北海道キャンプ場見聞録
九州の旅(宮島・原爆ドーム)
広島市内のホテル(4月19日~20日)
この日の観光は、宮島に原爆ドームと、世界遺産巡りである。
今日の宿は広島市内のビジホなので、結露で濡れたテントを完全に乾かしてから撤収し、午前9時過ぎにキャンプ場を出発。
まずは宮島へ渡るフェリーに乗るために、近くの駐車場に車を停めなければならない。
事前に調べてはいたけれど、全く土地勘もないので、国道沿いのタイムズ宮島口パーキングに車を入れることにした。
最大料金は550円なので、多分これが最安のはずだ。
ただ、他に車は全く停まっていないので、多分もっとフェリー乗り場に近い駐車場が空いているのだろう。
それでも、少しくらい歩く距離が長くなっても私達には関係ないのだ。
そこからフェリー乗り場へ続く道を歩いていると、そこら中で駐車場の呼び込みをやっていて、その料金も1回500円から1000円まで様々。
こんなところに入り込んで迷うよりも、やっぱり遠くに止めたほうが正解だったようだ。
駐車場から5分もかからずにフェリー乗り場に到着。
丁度出発するフェリーがあったので、急いでそれに飛び乗った。
そんなに焦らないでも宮島行きフェリーは2社が運行していて、10分も待たずに乗れることを知るのは帰りのフェリーに乗る時だったのである。
フェリーに飛び乗って宮島へ
宮島までの乗船時間は約10分。
座席に座ることもなく、デッキから周りの風景を眺めている間にあっという間に着いてしまった。
あっという間に宮島に到着
午前10時半。
宮島に渡って何を見るのか全く考えていなかったのは、今回の旅では良くあること。
例によって最初に観光案内所に向かい、地図を貰って宮島観光の一般的なパターンを教えてもらう。
観光案内所は本当に便利なところで、時間をかけて事前に下調べする必要もない。
これで唯一困るのは、観光に要する時間が事前に分からないことである。
何時もならば、移動時間と観光に要する時間も全て調べ上げて、観光する場所と宿泊する場所を決めているのだが、今回は現地について予想以上に観光に時間がかかり、見たい場所も省いて次に向かうことが何回もあったのである。
宮島ではまずこの方に挨拶しないことには
まずは定番の厳島神社に向かう。
ここの最大の見どころは、海の中に建つ大鳥居である。
私達の前にこの方面を観光して回った方から、大鳥居は修理工事中でシートで覆われて見ることができないと聞いていた。
去年の秋の京都の旅で金閣寺を訪れた時も、修理工事中で金閣寺全体がシートで囲まれていたけれど、それでも十分に楽しむことができた。
それがあったので、大鳥居が見られないことくらいは大したことではないと考えて宮島までやって来たのだ。
やっぱりこの先に大鳥居が見えていないと見栄えはしない
「日本三景」は天橋立、松島、そしてこの宮島なのだが、他の2箇所は分かるとしてもこの宮島は何が絶景なのだろうと考えると、やっぱりこの大鳥居なのだろう。
それが見られないことは、日本三景の一つが見られないことでもあり、そう考えるとやっぱり少々残念だった。
海上から大鳥居が見えないのが一番残念だった
私達が訪れた時は干潮の時間に近かったのだろうか。
一番水が引いた時ならば、大鳥居まで歩いて行けるようになるみたいだが、今日はそこまでではないものの、廻廊や舞台は陸の上に建っているのと同じ様な状態だった。
この辺りの風景は潮が満ちていないと面白くない
水の引いたところでシラサギやアオサギが魚を狙っている姿は面白かったけれど、出来れば海の上に浮かぶ建物の様子を見たかった気がする。
大鳥居よりアオサギの方が存在感が大きい
厳島神社を一通り見終わった後は、弥山までロープウェーで登ってみようと考えた。
厳島神社の他に弥山原始林なども含めて世界遺産に登録されていて、その山頂からは素晴らしい絶景も楽しめるらしい。
しかし、ロープウェー乗り場は思っていた以上に遠くて、弥山まで登っている時間も無さそうなので、あっさりと弥山は諦めることにした。
弥山にも登ってみたかった
宮島はやっぱり、1日かけて観光する場所のようだ。
宮島にはキャンプ場もあったので、ここでの島キャンプも面白かったかもしれない。
完全にリサーチ不足だったことを後悔した。
お昼近くだったので、たまたま目に付いた店「お食事処とりい」に入ることにした。
商店街を歩いていると牡蠣や穴子を食べさせる店が沢山並んでいたので、この二つが宮島の特産品なのだろう。
私は牡蠣の酢の物に牡蠣フライ、穴子飯が付く宮島膳、かみさんはかき鍋うどんを注文したが、どちらも美味しくて満足。
これでお土産にもみじ饅頭を買えば宮島の食はコンプリートだろう。
宮島名物が揃った宮島膳
食後は街歩きを楽しむ。
宮島には他にも神社やお寺、資料館など、見るべき場所が沢山残っていたけれど、この後は広島の原爆ドームも見なければならない。
お土産を買ってフェリー乗り場へと戻った。
