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九州の旅(三段峡)

国営備北丘陵公園備北オートビレッジ(4月20日~21日)

広島市内のホテルを午前7時20分に出て、向かったのは広島県安芸太田町の国の特別名勝「三段峡」である。
九州の旅を終えて、後はフェリー出港地の福井県敦賀へと向かうだけなのだが、行きは高速道路で一気に九州入りしたので、帰りは少し観光しながら走るつもりだった。
訪れる場所は、2年前の山陰九州の旅で予定していながら行けなかったところをピックアップしていた。
一昨日は岩国市の錦帯橋、そして今日が三段峡なのである。

午前9時20分に三段峡正面口に到着。
三段峡は入口から聖湖まで全長約16キロに及ぶ大渓谷で、駐車場は三段峡正面口と渓谷の途中の水梨口の2箇所にある。

三段峡
この先が三段峡正面口からの入口となる


駐車場はどちらも有料なのだけれど、料金所が見当たらない。
駐車場にはヘルメットを被った人たちが集まっていた。
そのうちの1人が近づいてきて、「まだ安全点検が終わっていないので正式オープンは明日からになる。駐車場は無料で停めて良い」と説明してくれた。
ヘルメット姿の人達はこれから遊歩道の点検に出発するようで、遊歩道自体は歩くことも可能だとのこと。

三段峡の何処を歩くかをまだ決めていなかったのだけれど、途中の渡舟も、水梨口とのシャトルバスも運行していないし、ここから歩き始めて途中で引き返してくるしか選択肢は無かった。

午前9時30分に三段峡トレッキングのスタート。
最初の橋を渡ると、その下を美しい清流が流れていて、これから見られる光景にワクワクしてくる。

三段峡
入口の橋の上から流れを見下ろす


川の流れに沿ってコンクリートで固められた遊歩道が続いている。
最初に出迎えてくれたのは、狼石の名が付けられた巨大な岩だった。

三段峡
何で狼石なのかは良くわからない


その前の看板に「ここから上流2500m、徒歩40分で西中国山地国定公園五大荘観の一つ黒淵が見られます」と書いてあった。
途中で手に入れた三段峡散策マップを見ても、黒淵を見て引き返すのが丁度良いコースのようだ。

三段峡
渓谷の底を流れる清流


マップを見ると、「姉妹滝」「竜ノ口」「兜岩」など色々な名前が付けられている場所があるようだ。
たまに看板も付いているけれど、殆どは看板も無いので、どれがそれなのかも分からない。
それでも、風景を見ながら「これのことじゃないのかな?」と考えるのも面白い。

三段峡
エメラルドグリーンに染まった淵と、そこから流れ出すホワイトウォーター


遊歩道は、流れの直ぐ横まで近づいたり、流れを大きく高巻いたり、手掘りのトンネルを通ったりと変化に富む。

所々に、転落防止柵が無くても大丈夫なのか?と心配になるような場所がある。
大体は少しだけ高くなったコンクリートの柵になっているだけで、苔生したそんな柵は、渓谷の風景に上手く溶け込んでいる。
その柵の上に尖った石が並んでいるのは、あまり近づくなという意味なのだろうか。

三段峡
コンクリートの仕切りの上には尖った石が並べられている


ツツジや椿、スミレやイチリンソウなど、花も楽しめる。
かみさんは最近、スマホのカメラに花の名前を調べる機能があることに気が付き、一生懸命チャレンジしているが、そのアプリの性能はあまり良くないようだ。

三段峡
こんな花にも癒やされる



三段峡
決して作った風景ではありません


渓谷は次第に深くなってくる。
川の流れも、ホワイトウォーターになったかと思えば、美しい淵に変わり、その先には岩の間を切り裂く細い流れが続いていたりと、変化に富む。
遊歩道を歩いていると、次々と風景が変わっていき、退屈することがない。

