北海道キャンプ場見聞録
九州の旅(宮崎・西都原古墳群)
西都市の旅館(4月13日~14日)
この日は天気予報どおりに朝から雨が降っていた。
昨日の夜に見た地元放送局のニュースでは、久留米ツツジが満開になっているとの情報があった。
そこで近くでツツジの名所が無いかと探して、見つけた場所が宮崎市高岡町の天ヶ城公園である。
天ヶ城公園は桜の名所として知られているけれど、桜が終わった後には5万本のツツジが満開に咲くとのこと。雨の日に見に行くには丁度良い場所だった。
泊まったホテルにはビュッフェスタイルの朝食が付いていたので、まずは腹ごしらえ。
宮崎の郷土料理である冷や汁が有ったので初めて食べてみたけれど、あまり美味しいものじゃなかった。
ビュッフェスタイルのホテルの朝食、ご飯は冷汁にしてみたけれど・・・
ホテルを午前9時半に出発。
宮崎市内から内陸部に向かって車を走らせていると、途中に道の駅があったので寄ってみる。
道の駅の名前は「高岡ビタミン館」。
郷土の偉人「ビタミンの父」高木兼寛翁の功績にちなんでこの名前になったらしい。
次々と道の駅がオープンする中で、地域ごとに特徴を持たせるのはなかなか大変なようだ。
地域ごとに特徴があるのは面白いけれど、ビタミンって一体
ここでかみさんが買ったのは「厚切りステーキえのき」。
えのきの根元部分だけを切り取ったもので、それをステーキ風に焼いて食べるみたいだ。
内心「歯に挟まりそうなステーキだな」と思ったけれど、かみさんの作るものに文句は言えないので、購入するのを黙って見ているしかない。
色々なえのきが売られていた
午前10時半に天ヶ城公園に着いた時は、傘も役に立たないくらいの土砂降りになっていた。
これじゃあツツジの花を見て歩くこともできないなと思ったけれど、そのツツジの花が何処にも見当たらない。
園内の刈り込まれた低木がツツジのようだが、ただの緑の刈り込みでしかない。
しょうがないので無料で公開されている歴史民俗資料館を見学することにした。
城郭風の建物だけれど、平成5年に建てられたもので、昔の城を再現したものでもなさそうだ。
そこで時間を潰して、天ヶ城を後にした。
ツツジの刈り込みで一部だけ花を付けていたけれど、他に花の姿は全く無し
後で調べてみたところ、ここのツツジは桜の花と同じ時期に開花しているようなので、私達が訪れた時は既に花も終わって刈り込まれていたようだ。
宮崎市内に戻って、この日の昼食はうどんを食べようと考えていた。
最初に入ろうとした店は、私達が到着すると同時に駐車場の最後の1台分が埋まってしまい、しょうがなく別の店を探す。
そうして入った店が「車うどん」。
かみさんが頼んだごぼう天うどんは350円、私のうどん定食は550円と、驚くような安さ。
それでも、出汁がとても美味しくて、得した気分で店を出た。
うどん定食、これで550円!
直ぐ近くに宮崎神宮があったので、そこにも寄り道することにした。
日本の初代天皇・神武天皇を祭神とする歴史のある神社である。
既に雨は上がり、日も射してきていた。
灯籠が並ぶ参道は、異世界への入口のような雰囲気が漂う。
宮崎神宮の参道
明日の宿泊は椎葉村を予定していたけれど、実はまだ宿が決まっていなかった。
観光シーズンでもなく、民宿も沢山あるし、泊まる場所には不自由しないだろうと思っていたのだが、電話をしていると何処も満室で断られてばかり。
電話をして最初に聞かれるのが「お仕事ですか?観光ですか?」、そこで「観光です!」と答えると「生憎ですが満室です」と断れるパターン。
どうも椎葉村の民宿は、工事関係者優先で営業しているところばかりのような気がする。
キャンプ場もあるので、そちらに泊まろうと考えて電話をしたところ「コロナの感染拡大でキャンプ場は閉鎖することになりました、多分県内の他のキャンプ場も同じだと思います」と言われる。
ニュースを見ていると、宮崎県内ではコロナ感染者が増えていると騒ぎになっていたので、嫌な予感がしていたけれど、それが現実になってしまったようだ。
感染拡大といっても、感染者が10名を超えた程度の話。
それで大騒ぎになるだから、これが感染者の少ない県の実態なのだろう。
今朝になっても宿が決まらず、それでホテルの出発が少し遅くなっていたのだ。
