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九州の旅(佐多岬)

神川キャンプ場(4月10日~11日)

かいもん山麓ふれあい公園キャンプ場のチェックアウト時間は午前9時。
電源ボックスの鍵を返し、仮払いしていた鍵の保証料を返してもらわなければならないので、それ以上早い時間には出られないのだ。

この日は山川港午前10時発のフェリーで大隅半島に渡るので、その時間には間に合うけれど、警備員さんの話では最近は本数を減らして運行しているので混むこともあり、早めに行って並んでいた方が良いと言われていた。
すると、警備員さんが気を利かせて早く出勤してきた職員に話しをしてくれたので、8時半にチェックアウトすることができた。
その優しい警備員さんに挨拶をして、キャンプ場を出発。

フェリーなんきゅう
小さなフェリーである


フェリーの方は警備員さんが心配していたように混むことはなく、フェリー乗り場で並んだのは私達が一番早かった。
フェリーが出向する時間まで、港で釣りをしている人の様子を見たり、近くの道の駅を覗いたりして時間をつぶす。
山川港は歴史のある港で、西郷隆盛が島流しになった時も、この港から船が出たらしい。

山川港
山川港にお別れ


山川港から大隅半島の根占港までは50分。
料金は、車と私達二人で4200円。
錦江湾を車でぐるりと一周することを考えると、フェリーに乗った方が全然楽なのである。
船の上から開聞岳にお別れを告げたけれど、大隅半島に渡っても開聞岳は常に見えていた。

フェリーなんきゅう
今回もポールポジションをゲットして根占港へ


今日は土曜日。
泊まるのは錦江町の神川キャンプ場。
7、8月以外は無料で泊まれるキャンプ場である。
昨日、念の為に管理している役場に電話を入れたところ、「自由に泊まれますが、土曜日で天気も良いので問い合わせが多くなっていて、混むかもしれません」と言われていた。

そこで、根占港に着いたらまず最初にキャンプ場に行ってテントを張ることにした。
国道と砂浜の間に作られたキャンプ場で、道路に沿って細長く伸びていて、既に結構な数のテントが張られていた。
駐車場はキャンプ場側に一箇所と、道路の反対側に一箇所。
反対側の駐車場からは道路の下を通って、トイレや炊事場、野外炉等があるキャンプ場の中心部に出られるので便利そうである。

神川キャンプ場
とりあえずサイトは確保できた


私達はそれを知らずに、キャンプ場側の駐車場に車を停めた。
そして、迷うこと無く駐車場から一番近い場所にテントを設営。
その場所ならばキャンプ場の1番端になるので、場内が大混雑になっても喧騒からは逃れられそうだ。
とりあえず寝る場所だけは確保できたので、大隅半島の最南端佐多岬へ向かうことにした。

既に昼の12時を過ぎていたので、コンビニ弁当を買って海の眺めが良い城ヶ崎展望所でそれを食べる。

城ヶ崎展望所
城ヶ崎展望所で昼食、神川キャンプ場はこの直ぐ先


佐多岬へ向かう途中、ゴールドビーチ大浜海水浴場があった。
黄金色の砂浜なのでそう呼ばれているらしいが、きめの荒いその砂は屋久島の永田いなか浜と似ている。
その砂浜のおかげで海の青さが余計に際立って見える。
そしてその海の向こうに見えているのは開聞岳。
開聞岳は何処から見ても絵になる山である。


大隅半島に渡っても開聞岳はその存在感を保っていた



佐多岬が近づいてくると、その辺りの山道は木々の枝が覆いかぶさり、ガジュマルからは気根が沢山垂れ下がり、まるでジャングルの様相である。
そうしてたどり着いた佐多岬で最初に出迎えてくれたのがガジュマルの巨木である。
何でこんな場所にこんな巨木がと驚いたが、気根が周りを覆って巨木に見えるが幹自体はそれほど太くはなく、人為的に植えられたものらしい。

佐多岬のガジュマル
最初はその太さにビックリしたけれど幹が太いわけじゃない


駐車場から岬の展望台までは、距離にして800m、歩いて15~20分程度である。
日本最北端の宗谷岬や最東端の納沙布岬は駐車場からそんなに歩くことはなく、ここも同じ様な様子だろうと勝手に想像していたので、少し予定が狂った。
さっと写真だけ撮って帰り、時間が余れば他の観光地にも寄っていくつもりでいたのである。