街歩き中に見つけた風景、五重塔が印象的だ
宮島までのフェリーはJR西日本と宮島松大汽船の2社が営業している。
私達が乗ってきたのは宮島松大汽船で、往復券を買っていた。
フェリー乗り場へ戻ってくると、次に出るのはJR西日本のフェリー。
ここで初めて、この往復券ではJRのフェリーには乗れないことを知ることとなったのである。
往復券を買っても割引になるわけではなく、乗車券を買う手間が省けるだけ。
まあ、両社の差は航路が少し違う程度だけみたいで、宮島松大汽船の次のフェリーも直ぐに乗れたので、大した影響は無かった。
宮島松大汽船のフェリーに乗っていると、すれ違う船はJR西日本のフェリーばかりだった
今日泊まる広島のホテルには駐車場が無い。
幸いこのホテルは広島平和記念公園に近いので、その辺りの24時間料金が安い駐車場を探してそこに車を停め、原爆ドームを見に行くことにする。
見つけた駐車場は丁度1台分の空きがあってすんなりと停めることができた。
土地勘のない街での駐車場探しは結構大変なので、これはラッキーだった。
平和大橋を渡って平和記念公園の正面に回ると、そこにあったのは「嵐の中の母子像」。
札幌出身の本郷新の作品と知る。
祈りの泉の大噴水と平和記念資料館本館がその背景となる。
平和記念公園の中を歩いて原爆ドームを目指す
平和記念資料館本館の下を抜けて公園の中を歩いていくと、その奥に原爆ドームが見えていた。
原爆死没者慰霊碑の前に立つと、そのトンネルのようなモニュメントの中に原爆ドームが見える。
毎年テレビで中継されている平和記念式典が行われている場所である。
その前で手を合わせてから原爆ドームを見に行く。
テレビでよく見る場所だ
写真や映像で何度も目にしている原爆ドーム。
その周囲を一周りしてみた。
これまで見たこともない姿の原爆ドームがとても新鮮である。
橋の上から眺める原爆ドーム
形だけを保存しているのかと思ったら、内部や外回りの瓦礫がそのまま残っていることに驚いた。
福島原発もいつの日か誰でも近くで見られるようになって、災害時の瓦礫がそのまま残されていたら見ごたえがあるだろうと考えてしまう。
これが原爆ドームの裏側
周りには瓦礫がそのまま残されていた
原爆ドームに手を合わせて、最後に被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料が展示されている平和記念資料館を見に行く。
悲惨な写真も多く、かみさんは途中で見ていられなくなって写真コーナを離れてしまった。
と言うか、最初からそれらの写真は見ようとはしなかった。
平和記念資料館の展示
展示をすべて見終わって出てくると、そこは平和記念資料館本館の二階部分。
そこからは原爆死没者慰霊碑と原爆ドームを真正面から見られるようになっていて、なかなか良い演出である。
日本人ならばこの原爆の悲惨さを知っておかなくてはならないだろう。
少し遅すぎた気はするけれど、65歳になってようやく原爆ドームを訪れることもできたし、広島を観光地に選んだのは正解だった。
平和記念資料館の展示を見終わって出てくると、この風景が目に入る
今日の宿は「HOTEL THE KNOT HIROSHIMA」。
楽天トラベルから予約した料金は、素泊まりで1名1泊1900円という驚くような安さ。
窓のない部屋は更に安くて1泊1700円だったけど、さすがに窓がないのは息苦しそうなので、+200円で窓のある部屋を予約したのである。
それでもあまりにも安すぎるので、かみさんには「変なホテルだったとしても我慢してね」と先に言っておいた。
しかし、部屋に入ってそんな心配も吹き飛んだ。
広々とした部屋に大きな窓、その窓からは平和記念公園も見えていた。
トイレと風呂が別々になっているのも嬉しい。
去年オープンしたばかりのホテルなので、全てが綺麗に保たれている。
ホテルの窓から見える風景
後で分かったのだけれど、この料金で泊まれたのはこの時期だけで、ハイシーズンになれば一般的なホテル並みの料金設定になるようだ。
私達はとても良い時期に泊まることができたようだ。
今日の夕食はもちろんお好み焼き。
広島風お好み焼き屋が集まった「お好み村」というのがあるので、そこに行ってみることにした。
目当ての店は決めていたけれど残念ながら休業日。
どうしようかと迷っていると、暇そうにしていたおばちゃんが手招きするのでその店に入る。
周辺にもお好み焼き屋が沢山あるので、事前に店を決めてから出かけた方が良い
大量のキャベツを使うお好み焼きは結構なボリュームで、少食のかみさんは少し残してしまった。
それでも野菜が多く入っているので意外とあっさりしていて、普段は「粉もん」をあまり食べない私達でも美味しく食べることができたのである。
最後に良いホテルに泊まることができた
その後はホテルに戻って、14階の部屋から街の夜景を眺めながら部屋飲み。
今回の旅での最後のホテル泊は、とてもリッチな気分で過ごせたのである。