北海道キャンプ場見聞録
九州の旅(入来・鹿児島市)
鹿児島市内ホテル泊(4月2日~3日)
午前9時に北薩広域公園オートキャンプ場を出て、最初に向かったのが薩摩川内市の入来麓武家屋敷群。
鹿児島県内では、ここと昨日の出水麓武家屋敷群、そして知覧武家屋敷群を合わせて3大武家屋敷群と呼ばれている。
ここの武家屋敷のことはあまり情報がなかったので、観光案内所で見所を教えてもらう。
入来麓武家屋敷群は、現存する武家屋敷は少ないものの、街路や地割が昔のままの姿を留めているようだ。
武家屋敷群を山の方へ歩いていくと
私は、武家屋敷群よりも薩摩藩随一の山城である清色城の方に興味をそそられた。
自然の地形を利用して作られた清色城の入り口ともなる堀切(切通し)が凄いのである。
これでは外敵も攻めようが無いだろうと思える、狭くて深い堀切だ。
清色城跡の入口
本丸跡などへ続く道も、まるで急な登山道である。
NHKの山城関係の番組にもここが登場したらしい。
清色城跡の堀切
そんな山城を楽しんだ後、武家屋敷群の中を歩く。
丸石を積んだ石垣が多いけれど、切石を積んだ石垣の武家屋敷よりも身分の低い武士が住んでいたらしい。
武家屋敷群は丸石を積んだ石垣が目立つ
公開されている旧増田家住宅は明治初期に建てられたものだけれど、ここでも色々な説明を聞くことができた。
この辺りの家の特徴は分棟型形式で、屋根をずらして建てられていると教えられ、改めて周辺の住宅を眺めてみると、新しい家でもその様式で建てられていて面白かった。
藁葺き屋根の家は旧増田家住宅
今日は鹿児島市内のホテル泊なので、入来観光を終えた後はそのまま市内へと入る。
そして昼食は鹿児島ラーメン。
色々と調べて見つけた店は、入るのを躊躇いそうになる外観だった。
鹿児島ラーメンも豚骨スープが特徴だけれど、狭い店内で体を小さくして食べたラーメンは意外とあっさりしていて好きな味だった。
入りづらい雰囲気だったけれど、味は間違いなかった
腹を満たして最初に向かったのは仙巌園。
薩摩の殿様島津家の別邸、日本を代表する大名庭園である。
鹿児島を代表する観光名所だけれど、コロナ禍の今はさすがに観光客も少なめである。
おかげで園内をゆっくりと楽しむことができた。
獅子乗大石灯篭、最初は上に乗っているが獅子には見えなかった
私が鹿児島に来て一番楽しみにしていたのは桜島の姿を眺めることだった。
仙巌園からもその桜島を眺められるのだが、残念ながら今日は山頂部分が雲に隠れたままで、最後までその姿を見ることはできずに終わってしまった。
鹿児島で一番楽しみにしていた桜島は雲の中
それでも園内には、巨大な石灯籠や美しい竹林、水力発電所のダム跡など、見所が沢山。
そして庭園としても美しく、期待以上に楽しめる場所だった。
庭園としても見ごたえがあった
庭園内には迎賓館としても使われていた御殿があるが、別途入場料もかかり、それ程興味も無かったのでパスする。
去年の京都二条城で入った二の丸御殿が面白くなかったので、御殿と聞くとそのイメージが蘇ってくるのだ。
最後に、現在は博物館となっている重要文化財の旧集成館機械工場を見学して仙巌園を後にする。
世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の一つにも登録されている旧集成館機械工場
相変わらず天気がパッとしないので、水族館を見に行くことにした。
我が家の旅は名所旧跡めぐりが中心なので、水族館などに行くのはかなりイレギュラーである。
屋久島行きを止めたおかげで余裕ができて、たまにはこんな観光も面白い。
いおワールドかごしま水族館は、春休み中ということもあり子供たちで賑わっていた。
この水族館での一番の見所は、ジンベエザメやカツオやマグロが回遊する大水槽である。
四国遍路の時に足摺岬に行く途中に見た、大阪海遊館の研究センターで飼育されていたジンベエザメよりは小さかったけれど、ゆったりと泳ぐその姿に見入ってしまう。
迫力のある大水槽
クラゲの水槽もあったけれど、2年前の東北の旅で山形県鶴岡市の加茂水族館を見ていたので、どうしてもそれと比べてしまう。
クラゲを見るのならばやっぱり加茂水族館に限るのだ。
クラゲ水槽
子供たちと一緒になって水族館を楽しみ、今日のホテルにチェックイン。
ホテルリブマックスBUDGET鹿児島の部屋は広く、大きな窓からは桜島が目の前に見える。
残念ながら、雨が降っているのか、桜島の姿は霞んで殆ど見えなくなっていた。
この時は、まだそれが、噴火した桜島が降らせている灰だとは知らずにいたのである。
ホテルの窓から見える桜島、見えてないけど・・・
一休みしてから、鹿児島市内を歩いてみることにした。
ホテルからは鶴丸城跡や西郷隆盛の銅像などの観光スポットが徒歩圏内である。
歩道を鎧武者が歩いていた(観光ガイドらしい)
街路はツツジの花に彩られ、旧鹿児島県庁舎のある県政記念公園ではサクラの花がまだ散り残っていた。
鹿児島市内でまだ桜の花が見られるとは思っていなかった
鶴丸城の石垣には西南戦争の時についた弾痕の跡がそこらじゅうに残っていた。
その弾痕の中には金属片まで残っている。
西南戦争の弾痕跡が残っているのには驚いた
最後に西郷隆盛の像と一緒に記念撮影してからホテルへと戻る。
ホテルの真向かいにはスーパーがあり、今日の夕食はそこで買った生寿司だ。
桜島との間を頻繁に往復するフェリーを眺めながら、ビールを開けた。