北海道キャンプ場見聞録
九州の旅(南九州・指宿)
かいもん山麓ふれあい公園キャンプ場(4月9日~10日)
観光に出かける前にキャンプ場の洗濯機で洗濯を済ませる。
乾燥機にかけなくても、天気が良いので干しておけば十分に乾くのである。
そうして午前8時半過ぎに今日の観光へと出かける。
最初に向かったのは番所鼻自然公園。
途中で開聞岳が美しく見える場所があったので、そこで車を停めて写真を撮るが、何となく見覚えのある風景である。
暫くしてから、昨日キャンプ場に向かう時に写真を撮ったのと同じ場所であることに、ようやく気がついた。
走っている方向が逆になると、意外と分からないものである。
と思ったが、かみさんは最初から気がついていて「また同じ場所で写真撮るんだ」と思って見ていたらしい。
後で分かったのだけれど、ここは瀬平公園という開聞岳のビュースポットだったようだ
番所鼻自然公園は日本地図作成のために立ち寄った伊能忠敬が「天下の絶景なり」と賞賛した景勝地。
と聞いて、その風景を見るのを楽しみにしていた。
そこで最初に目に付いたのは「番所の鐘」。
鳴らす回数によって色々な祈願ができて、撮影スポットの前にはハート型のモニュメントまで置かれている。
最近の観光地はハートさえ作っておけば客が集まると思っているらしいが、あまりにも安易すぎる。
それでも、撮影用のスマホ置き場まで用意されていたので、しょうがなく二人で記念撮影をする。
不本意ながら写真を撮ってしまう
いや、こんな写真を撮るためにここに来たのではない。
「伊能忠敬先生絶賛の地」と刻まれた石碑を見つけた。
その横に「内閣総理大臣鳩山一郎書」とも刻まれていたが、それは気にしないことにする。
石碑の先には、逆光のためにシルエットとなった美しい開聞岳が洋上に浮かんで見えていた。
これならば伊能忠敬先生も絶賛するのも無理はないだろう。
空が曇っているのが残念だ
その横には、岩礁で丸く囲まれた海の池(別名ドラゴンホール)もある。
満潮時には海面下に沈んで見えなくなるらしいので、良いタイミングで来られたようだ。
せっかくだからグルリと一周してみたかった
遊歩道を少し歩くと垣瀬浜と名の付いた浜に出てきた。
そこにはサンゴのかけらや美しい貝が沢山打ち上げられていて、ここで暫し家に持って帰るお土産探しをする。
石とか、貝とか、サンゴとか、我が家の棚は旅先で拾ったもので埋まっているのである。
こんなところでサンゴが拾えるとは思っていなかった
次の釜蓋神社は、人気のパワースポットとして紹介されていたので立ち寄ったのだが、ここは完全に外れの施設だった。
釜の蓋を頭に載せて祈願するユニークな「釜蓋願掛け」や素焼きの釜蓋を投げる「釜蓋投げ」など、観光客は喜びそうだけれど、ただの客寄せの手法にしか思えない。
岬のような場所にある釜蓋神社、釜蓋投げの的はとても小さい
私は釜蓋投げにチャレンジしたけれど、的とする釜がかなり遠い場所に置かれていて、投げる釜蓋は小さくて軽いので、上手く釜の中に投げ入れるのは至難の業。
最初から外れることは分かっていたので、何も願わずに投げたのである。
何処からでも開聞岳が見える
せっかくだから御朱印ももらったけれど、これが印刷された御朱印を渡されただけで、日付さえも書かれていない。
がっかりして神社を後にした。
次に向かうのは知覧の茶畑。
こちらに来てから、知覧が有名なお茶の産地であることを知ったばかり。
高塚丘付近に撮影スポットがあるらしいのだが、それが何処なのか分からない。
農家の人達が作業している細い道に入り込むのも迷惑をかけそうなので、適当な場所から開聞岳と茶畑の風景を撮影して、それで満足することにした。
多分、もっと眺めの良い場所が有ったはずだけど・・・
その後は、池田湖にある池田湖パラダイスとかを見てから指宿へと向かう。
車で登れて展望も楽しめる大野岳にも行きたかったが、そこまでの時間の余裕はなくて諦める。
池田湖パラダイスは、湖畔に咲く花とそこから眺める開聞岳の姿が素晴らしいと聞いていた。
