北海道キャンプ場見聞録
瀬戸内の旅(大島・伯方島)
船折瀬戸キャンプ場(4月7日~8日)
休暇村瀬戸内東予シーサイドキャンプ場の朝。
今日も海から昇る朝日を楽しめると思っていたが、上空は晴れているものの水平線付近には低い雲がかかり、そのせいで日の出前の朝焼けも見られない。
空の染まり具合がいまいち
肋骨の痛みで寝られるかどうかが心配だったけれど、寝返りを打つのは大変だったものの、意外とよく寝られた。
ここ数日、少し無理をし過ぎて疲れが溜まっていたのかもしれない。
それよりも、朝起き上がる時が大変だった。
どんな体勢を取れば痛みが和らぐかが分からず、仰向けの姿勢のまま暫く途方にくれていたのだ。
少し遅くなったけれど、ようやく雲の上に朝日が顔を出した。
朝日を撮影中
ここは高規格オートキャンプ場なのに、トイレは全て和式。
今の私にとって、和式トイレで用を足せるかが大問題だったけれど、身障者トイレが洋式でしかもウォシュレットなのを発見。
身障者と大して変わらない私には本当に有り難かった。
しかし、せっかくのウォシュレットトイレなのに、出るものが出ない。
この後数日、それに悩まされることになる。
良い朝だった
午前8時過ぎにキャンプ場を出発。
休暇村のホテルでゲートのリモコンキーを返却して、保証料を返してもらう。
昨日、受付の際にこのリモコンキーの保証料として三千円を請求された時は唖然とした。
入口のゲートは、リモコンキーを押すとそこに張られているチェーンが自動的に下がって、下の溝に収納され、車が通過すると再びチェーンが上がってくる仕組み。
こんな大掛かりなゲートを作って、リモコンキーの貸出に高額の保証料を取るのなら、普通のバーが跳ね上がるゲートにすれば良いのにと思ってしまう。
今回の旅は、ここまで計画通りに進んでいて行程表ではこの日は丁度予備日になっていた。
オプションツアーとして、松山市内観光と無人島キャンプを考えていたけれど、まずは午前中に今治の整形外科にかかるることにする。
近くにコインランドリーもあったので、その間にかみさんは溜まっていた洗濯物を片付ける。
そうして診察の結果、肋骨2本が折れ、1本にヒビが入っていることが判明。
予想より重症だったけれど、肺の機能に影響はなく、このまま旅を続けても問題ないだろうと先生が言ってくれた。
診断結果
この先生がとても良い方で、骨折の原因の話をきっかけに、札幌までシマエナガの写真を撮りに行く事があるとか、色々と話しが広がる。
私が「旅の記念にレントゲンの写真を撮りたい」と言うと、分かりやすいように矢印を書き込んでくれた。
薬局の担当の方とも北海道の話で盛り上がり、旅先での想定外のトラブルも良い思い出になりそうである。
洗濯を済ませたかみさんは、その間に病院まで歩いて戻り、車の中で片付けも終わらせていた。
丁度お昼になるので、せっかくだから今治らしいものを食べようと、ご当地B級グルメの焼豚玉子飯を食べに「白楽天今治本店」に入る。
見た目も味も正にB級グルメと言った感じだ。
味付けはかなり甘いけれど、それがこの食べ物を余計に特徴付けている気がする。
かなりくどいけれど、私は嫌いではない。
出てきた時は目玉焼きが2つ乗っている、半分ずつグチャグチャに混ぜて食べるのが通の食べ方らしい
次は、かみさんがガイド本を見て行きたがった産直ショップの「さいさいきて屋」へ。
普通の産直ショップのイメージで行ったところ、レストランなども併設した大型スーパーと同じ感じで驚かされる。
こんな店は、値段もスーパーで買うのと大して変わらないことが多いけれど、ここは農家の人が道端の無人販売所で売っている値段と大して変わらないと言っても過言ではない。
かみさんが3個で100円のレモンに感激し、1パック300円もしないタラの芽を見て、今日はこれを天ぷらにしましょうとか、嬉しそうに買い物をしている。
さすが愛媛県、柑橘類が豊富だ
私も、普段はイチゴなんか買わないのに、あまりの安さに「これ買っても良い?」とおねだりする。
そして、一束550円の薪を見て、今日はこれで焚き火をすることに決めた。
今回のキャンプ旅では、まだ一度も焚き火をしていなかった。
焚き火用の薪は現地調達がポリシーなのだけれど、これまで利用したキャンプ場は周辺で枯れ枝を拾い集められるような環境ではなかったのだ。
でも、この値段ならば購入した薪での焚き火も許すことができる。
大型スーパーのような産直施設だ
お風呂は今治の中心部にある「しまなみ温泉喜助の湯」へ。
日本一サイクリストが集まる温泉として知られているらしい。
しまなみ海道を走ってきたサイクリストが、ここで温泉に入るのだろう。
素朴な温泉なのかと思ったら、やたらに立派で驚かされる。
料金も、この施設内容で600円ならば全然許せる。
この日は、当初の予定では翌日に行く予定だったしまなみ海道でのキャンプを繰り上げることにした。
泊まるのは伯方島の船折瀬戸キャンプ場。
