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九州の旅(椎葉村・阿蘇)

阿蘇坊中野営場(4月15日~16日)

旅館鶴富屋敷を午前7時半に出て、最初に向かったのは同じ椎葉村の十根川重要伝統的建造物群保存地区。
椎葉村の集落は広い山の中に点在していて、宿がある椎葉村の中心部に泊まっただけでは椎葉村を知ったことにはならない。
そこで、少しでも椎葉村らしい風景を味わいたくて、ここに立ち寄ることにしたのである。

集落の中の細い道に車を乗り入れることは避けて、入り口の観光駐車場に車を停め、後は歩いて回ることにする。
まず最初に、十根川神社境内にある八村杉を目指す。

十根川神社
巨木が生い茂る八村神社


鳥居抜けて境内に入ると杉の巨木が出迎えてくれたが、それは八村杉ではない。
本当の八村杉は本殿を回り込んだ先に、天を衝くように聳え立っていた。

樹高は54mで国内二番目、根回り19mは国内四番目と紹介されているが、杉の巨木は大体が幹周りの太さでランク付けされている。
それでも、八村杉が日本でも有数の杉の巨木であることに変わりはない。

十根川神社八村杉


私は他でも杉の巨木を色々と見てきたけれど、八村杉の特徴はそのスラリと伸びた端正な姿だと思う。
樹齢千年を超える杉は、大体がゴツゴツとした樹肌を晒している。
八村杉の樹齢は約800年、まだまだ生育旺盛なのでこの様な姿を保っているのだろう。
この後も数百年は今のままの元気な姿を保っていてもらいたいものだ。

八村杉


その後は集落の中を歩いてみる。
急な山の斜面に沿って石垣が築かれ、そこに一列平面型の民家が並んでいる。
これが椎葉型と呼ばれる建築様式なのだろう。
急斜面に家を立てるためには、この様な形にならざるをえないのかもしれない。

十根川重要伝統的建造物群保存地区


家の間の石段を登っていくと山々の連なる風景が周りに広がってくる。
ここで暮らしていくのは大変だろうけど、毎日こんな風景を眺めていたら心が癒やされそうだ。

十根川重要伝統的建造物群保存地区


十根川集落には観光駐車場を起点とするフットパスが整備されている。
この存在を事前に知っていれば、最初からこのフットパスを歩いてみたかった。

十根川重要伝統的建造物群保存地区


集落の更に奥には大久保のヒノキと呼ばれる巨木があるけれど、車で行くのも厳しそうで、歩いていく時間もないので、それは諦めることにして十根川集落を後にした。

十根川重要伝統的建造物群保存地区
集落から十根川神社を眺める、一番背の高いのが八村杉だろう




次に目指すのは阿蘇山である。
阿蘇は過去2回来ているけれど、それでもまた行きたくなるくらいに私は阿蘇の風景が大好きなのだ。
宮崎県を離れ、およそ2週間ぶりに熊本県に戻ってきた。

そこで最初に立ち寄ったのは上色見熊野座神社である。
2年前の旅でも近くを通っていたけれど、その時はまだこの存在を知らなかったのである。
今回の旅の計画を立てている時に、ここがかなりのパワースポットらしいと知ってやって来たのだ。

杉林の中に急な石段が続き、石の鳥居や階段の両側には石灯籠が並び、パワースポットらしい雰囲気である。
でも、この程度のものならば、わざわざ遠回りしてここまで来ることもない。
そんな風にも考え始めていたが、本当のパワースポットは階段を登り詰めた先の神殿の、更に奥にあったのである。

上色見熊野座神社
なかなか良い雰囲気の参道である


神殿の横から急な山道を登っていくと、その先では見たこともない光景が待ち構えていた。
穿戸岩(うげといわ)と呼ばれる巨大な風穴である。
まさに自然が作り出した妙である。

上色見熊野座神社穿戸岩
写真のイメージよりは実際の穴は大きい


これならばわざわざ来た甲斐があったと満足して上色見熊野座神社を後にする。
この神社の御朱印を貰うためには、車で10分ほどの高森町観光交流センターまで行かなければならない。
そこへ向かう途中、月廻り温泉公園の駐車場から阿蘇五岳の絶景を楽しむことができた。

月廻り温泉公園
青空の下で阿蘇五岳が格好良い


そして、御朱印を貰った後は阿蘇の草千里駐車場を目指す。
今日はそこから烏帽子岳に登り、下山後は阿蘇坊中野営場に泊まって、翌日に阿蘇最高峰の高岳に登る予定である。

草千里の駐車場は有料で、その先に無料の駐車場があるのだけれど、今日はケチケチしないで410円を払って有料駐車場に車を停めた。
そこから草千里ヶ浜を横断して、その先に聳える烏帽子岳を目指す。

草千里と烏帽子岳
草千里ヶ浜とその先に見える烏帽子岳


草千里ヶ浜には大きな池があるけれど、雨が降らないと干上がってしまうこともあるらしい。
今回は、数日前に雨が降っていたので、比較的大きな池になっていて、これから登る烏帽子岳の姿をその水面に映していた。

草千里の池に映る烏帽子岳
草千里ヶ浜の池に映る烏帽子岳


途中から草千里ヶ浜の縁の尾根へと上がる。
そこからは、無料駐車場が同じ高さに見えていたので、やっぱりそちらに車を停めれば良かったと、今頃になって後悔している自分だった。

