北海道キャンプ場見聞録
九州の旅(日南)
宮崎市内ホテル泊(4月12日~13日)
この日の朝はテントを叩く雨音で目が覚めた。
予報では雨はもう少し後から降るはずだったのに、この雨は予定外である。
雨雲レーダーを見ると次の雨雲も迫ってきていた
朝食を食べている時間も無さそうなので、雨が止んだスキを狙って撤収することにする。
雨の降り始める前に撤収は済ませられたけれど、サイトが砂地なのでテントは砂だらけになってしまった。
コーヒーのお供は昨日買ったキヌサヤ最中
車の中でカップ麺の朝飯を食べる。
また雨が上がったのでゆっくりとコーヒーを飲んで、午前8時にキャンプ場を出発。
ここに来てからキャンプ場の中しか歩いてなかったので、松原を抜けて海岸まで出てみる。
ここは日南海岸国定公園の一部で白砂青松の美しい風景が見られるはずである。
しかしそこには、荒々しい波が打ち寄せる砂浜と、どんよりとした雲が垂れ込める寒々とした風景が広がっているだけだった。
日南らしい風景ではない
日南海岸らしい、もっと明るい風景を見ようと柏原海岸のルーピン畑を見に行く。
ルーピンは、北海道ではお馴染みの宿根ルピナスの仲間である。
北海道のルピナスの花は青が一般的だけれど、他にも様々な色がある。
こちらのルーピンは、あえて黄色だけに揃えているのか、黄色の花しか無いのかは分からないが、一面が黄色く染まっていた。
青空の下で見れば違う印象だったかも知れない
しかし、曇り空の下で見るルーピンにはあまり派手さは感じられない。
ルーピン畑もやっぱり、青空の下で見た方が良さそうだ。
近くに塚崎の大クスと呼ばれる巨木がある。
巨木ならば、天気に関係なく楽しめそうなので、次はそちらを見に行くことにした。
そこへ向かう途中に見た田植えの終わったばかりの風景も美しく、思わず車を停めてカメラを向けてしまう。
私はルーピン畑よりもこんな何気ない田舎の風景の方が好きだ
大クスの周辺は塚崎古墳群と呼ばれ多くの古墳が集積しており、塚崎の大クスは、その中の1号墳の上に生えている。
周りは木々に囲まれ、その中の道を歩いていくと突然目の前に巨木が現れる。
なかなかドラマチックな出会いである。
森を抜けると忽然と現れる大クス
そのせいもあって、1週間ほど前に蒲生の大クスを見た時よりも感動が大きかった。
蒲生の大クスの幹周は24.2m、こちらの幹周は14mと差はあるけれど、実際に見た感じではそんな違いは感じられなかった。
もっとも、根張が大きくなるクスノキなので、その測る場所がちょっと違えば、幹周も大きく変わってくるのである。
間近から見られるのも良い
そしてこちらの大クスは蒲生の大クスよりもより近くから見られるので、より迫力を感じられるのかもしれない。
大クスからパワーを貰った気がして、そこを後にした。
オオタニワタリも着生し小さなジャングルのようだ
次に向かうのも、これまたクスの巨木である「志布志の大クス」。
こちらの幹周は18.6mで塚崎の大クスよりも大きいことになる。
塚崎の大クスより太いような気はしない
しかし、山宮神社境内にあるこの大クスは神社の鳥居や山門が近くにあるので、見た目の雰囲気はあまり良くない。
こうして巨木巡りを終え、これで鹿児島県の観光は最後となった。
神社の施設に囲まれ印象は良くない
私達の旅は、いよいよ宮崎県へと入っていく。
今回の旅では、トレッキングで歩いたえびの高原は宮崎県内であり、3年前に訪れた高千穂峡も宮崎県。
でも、宮崎市や日南海岸などを見ていなかったので、私にとっては宮崎県は初めて訪れる土地のようなイメージなのである。
その宮崎県で、都井岬の御崎馬を見に行くかどうかで暫し悩んだけれど、私のイメージは青空を背景にして緑の草原で草を食む馬の姿。
