北海道キャンプ場見聞録
後志利別川のベースキャンプ
ピリカキャンプ場(10月23日~25日)
日曜日に後志利別川を下るためにの前泊地といえば、ピリカキャンプ場以外に選択肢はない。
3年前、朱太川を下り終えてから長万部公園に泊まろうとしたら、まさかの焚き火禁止で、しょうがなくここまで来たことがあった。
朱太川からは少し離れているけれど、後志利別川はここから目と鼻の先だ。
家を出てキャンプ場まで、秋のドライブを楽しもうと思って日本海側のルートを選んだら、余市付近では道路際に雪が残っているし、稲穂峠では土砂降りの雨。
その先でも雨にあたって、のんびりとドライブを楽しむ雰囲気ではない。
途中で見た朱太川は、数日前からの雨の影響もあって濁流となっていた。
昼食は長万部のドライブインかなやで、憧れのかにチャーハンを食べる。
しかし、このチャーハンがモサモサしていて美味しくなく、少し残してしまう。
これなら、素直にかに飯を食べておけば良かったと後悔した。
期待外れのかにチャーハン
まだ雨がぱらついていたので、キャンプ場入りする前に川の下見をしておくことにする。
明日下る区間は、初めての場所なので、下見は欠かせない。
天気もようやく回復し、スタートとゴールに適当な場所も見つけて、気持ち良くキャンプ場入りした。
後志利別川を下見する
最近のキャンプブームで、しかも週末なると、ここのキャンプ場も混雑するのかと心配していたが、先客は一組だけ。
好きな場所にテントを張れるけれど、この後他のメンバーも来る予定なので、駐車場近くのパークゴルフ場跡地にテントを設営。
私達だけならロケーション重視でサイトを決めるのだけれど、他の人と一緒の時は設営のしやすさ重視となるのだ。
それにかみさんが自分のテントを忘れたので、今回は新しい車での初車中泊することに。
多分、他のメンバーも車中泊なので、駐車場に近い方が良いのである。
駐車場の近くにテントを設営
3年前に泊まった時は、キャンプ料金が一人1000円で、隣接のクアプラザピリカで温泉に入る時は別途500円必要だった。
今回は、キャンプ料金が1500円に値上がりして、その中に温泉入浴料が含まれるようになっていた。
結果的にどちらも同じ料金なのだけど、温泉に入らないという選択肢がなくなった分、何となく上手くやられた気分である。
サイトから見えるクアプラザピリカ
温泉から出てきたところでりょうさん夫婦が到着。
程なくして、乙部町までシラフラを見に行っていたNモトさんもやってきた。
札幌からシラフラを見てキャンプ場入りするためには、200キロ近くは余計に走ることとなる。
その行動力には脱帽である。
少し風が強かったけれど、りょうさんが大型のシェルターを張ってくれたので、風も全然気にならない。
そして夕方になって気温もどんどん下がってきたけれど、シェルターの中でストーブを焚いてくれたので、寒さも気にならない。
我が家の寒い時期のキャンプでは焚き火で暖を取るだけなので、グループでキャンプをする時はこんな装備があると本当に助かる。
大型のシェルターがあると助かる
風が止んできたのでシェルターの外で焚き火をすることにした。
ストーブで温々としたシェルター内にいると外に出る気がなくなるけれど、それでは面白くない。
やっぱりキャンプでの一番の楽しみは焚き火である。
焚き火を囲んで、お酒を飲んで、そして皆で語らっていると、時が経つのも忘れてしまう。
時計を見ると既に12時近くになっていた。
家にいる時でも寝る時間は早いけれど、キャンプでこんな時間まで起きていることは滅多にない。
それだけ楽しい時間だったのだろう。
焚き火を囲んで時が経つのを忘れてしまう
翌朝は0度近くまで冷え込んだようだ。
昔はテントがバリバリに凍り付くくらいに冷え込んでも平気だったのに、最近は寒さに弱くなったのか、この程度でも寒くてぐっすりとは寝られなかった。
日曜日は川を下った後に豊浦の大岸キャンプ場でもう一泊しようと考えていたけれど、コロナ禍で既に今シーズンの営業を終えていることを知る。
テントの結露が酷くて撤収するのも面倒なので、ここでもう一泊することにした。
日曜日は絶好の川下り日和となった
朝食を済ませて、全員で川下りに出かける予定だったが、りょうさんが膝を捻挫してしまったようで川下りは諦め、車の回送を手伝ってくれることとなる。
天気も良くて、りょうさんには申し訳ないけれど楽しい川下りができそうだ。
川下りを終えてキャンプ場に戻ってくると、我が家のテントがポツンと一張り残っているだけだった。
家から持参した薪は昨日で燃やし尽くしたので、川下りのゴール地点で焚付となるような枯れ枝を拾い集めた後は海で流木でも拾おうと考えていた。
しかし、海まで結構遠いので、今金町での買い出しついでにホームセンターで薪を購入。
