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九州の旅(甑島)

瀬尾観音三滝公園キャンプ場(4月7日~8日)

朝、テントから出ると三日月がまだ上空で輝いていた。
この日は甑島行きのフェリーに間に合えば良いので、時間の余裕も有る。
朝風呂に入って、結露で濡れたテントも完全に乾かして、午前9時過ぎに北薩広域公園オートキャンプ場を出発。


朝焼けの空に浮かぶ三日月


途中、薩摩川内市の100円ショップで保冷バッグを購入。
今回はバックパッカー装備なので、キャンプで冷えたビールを飲むためには保冷バッグは欠かせないのだ。
フェリーの出航時間は午前11時20分だけれど、余裕を持って10時半に串木野港に到着。
私たちの乗るフェリー「ニューこしき」は意外と大きな船だった。
さすがに、天草へ渡るフェリーとは大きさも違うようだ。

フェリーニューこしき
大きなフェリーに乗って甑島へ


上甑島の里港までの所要時間は1時間15分。
定刻どおりに里港に付くと、予約してあったレンタカー会社の人が待っていてくれた。

甑島の海
甑島近くに浮かぶ島々


車を借りて、まずは昼食。
船の中で弁当を食べても良かったけれど、どうせならば島で何かを食べた方が楽しい。

入ったのは里港の直ぐ近くにある「甑の東風 現在地」という風変わりな名前の店。
鯛しおラーメンを食べたけれど、あっさりとした味のスープはなかなか美味しかった。

甑の東風 現在地
港を眺めながら腹ごしらえ


そこから島内ドライブ。
軽自動車を24時間で借りたのだけれど、明日の帰りのフェリーは午前9時30分出航なので、観光して回れるのは実質的に今日だけ。
しかも、キャンプ場での待ち合わせ時間は午後4時半なので、時間的な余裕はあまりないのである。

甑島は上甑、中甑、下甑の3つに別れている。
まずは上甑島で一番の観光名所である長目の浜に向かう。
長目の浜は、幅50メートル、長さ約4キロにわたって続く砂州で、なまこ池、貝池を海と仕切っている。

長目の浜展望所
手前の池は鍬崎池


最初に立ち寄った長目の浜展望所からは、長目の浜の延長で鍬崎池を海と仕切っている浜の方が大きく見えていた。

そこからさらに、長目の浜へ直接降りられる場所へ車で向かう。
なまこ池と貝池の間には僅かな陸地があり、そこを歩いて浜に出られるのだ。

なまこ池と貝池
左右の池がなまこ池と貝池


長目の浜は、水も澄んで美しい海岸だった。
その風景を見ている限りでは、そこが細い砂州の一部だとは思えない。
そこでのんびりと海を眺めていたかったが、私達にそんな余裕はないのである。

長目の浜
長目の浜の海岸に出ても、そこが砂州だとは分からない


県道に戻って更に先に進むと、長目の浜を反対側から見られる田之尻展望所がある。
長目の浜はここから見たほうが、その砂州の形状が良く分かる。

長目の浜
見事な砂州だ



次は中甑島に向かう。
甑大明神橋と鹿の子大橋を渡ると中甑島である。

甑大明神橋
この橋が甑大明神橋


甑大明神橋を渡っている途中で、凄い風景が目に飛び込んできた。
海に削られた柱状節理の岩の上に鳥居が立っているのである。
しかし、橋の上なので車を停めるわけにもいかず、橋を通り過ぎたところの駐車スペースに車を停め、そこから海岸に降りて遠くからその風景を眺めるしかなかった。
橋を渡る手前に小さな駐車スペースがあり、そこから歩くともっと近くから眺められたようだ。

甑大明神
鳥居の後ろの岩が御神体「甑大明神」となっているようだ


その先の鹿の子大橋周辺の岩場の風景もなかなかの迫力である。
甑島がどうやって今の形になったのか、調べてみたい気がした。

鹿の子大橋
鹿の子大橋


中甑島は他に特に見るべきものも無く、小さな島なので直ぐに通り過ぎた。
中甑島と下甑島を繋ぐのが甑大橋。
この橋は去年完成したばかりなので、島に来るタイミングとしては丁度良かったのである。
こちらの方は橋の途中に駐車スペースがあるので、その橋の姿をじっくりと眺めることができた。

甑大橋
甑大橋


橋を渡った先にも鳥ノ巣山展望所があったので、そこにも立ち寄ってみる。
展望所までは細い山道で大変だったけれど、対向車も来ないで無事に到着。
ここからの景色はまさに絶景。
山口県の角島大橋の風景を思い出した。

