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瀬戸内の旅(眉山・鳴門)

大池オートキャンプ場(3月30日~4月1日)

淡路ツーリストトロフィーハウスを朝8時に出て最初に向かったのは慶野松原。
日本の渚百選、日本の夕陽百選等にも選ばれている景勝地である。
昨日の夕陽は、車で遠出してでもできればここで見たかった気がした。

慶野松原
慶野松原の海岸


例によって、ここでお土産用の石を拾う。
さすがタマネギの産地として知られる淡路島だけあって、漂流物の中にはタマネギも混ざっていた。

慶野松原
さすが淡路島の漂流物だ


砂浜沿いには立派な松が茂り、その中に遊歩道も作られている。
入り口の看板には色々な名前が付けられた松が紹介されていたが、その中の根上がり松しか見つけられなかったのが心残りだ。

慶野松原
慶野松原の根上り松


次に向かったのは日本誕生、国生み神話の地でもある自凝(おのころ)島神社。
神社の建つ場所は周囲より少し高い丘のようになっていて、おのころ島と呼ばれている。
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が天から垂らしたしずくが島となり、それが日本の始まりとされている。
神社の前に立っても、ここが日本の始まりの場所だという実感はなかなか湧いてこない。

自凝(おのころ)島神社
おのころ島神社は巨大鳥居だけが目をひいた


おのころ島が何処なのかは諸説あるようで、昨日の宿の宿主さんがお勧めしてくれた沼島も、その一つとされている。
ブラタモリでは沼島をおのころ島として認定していたようだ。

淡路島最後の観光はうずの丘大鳴門橋記念館。
大鳴門橋を見下ろせる丘の上にあるこの施設は、まるでタマネギのテーマパークのようだ。

うずの丘
うずの丘の記念撮影ポイント


お土産はタマネギ関連グッズばかり、タマネギキャッチャーとかタマネギモニュメント。
かみさんがタマネギの絵柄の入ったTシャツを持って「これ良いんじゃない?」と言うので、私はうなずくしかなかった。

うずの丘
うずの丘から大鳴門橋を眺める


普通はこの後に鳴門のうず潮観光に向かうのが王道だけれど、今回は翌日が大潮だったので、せっかくだから少しでも条件の良い時にうず潮クルーズを楽しもうと思って、今日はそのまま徳島市内へと入った。
四国お遍路の時に立ち寄って以来の徳島市だ。
出張で泊まったこともあり、その時は阿波おどりの開催が迫り、街中のあちこちからお囃子が聞こえていた。

眉山ロープウェイ
ここからロープウェイで眉山へ


訪れたのはそんな徳島市の象徴でもある眉山。
車でその山頂まで行くことができるけれど、ここはやっぱりロープーウェイに乗る。

その前に徳島ラーメンで腹ごしらえ。
入った店は「銀座一福 本店」。
メニューを見ると中華そばの他に月見そば(肉入り)と言うものがあり、聞くとそれが徳島ラーメンとのこと。
比較のために中華そばも注文したところ、その中華そばに生卵と豚バラ肉がトッピングされたものが徳島ラーメンになるらしい。

銀座一福本店
トッピングにより徳島ラーメンになる(左側)


人気店なのでどちらも美味しかったけれど、ラーメンに乗せられた生卵の取り扱いに悩んでしまった。
最初に卵を崩してしまうと、それでスープの味が変わってしまうので、私は食べ終わる間際に卵を崩した。
結論から言うと、ラーメンにわざわざ生卵を入れる必要はないと思う。



阿波おどり会館の建物の中からロープウェイに乗り山頂駅まで登ってくる。
展望台からは桜の花越しに眼下に広がる徳島市の街並みを一望できる。

眉山ロープウェイ山頂展望台からの展望
眉山ロープウェイ山頂展望台からの展望


山頂駅のある一帯は眉山公園になっていて桜の名所としても知られている。
旅に出る前、四国の桜は既に満開になっていると聞き、気温の高い日も続いていたので、私たちが行く頃には桜も散り始めているんじゃないかと少々焦っていた。
しかし、淡路島で見た桜は満開にはまだ少し早く、ここでようやく満開の桜を見られたのである。