クアプラザピリカでも薪を売っていたけれど、金を出して買うにはあまりにも貧弱な薪だったのである。
日曜日の利用は私達だけ
温泉で汗を流した後は、かみさんが作ってくれた手羽先の唐揚げをつまみにビールを飲む。
すると直ぐ近くで真っ黒な猫がうずくまってこちらを見ているのに気が付いた。
昨日の夜もこの黒猫は、私達が焚き火を囲んでいる間にシェルターの中に入り込んで食べ物を物色していた。
他のキャンプ場でも時々野良猫を目にすることがある。
野生動物に餌をやるのは厳禁だけれど、野良猫なら構わないだろうと思って少しお裾分けしてやる。
野良猫らしく、「シャーッ」と牙を剥きながら肉を奪い去っていく。
しかし、次第に慣れてくると「ミャーミャー」としおらしい鳴き声で餌をねだるようになる。
目付きは悪いけれど、可愛い猫である。
見た目は全然可愛くない野良猫だ
夕食は、昨日の残りのキムチ鍋と私がメスティンで焚いたサツマイモの炊き込みご飯。
今金のスーパーで買ったサツマイモがたまたま紫芋だったので、なかなか美味しそうな炊きあがりとなった。
ただ、見た目は良いけど、ちょっと甘みの足りない芋だった気がする。
紫色のご飯を食べるのは初めてだ
今日も日中は風が強かったけれど、夕方頃から風も止み、食後は何時もどおりに焚き火を楽しむ。
空気も澄んでいたので美しい星空を期待していたが、月の出が早いので、既に月明かりで東の空が明るくなってきていた。
空が明るいのは月の出が近いからだ
多分これが今シーズンのラストキャンプとなるだろう。
昨日と比べてこの日は冷え込みも弱く、寒さに震えることもなくシーズン最後の焚き火を楽しんだ。
暖かい夜だった
夜中に震えることもなく朝を迎えた。
残しておいた薪に火を付ける。
薪を残しておいて良かった
この朝は午前5時半頃にISSの姿を見られるはずである。
ただ、その時間だと既に空はかなり明るくなっているので、ISSが見られるかどうかは微妙だ。
カメラを構えて待っていると、薄明の空に一際明るい光の点が現れ、かなりの速さで空を横切っていく。
ISSの軌跡を写そうと思ってスローシャッターで撮影したが、空が明るく写りすぎて肝心のISSは何処にも写っていなかった。
残念ながらISSは写っていなかった
朝食を済ませ、テントが少しでも早く乾くように、水滴を拭き取る。
ラストキャンプではテントも完全に乾かしてから撤収したいので、途中から駐車場のアスファルト舗装の上にテントを移動させた。
駐車場でテントを乾かす
そうして乾いたテントを気持ちよく撤収してキャンプ場を後にした。
せっかくなので美利河ダムも見学していく。
道路から見るとダムの高さが低いので、他で目にするダムとは印象が全く違う。
このダムは堤長がとても長いので、余計に低く見えるのかもしれない。
ちなみに堤長の長さ1480mは日本一の長さだそうである。
高さは低くても幅が広いダムだ
そのために、ダムの上を歩いて中央部分まで行こうとするとかなりの距離を歩くことになる。
ダム湖の奥に見える山は、2日前に来た時は白く雪を被っていたのに、今日はその雪も全く見えない。
昨日の暖かさで、完全に溶けてしまったようだ。
遠くに見える山の雪は完全に消えていた
その後に向かったのは、最初に泊まろうと考えていた大岸シーサイドキャンプ場。
ここの砂浜でのんびりしようと思っていたら、キャンプ場への入口部分は何処もロープなどでこれでもかというくらいに塞がれていて、立入禁止の看板だらけ。
しょうがないので、隣接するカムイチャシ史跡公園の高台へと登ってみる。
階段の途中からキャンプ場を見下ろす
ここは私の好きなキャンプ場なので何度も泊まっていると思っていたが、最後に泊まったのはもう15年も前のことだった。
来年にはもう一度泊まりに来たいものである。
カムイチャシ史跡公園から見えた反対側の砂浜も良さそうなので、そちらを少し歩いていみる。
噴火湾の海は何時見ても穏やかな印象があり、そんな海を見ているだけでこちらの心も落ち着いてくる。
穏やかな噴火湾の波
昼食は、豊浦町でたまたま見かけたドライブインみさきに入る。
店内からの眺めがとても良い店だったけれど、食べたホタテ飯もとても美味しかった。
二日前に食べたかなやのかにチャーハンとは大違いである。
眺めの良いドライブインだ
かにチャーハンより美味しかったホタテ飯
今年のキャンプも、何かのついでに泊まるようなキャンプばかりだった。
最近のキャンプブームの中で、料理にこだわるわけでもなく、キャンプ道具をずらりと並べるわけでなく、ただ宿泊するだけのような我が家のキャンプは少し異質なのかもしれない。
それでも、家を離れて違う場所で寝るのは、それだけで楽しいことだ。
こうして我が家の今年のキャンプも終わりを告げたのである。