鳥ノ巣山展望所
鳥ノ巣山展望所から眺める甑大橋


長浜の集落にあった小さなスーパーで冷えたビールと食材を購入。
氷も買ったので、100円ショップの保冷バックでも、夜まではビールを冷やしておいてくれるだろう。

時間にまだ余裕があったので、キャンプ場のある瀬尾観音三滝公園を通り過ぎ、下甑島南端の手打海岸まで行ってみる。
そこには白砂の美しい砂浜が広がっていた。

手打海岸
砂浜が美しい手打海岸


これで一応甑島を縦断したことになる。
島内には他にも見る場所が沢山あったけれど、少ない時間の中では最低限の観光は楽しめただろう。



そうして午後4時15分に瀬尾観音三滝公園キャンプ場到着。
担当の方は約束の4時半丁度にやってきた。
キャンプ料金は1人200円。
料金徴収の手間を考えれば、シーズンオフは無料で開放したほうが良いような気がする。

私達が北海道から来たことを知り、私達の今回の旅の話を聞き、その男性は無茶苦茶に羨ましがっていた。
キャンプ好き、旅好きの人には、私達のような旅は憧れの世界なのだろう。

瀬尾観音三滝公園
これが瀬尾観音三滝公園キャンプ場のほぼ全景


ここのキャンプ場はバンガローがメインである。
テントは何処に張っても良いと言われたけれど、張れそうな場所は殆どない。

平らなのは舗装された場所くらいしか無いけれど、さすがにそこにテントを張るのも味気ないので、少し傾斜があるのは我慢して遊具の間にテントを設営。
屋久島を縦走する時のキャンプのことを考えれば、こんな場所でも私達にとっては天国みたいなキャンプ場である。

瀬尾観音三滝公園
テントを張れそうなのはこの辺りだけ


テントを設営し終わり、早速ビールを開ける。
冷たいビールが喉にしみる。
つまみは、こしき海洋深層水塩仕込みのさつま揚げである
キャンプ場の奥には瀬尾観音三滝があるのだが、お楽しみは明日の朝にとっておくことにした。

瀬尾観音三滝公園
その土地で買ったものをつまみにするのは楽しい


炊事場には野外炉もあるので、そこで焚き火を楽しむことにする。
何せ、泊まっているのは私達だけ。
場内の施設は自由に使うことができるのだ。

瀬尾観音三滝公園
炊事場を独占使用できるのは嬉しい


今回の旅では、ご飯は全て今流行りのメスティンで炊いていた。
固形燃料に火を付けて、その上にメスティンを乗せておけば、勝手に米が炊きあがっているのだから本当に便利である。
おかげで、持ち物の限られる島キャンプでも普通にご飯を炊いて食べることができた。

炊事場を占領して食事をし、食後はそのままそこで焚き火を始める。
直ぐ横から聞こえてくる川の水音が心地よい。
頭上には満天の星空。
最高の夜が更けていく。

瀬尾観音三滝公園
焚き火も炊事場で


翌朝、テントの撤収を済ませてから滝を見に行く。
サイトからは滝までは徒歩2分だ。
岩肌を伝うように流れ落ちる滝は、想像以上に見応えがあった。

瀬尾観音三滝
瀬尾観音三滝の三の滝


正直なところ、「小さな島の観光地にしている様な滝だから大したものではないだろう」と考えていたのだ。
滝の横では大きなアコウの木が気根を垂らし、ここが南国の島であることを教えてくれる。

三滝の名前の通り、滝は三段に分かれていて、これが三の滝である。
横の階段を登っていくと、その先に二の滝と一の滝をまとめて見られる場所があった。
上の方にある一の滝は、下から見上げるとその大きさが良く分からないが、近くで見ることができればかなりの迫力だろう。

瀬尾観音三滝
瀬尾観音三滝の一の滝と二の滝


滝観光を楽しみ、午前7時半にキャンプ場を出発。
フェリーの出る里港までは一気に走れば1時間程度。
フェリーの出港は9時半、レンタカーを返す時間もあるので、寄り道している時間は殆どない。

途中の長浜港では、私達がこの後に乗るフェリーニューこしきが停泊していた。
このフェリーはもう一箇所の港に寄ってから里港までやって来るのである。

甑島武家屋敷跡
里港の近くにも武家屋敷跡があった


今日は曇り空なので海の風景も今一だった。
夏になれば島内の幾つかのキャンプ場もオープンするので、そんな時にもっと時間をかけて島内を巡ってみたいものだ。
そんなことを考えながら甑島を後にした。

甑島里港
甑島にお別れ


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