は広島県呉市となる。
橋で繋がっているのだから、岡村島も広島県に編入しても良さそうな気がするが、そこには大人の事情が絡んでいるのだろう。
大羅橋
大崎下島では御手洗伝統的建造物群保存地区を観光。
この辺りは風待ち・潮待ちの港として江戸時代から北前船などが往来し、大きく発展したらしい。
案内所で地図を手に入れて、それを見ながら街の中を歩く。
ここの保存地区はわざとらしさが無く、歩いていても楽しい。
落ち着いた町並みで歩くのが楽しい
時々、この様な保存地区で建物の改修の際、同じ様な作りで建て替えた建物ばかりが目立つ所もある。
そんなところでは歩いていても興ざめしてしまうのだ。
ここでは住宅として使われている古い建造物も多く、格子戸にさりげなく飾られている生花も街並みの風景を上手く演出している。
ここは現役の時計店だ
保存地区を後にして元の道へと引き返す途中、JAの直売所があったので立ち寄る。
柑橘類詰め放題300円と言うのをやっていたので、面白そうなのでチャレンジする。
色んな種類の柑橘類があって、それが何なのか食べてみないと分からないという楽しさもありそうだ。
柑橘類詰め放題にチャレンジ
トラス橋の豊浜大橋を通って豊島に渡る。
昼食はネットで調べたこの島にある「食事処マリちゃん」で食べることにした。
豊浜大橋
豊島大橋から脇道に入って、橋の下の道路へと降りてくる。
そして、Googleマップで表示される店の場所まで行っても、それらしい店が見当たらない。
近くの駐車場に車を停めて、そこまで歩いていって探してみるが、それでも店が見つからない。
Googleマップが示している場所の路地を奥まで入ってみる。
そしてその路地を曲がった先でようやく目的の店を発見した。
細い路地のどん詰まりに店はあった
もしも道路から店が見えていたら「やっぱり他の店を探そうか」と言うような外観だったけれど、そこまで行ってしまうと勢いで店に入るしかない。
地元のおじいちゃんやおばあちゃんが食事をするわけでもなく、暇そうにしている。
席についてキョロキョロしていると、おじいちゃんの1人が「これでも食べな」を八朔を1個持ってきてくれた。
メニューらしきものが見当たらない。
店のおばあちゃんが「お好み焼きとラーメン、どっちにする」と聞いてくれたので、「そ、それじゃあラーメンにします。ラーメンは、えーと・・・」と考えていると,おばあちゃんはニコっと笑って「ラーメンしかないから」
しょう油とか塩とかいった区分はないのである。
ラーメンが出てくる間、貰った八朔を食べてみるが、これがジューシーでとても美味しい。
柑橘類は地元で食べるに限る。
札幌まで来る間に、乾いてパサパサの八朔に変わってしまうのだ。
これがとても美味しいラーメン
そして、出てきたラーメンがまた美味しかった。
驚いたのは、かみさんはスープをすべて飲み干してしまったことである。
これまでラーメン屋でかみさんがスープを飲み干すのを、一度も見たことがなかったのだ。
心から「とても美味しかったです」と言って店を出た。
豊島から吊橋の「豊島大橋」を渡って上蒲刈島へ。
豊島大橋
この島では県民の浜に寄り道。
美しい砂浜が広がり海水浴場にもなっている。
瀬戸内海の海には、何となく汚れたイメージを持っていたけれど、実際に目にする海は本当に綺麗なところばかりだった。
現地の看板を見ると映画「海猿」のロケ地にもなっていたようだ。
瀬戸内海の海は何処も綺麗だ
美しい砂浜を少し歩いてから上蒲刈島からトラス橋の「蒲刈大橋」を渡って下蒲刈島へ。
展望台からその端の姿を眺められる。
アーチ橋に吊橋に斜張橋と、瀬戸内海に来てから沢山の橋を目にしてきたけれど、私はトラス橋が好みである。
蒲刈大橋、個人的な好みではトラス橋が好きだ
下蒲刈島と本土との間に架かるのが「安芸灘大橋」。
この橋だけが通行料金を取られる。
食事をした「マリちゃん」や、途中で買い物をしたお土産屋でも、「安芸灘大橋を通ってきましたか」と聞かれた。
何かと思ったら、橋を現金で利用し、とびしま海道エリア内の指定店で千円以上の買い物をすると、橋の回数券を貰えるらしい。
私たちは片道しか利用しないので、全く関係なかった。
とびしま海道最後の7つ目の橋、安芸灘大橋
そうして呉市を通り過ぎ、音戸の瀬戸を渡り、午後3時に今日の宿泊地の大浦崎公園キャンプ場に到着。
日曜日で天気も良く、公園は日帰りキャンパーで賑わっていた。
テントを張ってから、音戸の瀬戸を見下ろす温泉に入りにいったら、何と今年の3月で休業になっていた。
他に何処かないかと調べてみたら、一番近いのは呉市内の温泉。
JR呉駅の目の前にある温泉で、休日料金1050円と、汗を流すだけの入浴には高すぎるけれど、他に選択肢はなかった。
音戸大橋から隣の第二音戸大橋をパチリ
そうして午後5時半にキャンプ場まで戻ってくると、賑やかだった公園内もすっかり静かになっていた。
当初の計画では、土曜日に船折瀬戸キャンプ場を出て、大三島を観光し、それから午後2時35分のフェリーでとびしま海道に渡り、そこから一気にここのキャンプ場まで走ってくることにしていたのだ。
それだと、とびしま海道の島を観光する時間はないし、キャンプ場も大混雑だったであろうし、この予定変更は大正解だったようだ。
混雑していなければ落ち着いた雰囲気のキャンプ場だ
公園の中のキャンプ場なのであまり期待はしていなかったけれど、料金は1人480円と格安で、道路1本を挟んで海が広がっている。
場内も、クスノキが大きく枝を広げて落ち着ける雰囲気だ。
でもこれも、空いているからそう感じるのだろう。
今日のキャンパーは他に1組だけ。
これが土曜日だったら、全く違う印象を持ったことだろう。
ビールを飲みながらまったり
道路を挟んでいるけれど、目の前には静かな海が広がる。
東側に向いているので、明日もまた美しい朝日を拝めることだろう。
遠くには最後に渡った安芸灘大橋が見える
相変わらず折れた肋骨は痛むけれど、静かな夜を楽しんだ。
街の明かりが近い
ただし、それもクシャミをしないことが前提。
クシャミをすると骨がゴキッと動く激痛に見舞われるので、クシャミが出そうになると必死になってこらえるのである。
おまけに鼻も思いっきりかむことができないのもちょっと辛かった。