眉山公園
眉山公園は桜の花に包まれていた


眉山から降りて阿波踊り会館内の阿波おどりミュージアムを見学。
阿波踊りの実演も見られるが、そちらはパス。

阿波おどりミュージアムのミニチュア展示
阿波おどりミュージアムのミニチュア展示


会館隣りの徳島眉山天神社も美しい桜に囲まれていた。
手水舎や水鉢に桜の花が浮かべられ、参拝者の心を和ませてくれる。

徳島眉山天神社
水鉢に浮かべられた桜の花が美しい


これで今日の観光は終わり。キャンプ地の大池オートキャンプ場に向かう。
受付のおじさんは無愛想で、場内もそれほど混んではいないのに、サイトは一方的に決められる。
それでも一応は、他のキャンパーと間隔を開けるなどの配慮はしているようだ。

大池オートキャンプ場
なかなか快適なサイトだ


サイト自体は快適で、場内には樹木も多い。
1区画3500円で、他に入場料が1人3000円。
この料金でサイトには流し台も付いていて、かみさんはここのキャンプ場がかなり気に入ったみたいだ。

一方、私は何となく面白くなかった。
オートサイトより千円安いフリーサイトの方は、空いているので荷物運びも苦労しないし、大池を目の前にしたロケーションの良い場所にあるのだ。

大池オートキャンプ場
こちらのフリーサイトのキャンパーが羨ましく思えた


それに、このキャンプ場から徒歩圏内の直ぐ近くに、海に面した無料の田の浦野営場がある。
今までならば、その無料キャンプ場を最初に選ぶところなのに、今回の旅の計画では安心して利用できるこんなオートキャンプ場ばかりを宿泊地に選んでいたのだ。
そんな自分の心の変化に少し腹を立てながら、旅のキャンプ初日の夜を過ごした。

翌朝、散歩を兼ねて田の浦野営場まで歩いていく。
平日の割には利用者も多い。
なかなか良い雰囲気のキャンプ場だけれど、海との間には堤防が作られていて、サイトからは海を直接見ることができない。
もしもこの堤防がなかったら「やっぱりこちらのキャンプ場にすれば良かった」と、かなり後悔していただろう。

田の浦野営場
田の浦野営場の場内、少し荷物を運べばこんな快適なキャンプが楽しめる


今日はこのキャンプ場にもう1泊する予定なので、撤収する必要もなくゆっくりと朝の時間を過ごしてから午前8時前にキャンプ場を出て、昨日走った道を逆戻りして鳴門に向かう。
この道はうずしおロマンチック街道と呼ばれて夕陽の名所でもあるらしい。



途中、トンネル横の旧道を利用した彫刻公園があったので寄り道する。
時間に余裕のある人しか訪れないような場所だけれど、結構楽しめた。

うずしおロマンチック街道彫刻公園
使われなくなった旧道上に彫刻が置かれている


カーナビ任せで鳴門を目指していたら、途中で鳴門スカイラインへの分かれ道があった。
面白そうなので、ナビを無視してそちらへと曲がる。
結果的にこれが大正解で、予定していなかった絶景スポットを楽しめた。

最初の絶景スポットは小鳴門新橋。
小鳴門海峡に架かる橋で、海面からはかなりの高さがある。
近くに車を停めて橋の上を歩いて絶景を楽しむ。

小鳴門海峡
小鳴門新橋から眺める小鳴門海峡


歩道幅が狭く、かみさんは怖がって途中で足を止めてしまった。
周辺の桜も満開で、正に絶景に花を添えると言った感じだ。

小鳴門新橋
かみさんは怖がってこちらまで歩いてこない


次の絶景スポットは四方見展望台。
まずは展望台手前の急傾斜の橋に驚かされた。
こんなに傾斜のある橋は初めて見た。

鳴門スカイライン
急な坂道の橋


そして展望台からの内の海の眺めも素晴らしかった。
海面には沢山の筏が浮かび、何かの養殖なのだろうかと思って見ていたが、後で調べるとそれは釣り用の筏らしい。
昔は真珠養殖が行われていたらしいが、現在は釣り人のための筏になったとのことである。

内の海
釣り用筏が浮かぶ内の海


そんな風景を楽しみながら、今日利用予定のうずしお汽船の発着場までやってきた。
うず潮が一番良く見られる時間帯までまだ時間があるので、まずは船に乗る前に大鳴門橋の上から渦潮を楽しむことにする。
大鳴門橋には車道の下に歩行者用の渦の道と名付けられた遊歩道があるのだ。