観光する時間もあまりないので、大島の亀老山展望公園にだけ寄り道することにした。
愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ瀬戸内しまなみ海道を走るのは、私は今回が初めて。
まずは来島海峡大橋を渡って大島へ。
その途中、かみさんにお願いして橋の写真を撮ってもらう。
来島海峡大橋を渡る
これまではフェリーを利用しての島巡りだったけれど、これからは橋を渡りながらの島巡りが多くなる。
橋の上をゆっくりと走るわけにもいかないので、かみさんに写真をお願いするしかない。
でも、無理して写真を撮らなくても、大体は橋を眺める場所があるので、そこでゆっくりと写せば良いのである。
亀老山展望公園からも来島海峡大橋の姿を見事に一望できた。
亀老山展望公園から来島海峡大橋を眺める
標高307.8mのこの公園は「旅好きが選ぶ!日本の展望スポット ランキング 2017」にて第2位になったこともあるらしい。
展望台のデザインも斬新で、そこからは瀬戸内の多島美の風景を満喫できる。
絶景が広がる展望台
見えているのは全て島ばかり
ここの売店の名物である玉藻塩アイスを食べる。
予想以上にしっかりとした塩味がして、食後も口の中が何となくしょっぱいままだった。
玉藻塩アイス
そして、伯方・大島大橋を渡って隣の伯方島へ。
橋を渡るためだけに乗る高速料金がとても高く感じる。
道の駅に隣接する伯方サイクリングターミナルでキャンプ場の受付を済ませる。
このキャンプ場は、船が折れるくらいに流れが早いのでその名前が付けられた幅300mの海峡に面している。
とても小さなキャンプ場で、海側で車を乗り入れられるサイトは3箇所だけ。
石垣の上に3つのサイトが有る、海峡に面した出城にも見える
予約した際に先客がいたので、先客から一つ間を開けたサイトを予約。
結局この日は、先客の男性2人と私達の2組だけだった。
眼の前の海峡はその名の通り、確かに流れが早く、所々で渦も巻いている。
そんな流れの中を大きな船が通っていくのでビックリした。
石を投げれば届くくらいの近さである。
テントの直ぐ前を船が行き来する
直ぐ目の前を船が行き来するキャンプ場なんて他には無いだろう。
設備も一応は整っていて、これで1人310円の料金で泊まれるのだからありがたい。
船が通過する度に写真を撮っていたけれど、キリがないので途中で止めてしまう。
次々に船が通り過ぎる
ここまで旅は順調に進んでいたけれど、来週からは天気が崩れてきそうだ。
そして肋骨の骨折もあり、今後の旅の予定も少し見直さなければならない。
もっとも、骨折で予定が狂うのは、しまなみ海道サイクリングができなくなるくらいだ。
このサイクリングについては、それほど気合が入っていたわけでも無いので、中止にしても大して気にはならない。
島々に架かる橋を自転車で走るのは魅力だったけれど、それ以外の区間はサイクリングロードがあるわけでもなく、車道の端を走るしか無い。
ここ10年くらい自転車に乗ったことのないかみさんのことを考えれば、中止になった方が良かったかもしれない。
こんなところを走っていても楽しくなさそう
それよりも気になるのは雨のことだった。
来週からは天気の崩れる日が多くなりそうだ。
そこで、旅の目的でもある瀬戸内海の島巡りをなるべく天気の良いうちに済ませようと考え、予定少し組み替えることにした。
頭を一番悩ませたのが、土曜日の宿泊先。
最近のキャンプブームで、土曜日は何処のキャンプ場も混雑するのだ。
それが、来週の宿泊予定だった大久野島のキャンプ場で土曜日に一サイトだけ空きがあるのを見つけ、その心配も解消。
これでとりあえず数日分の行動予定が決まったのである。
手前には渦も見えている
夕食は北海道産牛のステーキ。
かみさんがコインランドリー隣のスーパーで安く売られていたのを見つけて買ってきたのだ。
こんな忙しいキャンプ旅で、何時もレベルの高い食事を作ってくれるかみさんには感謝するしか無い。
キャンプの夕食
食事を済ませて、次は焚き火タイム。
これまでは夜になって気温が下がるとテントの中に籠もっていたけれど、焚き火があるとその必要はない。
せっかくのキャンプなのだから、できる限り外で過ごしたい。
やっぱり我が家のキャンプに焚き火は欠かせないのだ。
今回のキャンプで初めての焚き火
夜になっても相変わらず船が行き来している。
来島海峡の方が一般的な航路なのだろうけど、地図を見ると船折瀬戸を通った方が少しだけ距離が短縮できそうだ。
それなので、この海峡を通過できるサイズの船はここを通るのかもしれない。
夜になっても船の行き来は絶えない
その行き来は一晩中耐えることが無かったけれど、車の通行音と違って暫くの間同じ周波数の音が聞こえているので、エンジン音はあまり気にならない。
寝返りの度に目が覚めるのはしょうがないけれど、この日の夜もぐっすりと眠ることができた。