北海道キャンプ場見聞録
瀬戸内の旅(開山公園・今治)
大角海浜公園くじら広場キャンプ場(4月8日~9日)
船折瀬戸キャンプ場は伯方島の東側に位置する。
今日も朝日が見られそうだと張り切って起きようとしたが、今朝も起き上がるのに一苦労した。
介護がないと起き上がれない人の気持ちが良く分かる。
今日の朝日
朝日は向かい側の山から昇ってきた。
周りを島に囲まれているので、海から昇る朝日は5月か6月頃にしか見られなさそうだ。
そんな朝の風景を楽しんでいると、そこに船がやってきた。
シルエットとなって朝日の前を通り過ぎる船がとても格好良い。
影絵の船のようだ
海峡の潮の流れは、昨日と同じである。
昨日も今日も引き潮の時間帯を見ているので、もしも満潮になれば逆方向に流れるのだろうか。
そんな様子も見てみたい。
海を眺めながらの朝食
隣の静岡ナンバーのキャンパーは釣りが目的のようだ。
釣りから戻ってきたようなので釣果を聞いてみたら、ここは潮が早くて釣りにならなかったとのこと。
ここ暫く朝日の見えるキャンプ場ばかりに泊まっていたので、今日は瀬戸内海に沈む夕日を楽しめるキャンプ場に行くことにしていた。
場所は今治市。
逆戻りすることになるけれど、これも瀬戸内満喫作戦の一環である。
帰り際、道路の上からサイトを見下ろす
移動距離も少ないので、何時もより片付けもゆっくりで、午前8時40分にキャンプ場を出発。
最初に向かったのは同じ伯方島にある開山公園。
しまなみ海道の島々の中で随一の桜の名所らしい。
開山の標高は149m。
駐車場まで登ってくると、満開の桜の風景が広がっていてワクワクしてくる。
時間も早かったので車もまだ少ない。
園内の案内図を見て、まずは北側の展望デッキまで行ってみる。
つつじロードを歩いて展望デッキへ向かう
途中の園路はつつじロードと名前が付けられ、ピンクの桜と紫のつつじの競演を楽しめるのが良い。
展望デッキからは大三島と生口島を結ぶ多々羅大橋が真正面に見えた。
ツツジの丘から眺める多々羅大橋
でも、写真を撮るのなら途中にあった東屋からの方が良いかもしれない。
小高い丘の上に建つ東屋は周りをつつじに囲まれている。
そのつつじはまだ一部しか咲いていなかったけれど、桜やつつじの花越しに眺める多々羅大橋の方が絵になるのだ。
展望台からツツジの丘と多々羅大橋をズーム
駐車場まで戻って、その隣の3階建て展望台に登る。
桜の風景はやっぱり、ここから眺めるのが一番だ。
展望台から眺める桜の海
多々羅大橋に、伯方島と大三島を結ぶアーチ橋の大三島橋、そして瀬戸内海の島々。
桜の花越しに360度の展望が広がる。
桜の海の先に見える大三島橋
延長36mのロングすべり台がある園地は緩やかな斜面になっていて、そこが全て桜の花で埋め尽くされている。
ここの風景も素晴らしい。
斜面の反対側から眺めると、見える範囲全てが桜の花に覆われている
視界全てが桜の花だ
南側の見晴台まで歩いてみる。
見晴台は老朽化により立入禁止になっていたけれど、そこからは大三島橋が良く見えていた。
見晴台から眺める大三島橋
そんな桜の風景をたっぷりと楽しんでから、山を降りる。
車がすれ違うのにも苦労する様な道だけれど、この時期は一方通行になっているので、安心して車を走らせる。
その後は再び来島海峡大橋を渡り、今治側へと戻ってきた。
昨日はここを素通りしていたので、改めて今治側から来島海峡の展望を楽しむ。
ここでは糸山展望台から眺める来島海峡大橋の姿が最高だった。
糸山展望台から眺める来島海峡大橋
昨日の昼食は今治のB級グルメを味わったので、今日は今治の王道グルメである鯛めしを食べることにした。
入った店は来島海峡に面する「伊豫水軍」。
人気店らしいけれど、まだ昼前だったので並ばずに入ることができた。
自分でご飯の上に鯛の刺身と卵を乗せる
こちらは鯛釜飯がメインのようだけれど、単品では頼めないのでかなりお高くなる。
昼食にあまりお金もかけられないので、私たちは1650円の鯛丼を注文。
ご飯に鯛の刺身を乗せる、いわゆる宇和島風の鯛めしと言えば良いのだろうか。
最後はお茶漬けにして食べることもでき、とても美味しい鯛めしに大満足。
店の前の海が綺麗だったので海岸に降りてみた