それで宮崎神宮の駐車場で再度民宿の予約を試み、ようやく空いている宿があって、これで明日は安心して椎葉村に向かうことができるようになったのである。
宮崎神宮参拝を済ませて次に向かうのは、今日のメインの観光地である西都市の西都原古墳群である。
ここは国の特別史跡に指定されていて、4世紀から7世紀のはじめに築造されたとされる300基以上の古墳が展示されている。
一体は公園として整備されているけれど、その共用面積は62haにも及ぶ。
施設の詳細については何も調べていないので、何を見れば良いのかも全く見当がつかない。
何時もの旅ならば、事前に入念なリサーチをして、どの程度の時間をかけて観光するかまで決めているのだけれど、今回は一ヶ月近い旅になるのでそこまで入念に計画を立てている余裕はなかった。
何処に行って何を見るか、その程度でしか考えていないのである。
そこでまずはガイダンスセンターに行って、2時間程度で見て回りたいと相談して、色々と教えてもらう。
園内は広いので車で移動し、駐車場が無いところは道路際に車を停めればいいとのこと。
内部を見られる古墳は2箇所だけなので、まずをそれを回ることにする。
公園内は車で移動、周辺には茶畑や牧草畑が広がり、ここは本当に公園なの?って感じだ
最初に見たのは鬼の窟古墳。
二重構造の円墳で横穴式石室を持つ。
古墳の内部は、過去にも何度か入ったことがあるけれど、ただの石の部屋に過ぎず、それを見ても大した感動は無い。
鬼の窟古墳の石室
それよりも古墳の上に登って見た、周りの菜の花畑の風景の方に感動した。
九州入りしてから、菜の花畑が広がる風景を見たいと思っていたのだが、既にその時期を過ぎてしまったのか、何処でも目にしていなかったのである。
ここでようやくその希望を叶える事ができた。
西都原古墳群の風景と言うより普通の田園風景である
次に向かったのは前方後円墳の13号墳。
内部にある埋葬施設を見られるが、このような施設はただ見るだけでは面白くない。
事前に予約すればガイドによる解説も聞けるらしいので、興味のある人はそのようにした方が楽しめるだろう。
13号墳内部、ここに棺が納められていたらしい
私はそれよりも周辺の大きく枝を広げた木々の風景の方が楽しかった。
古墳よりも周辺の風景の方が楽しめる
古墳が密集した古墳群の中を歩いていても、それはただの小さな丘にしか思えない。
奈良で観光した時も、畑の中に残された小さな山が古墳だったりと、なかなかその価値を実感できないのが正直なところだ。
小さな丘が全部古墳だと言われてもあまり有り難くは感じない
広大な園内を車で走っていると、大きな木が沢山生えている公園のような場所を見つけ、そこを歩いてみる。
天気はすっかり回復し、木々の間からの木漏れ日が清々しい。
古墳よりも、この広大な園内でランニング楽しんだほうが良さそうだ。
やっぱりこんな風景の方が楽しめる
最後に西都原考古博物館を見て帰ることにした。
無料で入れるのが信じられないような立派な博物館だったけれど、内部での写真撮影が禁止されているため、この文書を書いている時点では、中で何を見たのかは全く思い出せないのである。
ただ、この日にテレビの取材が入っていて、宿で見たNHKニュースで「考古博物館ではVR体験が新たに始まりました」と放送していたことだけは印象に残っていた。
写真撮影禁止の施設は面白くない
この日の宿は西都市市内の沼口旅館。
天気の回復が遅くなるかもしれないので二日前に予約しておいたのだが、こんなに天気が良くなるのならばキャンプ場泊でも良かったかもしれない。
しかし、ここの旅館は素泊まりで一人二千円。
この値段なら、わざわざキャンプ場に泊まる必要もないだろう。
外観はボロいけれど気にならない
安すぎるのでちょっと心配していたけれど、宿の女将さんはとても親切で、四国遍路で利用した遍路宿のことを思い出した。
普通の宿では、チェックインする時に「洗濯するものはありますか」と聞いてくれるところは、まず無いだろう。
トイレも風呂も、そして冷蔵庫も共同。
そんな宿にはお遍路の時に何度も泊まっているので全く気にならない。
溜まっていた洗濯物も片付けられて、広いお風呂にゆったりと浸かって、隣のスーパーで買ってきた弁当を電子レンジで温めて食べてと、快適に過ごすことができたのである。
部屋の窓からは美しい夕日も楽しめた