草千里
スタート地点の駐車場が草千里ヶ浜の反対側に見える


尾根伝いに烏帽子岳へと登っていく。
標高が上がるに従って、草千里ヶ浜がまるで箱庭のように眼下に広がってくる。

烏帽子岳
山頂への急登


丸太階段が続く最後の急登ではさすがに息が切れた。
そうして、スタートしてから50分で烏帽子岳山頂に到着。

烏帽子岳
ヨレヨレになって山頂到着



烏帽子岳山頂からの展望
遠くには熊本市街や雲仙普賢岳らしき姿も見える


樹木が生えていないので、山頂からは360度の展望を楽しめる。
噴煙を上げる中岳火口と、その後ろに聳える明日登る予定の高岳の姿がとても絵になっている。
2年前には、火山活動の活発化により駐車場から先へは登れなかったので、明日が楽しみだ。

烏帽子岳山頂からの展望
明日登る予定の高岳


そして草千里ヶ浜の姿は、多分ここから眺めるのが一番だろう。
草千里ヶ浜を挟んで反対側に見える杵島岳も簡単に登れる山なので、機会があれば登ってみたいところだ。

烏帽子岳山頂からの展望
草千里ヶ浜と杵島岳


コンビニで買ってきた弁当を山頂で食べていると、変わった飛行機が目の前を飛んでいった。
その姿を見送ってから「今の飛行機ってオスプレイじゃないの?」と、かみさんと顔を見合わせた。
北海道では、演習でオスプレイがやって来ると言うだけで大騒ぎしているのに、こんな所を普通に飛んでいるなんて俄には信じられなかった。
この時撮った写真を拡大して見てみると、やっぱりオスプレイで間違いはなさそうだ。

烏帽子岳山頂からの展望
目の前をオスプレイが飛んでいってビックリ!


下山後火山博物館を見学してから、午後2時に阿蘇坊中野営場にチェックイン。
ここの受付のおじさんが話し好きな人で、私達が札幌から来たと知って、ここでもまた話に花が咲く。
おじさんはパラグライダーの指導員でその関係で足寄町に行っていたことがあるとか、フィギュアスケートもやっていて佐野稔と知り合いだとか、新日本プロレスのレスラーとも知り合いだとか、種子島でロケットを打ち上げるとここからもその様子が見えるとか、とにかく話が止まらない。
早くテントを設営して温泉に入りに行きたいのに、適当に相槌を打ちながら話が終わるのを待つしかなかった。

コロナ対策も徹底的にやっているからと、指示されたとおりに手を消毒して、使った鉛筆もまた消毒。
それなのに管理人さん本人はマスクをしていないのはどうなの?と思ってしまう。

そして、「今日は風があるからここのサイトが良い」と場所を指定され、ようやく開放された。
GWには500人もキャンパーが来たと言うくらいに広いキャンプ場なのに、指定されたのは周囲を藪に囲まれ周りの風景が全く見られない芝生の広場。
台風が来たときでもここは大丈夫だったと豪語していたけれど、今日の風はそよ風レベルである。

阿蘇坊中野営場
周りはグルリとこんな感じで展望は全く無し


その広場の端っこの方にソロキャンパーの先客がいたので、私達はその対角にテントを設営。
結局、今日の宿泊者は私達とそのソロキャンパーだけだった。
同じ場所に押し込めておいた方が管理の手間がかからないとでも考えたのだろうか。

設営を終え、阿蘇駅前近くの阿蘇坊中温泉夢の湯で汗を流し、買い出しを済ませて、再びキャンプ場へと戻ってきた。
キャンプ場の中を一周りすると焚き火用の枯れ枝も十分に集められた。
しかし、場内を一周りして、もっと良いサイトが沢山あることを知ってしまったので、何だか腹が立ってきた。

阿蘇坊中野営場
ここもサイトだったと分かって余計に腹がたったのである


それに、水洗トイレにはトイレットペーパーが無いし、清掃もされていなくて、おまけに女子トイレでは大の方が流されていないところもあったと言う。
掃除どころか点検もしていないのだろう。
その時点でここの管理人さんに対する印象は、話し好きのおじさんから、口先だけの調子の良いおやじに変わっていた。

そんな事がありながらも、キャンプの方は十分に楽しんだ。
夕食は、阿蘇赤牛のステーキに、二日前に買ってあったえのきの厚切りステーキのステーキ二本立てである。
今日その姿を見たばかりの阿蘇赤牛のステーキは流石に美味しい。
えのきのステーキは心配していたとおりに歯に挟まりやすかったけれど、かみさんの絶妙な味付けにより、こちらも美味しく食べることができた。

阿蘇赤牛
豪華な夕食は阿蘇赤牛のステーキにえのき厚切りステーキ


阿蘇赤牛
とても美味しい阿蘇赤牛


食後は直ぐに焚き火タイム。
今回も十分に枯れ枝を拾い集められたので、くにの松原キャンプ場で購入した薪は半分以上も残してしまった。
色々と文句を言いながらも、楽しいキャンプの夜は更けていったのである。

阿蘇坊中野営場
月も昇って楽しいキャンプの夜となった


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