佐多岬
道は整備されているけれど、展望台がはるか遠くに見える


歩きながら、佐多岬を何と表現すれば良いのだろうと考えていた。
日本最南端ではないし、九州最南端でも鹿児島最南端でもない。
遥々と日本の端までやって来たつもりだが、実際は大隅半島の南の先端でしか無い。
まあ、本土という言葉を使えるのであれば、日本本土最南端ということになり、一般的にはそのように表現されている。

佐多岬
佐多岬から見える開聞岳


そうして辿り着いた本土最南端の展望台は、身体が吹き飛ばされそうになるくらいの強風が吹いていて、記念写真を撮って早々に引き上げた。

佐多岬
強風の吹き荒れる佐多岬の展望台


帰り道、国道沿いに連なる岩峰群を見ていると、これってカルデラの外輪山なのかなと思えてくる。
後で調べてみると、錦江湾は幾つかのカルデラが重なっていて、この辺りは阿多南部カルデラの一部で間違い無さそうだ。
九州の地形は、興味を惹かれる場所が沢山ある。


如何にもカルデラの外輪山らしい地形だ


帰る途中、ねじめ温泉ネッピー館で風呂に入る。
駐車場で車から降りると、私達の札幌ナンバーを見たおじさんが「北海道から来たんだね」と感激しながら話しかけてくれた。
この辺りでは札幌ナンバーの車は、かなり珍しいようだ。



キャンプ場がどんな様子になっているか、ビクビクしながら戻ってきたけれど、それほどの大混雑でもなくてホッとする。
駐車場にも1台分のスペースが空いていて、何とか車を停めることができた。

神川キャンプ場
キャンプ場の中心部でもこの程度の混み具合


私達の隣にはカップルキャンパーの小さなテントが新たに張られているだけだった。
その後はライダーのソロテントが2張増えただけで、これならば全く問題ない。
メインのテントの他に駐車場側にかみさんのソロテントを、周りにテントを張られない程度のスペースを空けて張っておいたのが正解だったようだ。

神川キャンプ場
我が家のサイト付近は黄色いテントがソロライダー、右端が若いカップルのテント


キャンプ場からは開聞岳と桜島の両方を眺められるのだが、桜島の方は霞んでいてかろうじてその姿を確認できるくらいだった。
キャンプ場に巡回に来た二人連れのお巡りさんが、我が家のテントをみて「何というテントですか」と職務質問をしてきた。
キャンプ好きのお巡りさんのようだ。
その後の会話の中で、私達が札幌から来てキャンプしながら九州を回っている話をすると、ここでもまた喜んでもらえた

神川キャンプ場の影絵アート
キャンプ場前のビーチには影絵アートが並ぶ


天気予報をでは明後日の月曜日が雨降りで、翌日火曜日も午前中まで雨が残るようだ。
そこで両日とも宿に泊まることにして、楽天トラベルから予約を入れる。
安い宿も見つかって、スマホがあると本当に助けられる。

神川キャンプ場の影絵アート
熱々のカップルに挟まれて


キャンプ場前の砂浜には影絵アートが並べられている。
夕日のきれいな海岸なので、夕暮れには夕日を背景にした影絵を楽しめるのである。

神川キャンプ場の影絵アート
ドアを開けると


これがなかなか面白かった
この日は期待通りの美しい夕日となり、影絵アートが余計に美しく見える。
それと並んでかみさんにポーズをとってもらうのだ。

神川キャンプ場の影絵アート
ヨガ対決!


夜が更けると、対岸には指宿の街の明かりが眩しく、上空には今日もオリオン座が輝いていた。
これで静かな夜ならば最高である。
しかし、テントの直ぐ後ろは交通量の多い国道。
そこを走る車の通行音が煩いのが、このキャンプ場の最大の欠点と言えるだろう。。

神川キャンプ場
これで静かに焚き火でも出来れば最高のキャンプ場なのだけれど


夜になっても車は多く、特に大型トラックの走行音はぐっすり眠っていても飛び起きるくらいの大音量である。
それでも、車の音は煩かったけれど、何とか寝ることはできて朝を迎えた。


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