そんな風景ならば北海道でも見られるし、今日の天気ではルーピン畑と同じようにあまり楽しめる風景ではなさそうな気がして、岬を回らずに串間市から日南への内陸ルートで走ることにした。
最初に行ったのは道の駅「なんごう」。
南国ムードにあふれる道の駅を想像していたけれど、意外に小さな道の駅だった。
そして戸惑ったのは、ここの道の駅で売りにしているのが世界三大花木の一つ「ジャカランダ」らしいこと。
「それって何?」って感じである。
これがジャカランダの花
レストランが併設されていたので、ここで昼食を食べることにしたが、特に珍しいものもなくちょっとがっかり。
展望テラスからの眺めも、この曇り空では見栄えがしない。
明るい日南海岸のイメージはない
次に向かったのは飫肥城下町観光。
宮崎県の観光地を調べていて、九州の小京都とも呼ばれる城下町があることを初めて知ったのである。
宮崎に城下町があるイメージは全く無かったけれど、伝統的建造物群保存地区として九州では一番最初に国の選定を受けたらしい。
飫肥城観光駐車場に車を停め、観光案内所で地図を貰って、城下町を歩く。
有料で公開されている施設が結構あるけれど、時間もないので街歩きだけを楽しむことにした。
気持ちよく歩ける城下町だ
道の横には水路があり、鯉も泳いでいる。
その通りに並ぶ武家屋敷。
鹿児島で見てきた武家屋敷の街並みよりも、こちらの方が美しく感じる。
無人のまま無料で開放されている施設も幾つかあるのが嬉しい。
散歩中のおじさんが、親切に街の歴史を解説してくれた。
事前に予約しておけばボランティアの方の説明を聞きながら街歩きができるようだ。
このおじさんも、多分そんなボランティアの一人なのかもしれない。
ここも出来れば時間をかけて歩きたい街である。
無料で公開されている武家屋敷
次に向かったのは鵜戸神宮。
鳥居をくぐって境内に入り、神門、楼門を抜けて歩いていくと、荒波が打ち寄せる岩場へと降りていく急な階段があった。
鵜戸神宮本殿はこの先にある
階段を降りた先の洞窟の中に、この神社の御本殿があるのだ。
小さな洞窟かと思っていたら、その中はとても広く、複数の社にお土産を売る建物まであった。
思っていた以上に洞窟の中は広い
そして興味を引くのが、洞窟を形作っている風変わりな岩である。
外の海岸の岩も同じような種類の岩石だ。
解説板をによると、厚い砂岩の層が石灰成分によって固められたもので球体コンクリーションと呼ばれるものなのだとか。
NHKのブラタモリでも放送されていたようだ。
こんな岩は初めて見た
この神社の歴史は古く、昔の参拝路だった八丁坂の石段は、そこを歩いた多数の参拝者により中央が凹んでいるほどだ。
人が歩くだけで石が凹むなんて信じられない
鵜戸神宮の近くの海岸には鬼の洗濯板とも呼ばれる景観が広がっていた。
この景観は近くの海岸でも見られる。
こんな変わった岩の風景を見る度に、どうやってそれが形成されたのか興味が湧いてくるのだ。
見事な洗濯板だ
宮崎の街に近づくと美しいフェニックスの並木が続く。
私が宮崎と聞いて最初に思い浮かぶのがこの風景である。
これもやっぱり、背景が青空だったらもっと美しかったのにと思えてしまう。
宮崎と聞くとフェニックス並木のイメージが最初に湧いてくる
そうして午後4時に今日の宿であるホテルエリアワン宮崎に午後4時にチェックイン。
ビュッフェスタイルの朝食付きで一人2600円程度で泊まれるのだから、高いお金を払ってオートキャンプ場に泊まるのが馬鹿らしくなってくる。
夕食は宮崎の街に出てみたが、全く下調べをしていなかったので、店探しに一苦労。
それでも、やっと見つけた店で美味しいものを食べることができて、満足してホテルへと戻った。