三段峡
黒淵とは言っても水は緑


黒渕までやって来たが、遊歩道はその先で通行止めになっていて、川に架かる吊り橋もその手前で閉鎖中。
おかげで、惜しむこと無くそこで引き返す踏ん切りがついた。

三段峡
この辺りが黒渕と呼ばれている


天気が良すぎると、日向と日陰の明暗差が大きいのでカメラの露出を合わせるのに苦労する。
それが帰り道、太陽が高く登ると渓谷の中にも満遍なく日が当たるようになり、流れが更に美しくなったような気がした。

三段峡
太陽が高く昇ると渓谷の底まで日が届き、水の透明度も際立つ


河原に降りられる場所で一休み。
上から眺めているのも良いが、水が直ぐ近くにある方がやっぱり気持ちいい。

三段峡
こんな川原で一休み


午前11時40分に入口まで戻ってきた。
そこのお食事処が営業していたので、そこで昼食にする。
ここで食べるのはやっぱり山女魚塩焼き定食、かみさんは山菜蕎麦。
その場所にあった食事はやっぱり美味しい。

山女魚塩焼き定食
三段峡での昼食は蕎麦か川魚で決まり



この日のキャンプを何処でするかでかなり迷っていたのだけれど、フェリーが出る敦賀に少しでも近づいておけば後が楽になるので、高速道路で80キロ移動して広島県庄原市の国営備北丘陵公園備北オートビレッジに泊まることにしていた。
その前に、近くに日本棚田百選にも入っている井仁の棚田があったので、それを見に行くことにする。

棚田へのアクセスは、大体が細い山道を走ることになる。
ここで脱輪でもしたら、フェリにー乗れなくなる恐れもあるので少し不安だったが、比較的走りやすい道だったので助かった。

井仁の棚田
なかなか美しい棚田である


丁度棚田に水を張っているところだったので、期待通りの美しい風景を楽しむことができた。
ただ、全ての棚田で米が作られているわけでは無さそうなのが残念だった。
農家の高齢化に伴って、ボランティアの手でも借りなければ、この様な棚田の維持は難しくなってきているのだろう。

井仁の棚田
水が張られたばかりで丁度良いタイミングで来られたようだ


その後は高速道路で一気に庄原市まで走り、かんぽの郷庄原で温泉に入り、午後3時半に備北オートビレッジに到着。
キャンプ場の受付でこの温泉の割引券を貰えたので、ちょっと順番を間違えたようだ。

ここのオートサイトは電源、流し台付きで1区画3150円と比較的低料金である。
ただその他に施設維持費として1人320円、公園の入園料が1人450円かかるので、トータルではそれなりの金額になってしまう。
ところが、平日利用で65歳以上の人が宿泊者の中にいれば、サイト料金が半額になるサービスが有って、少しだけ安く泊まれたのである。
65歳になると映画やスキー場など色々と割り引かれるようになるけれど、まさかキャンプでも割引になるとは思ってもいなかった。
でも、キャンプで老人扱いされるのは、私としては本意ではないのだ。

備北オートビレッジ
かみさんはここの流し台が気に入ったようだ


サイトに流し台があると、喜ぶのはかみさん。
ここまで何時も食事を作ってくれていたので、少しは楽をして貰いたい。
特にここの流し台は、調理台スペースもあるので使いやすかったようだ。

サイトも広く、樹木も適度に茂っていて、さすがは国営公園の五つ星キャンプ場だけのことはある。
私は泊まったことがないけれど、札幌の国営滝野すずらん丘陵公園の五つ星オートキャンプ場も多分こんな感じなのだろう。

備北オートビレッジ
樹木も多くて落ち着いた雰囲気の場内


九州を回っている間は花粉症に苦しめられていたけれど、それは本州に来てからもあまり変わりはなかった。
特にここでは症状が酷くなっていた。
よく見ると、テントの直ぐ隣にシラカバと同じ様な花を咲かせている木があって、かみさんはこの木のせいだと決めつけていたのである。


如何にも花粉を飛ばしそうな花に見える


翌朝、コーヒーの友は途中で買ってきたもみじ饅頭。
宮島で買ったもみじ饅頭が、それまでの私のもみじ饅頭に対するイメージを変えて、すっかりもみじ饅頭ファンになってしまった。


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