腹を満たした後は、今日のキャンプ地である大角海浜公園キャンプ場に向かった。
キャンプ場があるのは愛媛県の最北端の地、瀬戸内海に鋭く突き出した大角鼻と呼ばれる場所である。
島キャンプをするよりも、瀬戸内海の風景を楽しむには絶好の場所かもしれない。
西側にクジラ広場、東側にカレイ広場の名が付いたキャンプ場が各々あり、私たちは夕日を楽しむためにクジラ広場の方にテントを張った。
クジラのモニュメントがあるのでクジラ広場なのか
まずは場所を確保してから、今治市内の観光に出かける。
目的地は今治タオル本店だったけれど、近くに今治城もあったので寄り道。
ここの天守は昭和55年に再建されたものなので、私の中では城の形をした展望台と言ったイメージしかない。
それでも、素通りするのももったいないので、サラッと見学していくことにしたのだ。
ここが一番良いアングルで写真を撮れる場所
初代城主の藤堂高虎とお城の写真を撮り、520円を払って展望台(模擬天守)に登り今治の街並みを眺める。
そこから眺めると、海が直ぐ近くに見え、ここが高松城と同じく、瀬戸内海を治めるための海城だったことが良くわかった。
天守からの眺め
その後は今治タオル本店でおみやげを買い、昨日も入った「さいさいきて屋」で安い野菜を仕入れ、お風呂も昨日と同じ「しまなみ温泉喜助の湯」。
実は喜助の湯は、かみさんが昨日腕時計をここで忘れてきたものだから、もしかしたら届いているかもと再訪したのだ。
残念ながら、わざわざ届けてくれる奇特な方はいなかったようだ。
最後にスーパーで買い出しをして、キャンプ場を目指す。
クジラ広場へは、東側のカレイ広場から一山超える感じなのだが、これが幅も狭く急カーブもあって、なかなか痺れる様な道なのである。
途中、大角鼻の展望台に登ってみる。
来島海峡大橋も一望できて、なかなかの展望である。
大角鼻展望台からの眺め
そうして、午後4時半にキャンプ場に戻ってきた。
後はビールを飲みながら夕日に空が染まるのを待つだけである。
昨日の船折瀬戸キャンプ場も船の往来が多かったけれど、ここはその比ではない。
地図を見れば分かるけれど、瀬戸内海を行き来する船は全てこの大角鼻の前を通るのである。
船折瀬戸の様に目の前を通る訳じゃないけれど、船のエンジン音が絶えることなく聴こえてくる。
それは決して騒音ではなく、このキャンプ場のBGMの様なものだ。
船のエンジン音が絶え間なく聞こえてくる
私達がお昼にテントを張りに来た時は、駐車場近くにソロ男性の先客がいるだけだった。
かみさんが、そこからかなり離れた場所まで荷物を運ぶので、そんなに離れなくても良いのにと思ったが、結果的にはそれが正解だった。
駐車場からは結構離れた場所にテントを張った
私達が戻ってきてからは、神戸ナンバーの黒塗りクラウンに乗ってきたソロ男性が一番奥にテントを張る。
そのクラウンからスキンヘッドのおっさんが降りてきた時は、怖くて思わず視線をそらしたが、ごく普通のキャンパーだったのである。
今流行のソロキャンプスタイルでテントを張るのを見て笑ってしまった。
海の眺めが最高
次に来たのは、父親と娘のファミリーキャンパー。
同じ柄のソロテントを2つ張って、何とも微笑ましい。
父娘キャンパーは私達の隣奥側にテント設営。
結局、4組のキャンパーが等間隔でサイトを利用することになったのである。
空が染まり始めた
いよいよ西の空が赤く染まり始めた。
そして大崎下島の島影に日が沈んでいく。
クライマックス
その前を船が絶え間なく行き来する。
期待通りの最高の夕日の風景を楽しめた。
余韻を楽しむ
夕食は、昨日今日とさいさいきて屋で仕入れたものを中心に、タラの芽の天ぷら、レモン、タケノコとワカメの煮物、こんにゃくの味噌和え、鯛めし(惣菜)と超豪華。
地元の産物を使った夕食
そして今日もさいさいきて屋で買った薪で焚き火。
焚き火の写真を撮っていると、その後ろに大きな明かりが点灯しているのに気が付いた。
それは瀬戸内海を行き来する船に潮流の状況を知らせるサインボードだった。
テントの後ろにはサインボードの明かりが
海の上では灯台の赤い光が海面に映り込む。
そこを船の明かりが行き来する。
そして空で輝く星たち。
最高に美しい夜がエンジン音のBGMとともに更けていった。
最高の夜だ