渦の道
橋からの風景をゆっくりと見られるのが良い


これがなかなか楽しい施設である。
昨日この橋を車で渡った時は、横目でチラチラと海の様子を眺めるしかなかったけれど、そこをゆっくりと歩いて周りの風景も楽しめるのだ。

橋の途中には床がガラス張りになっていて、真下の様子を眺められる場所があるのだけれど、高所恐怖症のかみさんはこんなところでも恐々と下を覗き込んでいた。
上から見ていると、うず潮クルーズの船がうず潮の直ぐ近くまで寄っていく様子が良く見える。

渦の道


ますます船に乗るのが楽しみになってくるが、その前に今度は展望台からの眺めも楽しむ。
展望台は、千畳敷展望台とお茶園展望台の2箇所があり、それぞれ違う角度で大鳴門橋を見られる。


千畳敷展望台から眺める大鳴門橋


そしていよいよお楽しみのうず潮クルーズ。
橋の上から、展望台から、そして最後に船の上からうず潮を楽しむのだ。
午前11時発の船に乗り込む。

うず潮クルーズをやっているのは淡路島から出るものも含めて3社。
この中で私達が利用したのはうずしお汽船。
他の会社よりも小さい船を使っているので、小回りが効いてより近くからうず潮を見られると言うのでここに決めたのである。

渦潮クルーズ
大鳴門橋の真下で渦潮を楽しむ


その選択は正しかったようで、結構スリリングなうず潮クルーズだった。
船は結構揺れるし、手すりに掴まっていないと船から振り落とされそうな気がしてくる。

渦潮クルーズ
眼の前で渦潮を見られるけれど、振り落とされそうでスリリングだ


その時は、知床での観光船の痛ましい事故のことなど予想だにしていないので、キャッキャ言いながら喜んでいた。
しかし、考えてみればライフジャケットも付けていないし、安全管理の面ではかなり危うい営業のような気がする。
知床での事故をきっかけに、今後はこのような観光船ではかなり厳しい指導が入るのではないだろうか。

渦潮クルーズ
知床で事故を起こした船と同じくらいの大きさだろうか


楽しいクルーズは20分で終わり、次は近くの大塚国際美術館へと向かう。
この日は午後から雨の予報だったので、美術館で時間を過ごすのは丁度良かった。

美術館の中にレストランも併設されているので、今日の昼食はそこで済ませることにする。
そこに突然、元横綱の白鵬関が家族とお連れの人達を従えて入ってきたのには驚かされた。
座った席も私達の近く。特に予約席にもなっていなかったので、突然の訪問だったのだろうか。


元横綱白鵬関御一行様


この美術館は大塚製薬の創業75周年事業で設立されたもので、白鵬関は同社のオロナミンCのCMにも出ていたので、顔馴染みなのかもしれない
ちょっとしたハプニングだった。

食後は展示物を見て回ったけれど、内部はとても広く展示物も多くて、食事の時間を含めてたっぷりと3時間もかかってしまった。
世界26カ国の西洋名画を陶板で再現したものが展示されている。

大塚国際美術館
完全に再現されたスクロヴェーニ礼拝堂


お馴染みの名画から古代の壁画までが見事に再現され、特に礼拝堂などをそのまま再現した部屋などは凄い迫力である。
展示物は全て複製品ではあるけれど、実物大の最後の晩餐などを見ていると、完全にその世界に引き込まれてしまう。
そのうちに本物の絵画を見ているような感動に包まれるのである。

大塚国際美術館
実物大の絵画に圧倒される


大塚国際美術館
名画も間近に見られる


美術館に入った頃に降り始めた雨は、3時間経ってもまだ止んでいなかった。
傘を持ってこなかったので、少し離れた駐車場まで雨に打たれながら急ぎ足で戻る。

この雨も夕方には止む予報になっていたけれど、キャンプ場に戻ってきてからもまだしつこく降り続いていた。
雨の中でテントを設営するのは大変だけれど、テントが張ってあればこんな雨も問題にならない。
観光でもキャンプでも上手い具合に雨を避けることができて、旅は順調に進んでいる。


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