しかし、花は確かに綺麗だったけれど、開聞岳は山の上半分が見えているだけで、期待外れ。
施設は臨時休業中で、何となく一昔前の寂れた観光地といった雰囲気である。
湖畔の花壇は綺麗だったけれど・・・
昼食は指宿の新ご当地グルメ「勝武士ラーメン」を食べることにして「元祖指宿ラーメン二代目」に入った。
かつお節は自分で削ることができるのだが、コロナの関係で最初からラーメンに乗せられて出てきたのがちょっと残念。
それでも、期待通りの美味しいラーメンだった。
自分でかつお節を削ってもっと沢山かけたかった
店を出て、当てもなく指宿市内を車を走らせ、街外れの指宿エコキャンプ場までやってきた。
そこで、知林ヶ島の看板を見つける。
知林ヶ島は鹿児島湾に浮かぶ無人島で、干潮時には長さ約800mの砂の道が現れて、島まで歩いて渡れるようになるらしい。
様子を見に行くと、その砂の道が出現していた。
時間もなくて、途中まで歩いた所で引き返したけれど、この砂の道は毎日見られるものではなく、日中に見られる日でもその時間は2~5時間程度。
私達は、かなりラッキーなタイミングで来たようだ。
その存在を全く知らないままに訪れた知林ヶ島
そして今日の最後の目的地である砂むし会館「砂楽」へとやって来た。
2年前の山陰・九州の旅では別府で砂湯へ入ろうとしたけれど、定休日で入れずじまい。
ここでようやく人生初の砂湯体験ができる。
砂に埋もれて顔だけ出している定番の写真を写したかったけれど、残念ながら砂湯内へはカメラ持ち込み禁止で撮影できず。
初めての砂湯は、思っていた以上に圧迫感があり、目安の入浴時間である10分が長く感じたのである。
砂蒸し写真は撮れなかったので、砂蒸し後に飲んだサイダーの写真でも
かみさんは道の駅「山川港 活お海道」を楽しみにしていたけれど、大したものは無くてがっかり。
その後キャンプ場に向かって車を走らせていると、素晴らしい風景が目の前に現れた。
街路樹に植えられているフェニックスが横一列に並び、その先に開聞岳が大きく聳えている。
今日見てきた開聞岳の中では、これが一番の絶景だった。
開聞岳は何処から見ても同じ形だ
これで今日の観光は終わりかと思ったが、そうではなかった。
日本最南端の駅「西大山駅」が、帰り道の途中にあったのである。
最後に、日本最南端の駅の看板と開聞岳を一枚の写真に収める。
これは完全に予定外の出会いで、良い思い出になった。
鉄ちゃんでなくても立ち寄りたい場所だ
駅の直ぐ前にあった小さな直売所「かいもん市場久太郎」も、その前に寄った道の駅よりも面白いものが並んでいた。
1キロ500円の安納芋の安さに驚いて購入してしまい、旅の間中ずーっとエクストレイルの荷室に積まれたまま札幌まで持ち帰ることとなったのである。
大好きな安納芋が安!
午後4時にキャンプ場まで戻ってくると、キャンパーは私達の他は1組だけに減っていた。
昨日は結構賑わっていたのに、1日違うだけでこんなに変わるとは驚きである。
でも、キャンパーが少ない方が落ち着いて過ごせるので、この状況は大歓迎である。
1日違うだけでがら空きの場内
見回りに来た警備員の方が、札幌ナンバーの私達の車を見て話しかけてきてくれた。
九州で札幌ナンバーの車に乗っていると、歓迎されることが多くて嬉しくなる。
このキャンプ場はサイト周辺に照明がないので、星空も美しい。
二日間をここで過ごして、すっかりファンになってしまった。
今回の旅でここで見た星空が一番綺麗だった
翌朝はまだ暗いうちに昨日の警備員さんがやって来た。
昨日、かみさんがあちこちで見かける黄色の花の話をした時、警備員さんはその花の名前を思い出せずにいた。
わざわざその花の名前を教えてくれに来てくれたのだ。
葉が出る前に花を咲かせる「イペー」
花の名前は「イペー」。
ブラジル原産の木で、鹿児島県内では庭木や街路樹として多く植えられている。
私はあまり好きな木ではなかったけれど、警備員さんの優しさがとても嬉しかった。