北海道キャンプ場見聞録
九州の旅(出水)
北薩広域公園オートキャンプ場(4月1日~2日)
キャンプ場を出て、最後に道の駅人吉の様子を見に行く。
まだ開館時間前だったけれど、焼酎館の雛飾りの展示と展望所には入ることができた。
高さ25mの展望所は登るのが大変だけれど、苦労して登っても特別な風景は見られず、クラフトパークの全体を見渡せる程度だ。
展望所から眺めるクラフトパーク、キャンプ場はここからは少し離れている
ここの道の駅は、人吉クラフトパーク石野公園と一体になっていて、体験型のテーマパークがコンセプトらしく、木工や陶芸など色々な体験ができるようだ。
しかし、道の駅としては、駐車場から階段を上ってのアクセスも大変で、クラフトパークの体験メニューにどれだけの集客力があるのかも疑問で、この後上手くやっていけるのか、少々心配になりながら午前9時に人吉道の駅を後にした。
華やかな雛飾りは見ていて楽しくなる
人吉市郊外を走っていると、岩屋熊野座神社の案内標識を発見。
旅に出る前、各地の観光地を調べている時にここの名前も見た様な気がして、ちょっと寄り道してみる。
拝殿を正面から見ただけで帰ったのは失敗だった
味のある茅葺屋根で神社らしくない拝殿の写真だけ撮ってそこを後にしたが、その裏の覆屋の中には江戸中期に建造された本殿などが納まっていたり、更に奥には大蛇が棲むといわれる洞窟があったりするのを知ったのは、札幌に戻ってきてからの話しである。
神社に向かう途中にあった石造の両部鳥居も国の重要文化財に指定されていて、せっかく訪れたのに肝心なものの写真を撮り忘れ、悔いを残すこととなった。
こんな桜の写真を撮るのに一生懸命だったのだ
この日に向かうのは出水市の武家屋敷群。
途中の伊佐市までは昨日も走った道で、出水市は三日前に通り過ぎた町である。
相変わらず無駄な動きをしていた。
しかし、伊佐市へ向かっている途中に昨日は気が付かなかったスポットを発見。
石積みのアーチ橋で、その真ん中からは川に向かって水が流れ落ち、まるで熊本の有名な観光名所である通潤橋そっくり。
勝手にミニ通潤橋と名前を付けることにした。
どう見てもミニ通潤橋である
橋の横の石標には昭和十年に地元の人達により建造された旨が刻まれ、その橋の名前は「高橋」。
余計に親しみを感じてしまった。
ミニ通潤橋の上から見た様子
伊佐市では、昨日は時間が無くて立ち寄れなかった高熊山に行こうとしたが、入り口が分からないままに通り過ぎてしまい、結局諦めることになる。
どうも高熊山には縁が無かったようだ。
出水麓武家屋敷群では2軒の武家屋敷が公開されている。
どちらも、中に入るとボランティアの方が出水の歴史や武家屋敷のことを説明してくれる。
このような施設を見学する時は、案内の方が居るのならば絶対にその話を聞いた方が面白い。
ただ見学するだけでは何も感じられないけれど、説明を聞くと建物ばかりではなくその土地に対する理解も深まるのである。
武家屋敷内部、敷居が高くてご主人さまの部屋には入れない
この後、鹿児島県内の武家屋敷群を何箇所か見ることとなるが、ここで聞いた説明のおかげで薩摩藩の当時の政策を知ることができ、より興味深く見て回ることができたのである。
観光牛車に乗って武家屋敷の街並みを楽しむこともできる
出水麓歴史館での展示の中で、大正6年に撮影された行事の写真が印象的だった。
そこには武士の装束に身を固めた老人が写っているのだが、その眼光の鋭さが半端ではないのだ。
写真が撮られた年から考えると、その老人が現役の武士だったとしても不思議ではないのである。
中央の老人の眼光の鋭さ、本物の武士だったのだろう
この日の昼食はネットで調べた鶴丸会館レストラン島津亭で食べることにする。
私が頼んだ寿司御前は、巨大な御椀に入って出てきて、その巨大さにびっくり仰天。
御椀だけでなく、中に入っていた寿司の握りも大きくお腹一杯になってしまった。
インパクト強過ぎの寿司御膳入れ物
昼食後は出水市内の箱崎八幡神社に参拝。
ここは日本一の大鈴が名物になっているようだ。
大鈴よりも大鶴の方に興味がある
私は、この大鈴よりも境内のあちらこちらにあるツルのオブジェの方が嬉しかった。
出水市は日本一のツルの渡来地として知られているが、ツルが集まるのは冬の間だけで、この時期はもう姿も見られないのだ。
でも、ここの神社のツルのおかげで、出水市に来たという写真を残せたのである。
出水市と言えばツルなのである
そしてこの日のキャンプ場である薩摩町の北薩広域公園オートキャンプ場へと向かった。
このキャンプ場は電源付きのオートサイトが2950円と比較的低料金で、その上に場内の温泉は無料、洗濯機や乾燥機も無料で利用できるのである。
チェックインも午後2時からなので、今日は早めにキャンプ場入りして、溜まっていた洗濯物を片付けることにしていた。
予約の際にサイトまで指定できるのだけれど、様子が全く分からないので取りあえず一番端のサイトを予約しておいた。
サイトはほぼ満員だったので、端のサイトを選んだのは正解だったようだ。
それでも、各サイトは樹木に囲まれプライバシーも有る程度確保されていたので、何処を選んでもそんなに違いは無かったようだ。
なかなか落ち着けるサイトだ
設営を終えたら早速洗濯をして、その間に温泉に入る。
管理棟の中にある温泉は、露天風呂つきで源泉かけ流しの本格的な温泉だったのでビックリ。
立派な温泉に無料で入れる
私たちのサイトの横には美しい竹林があり、目の前には大きなタケノコがにょきりと生えていた。
快適なキャンプ場である。
サイトの前では大きなタケノコがにょきりと
最初のキャンプから予定が狂い始めていた今回の九州旅だけれど、ここで今後の予定をじっくりと考えることにした。
そして、大きな決断をすることになったのである。
今回の旅では屋久島に渡って3泊4日で島を縦走することも考えていた。
そのためには最低でも4日間は良い天気が続いて欲しいのだけれど、この先の天気がどうもはっきりとしない。
屋久島は既に3回も行っているので、無理して島に渡るよりも九州本土での観光に時間をかけることにしたのである。
最初の予定では明後日の土曜日に鹿児島市内のホテルに泊まって翌日のフェリーで屋久島に渡ることにしていたが、その後の天気予報をみて屋久島に渡るのを一日早め、土曜日に予約してあったホテルをキャンセルし、新たに明日金曜日に鹿児島市内のホテルを予約していた。
明日は天気が悪そうなのでそのままホテルに泊まっても良かったが、問題は土曜日である。
土曜日の天気も悪そうだけれど、もう1泊鹿児島市内に泊まるのも馬鹿らしい。
雨の中でのキャンプは避けたいのでバンガローを探し、ようやく安くて土曜日でも空いているバンガローを見つけて、何とかこの先二日間の予定を決めることができた。
サイト間のプライバシーは概ね保たれている
天気さえ良ければどうにでもなるのだけれど、テント泊の旅では雨は大問題なのである。
そして週末も、最近のキャンプブームの影響でキャンプ場の予約が難しくなり、キャンプ旅には雨と週末が大敵なのだ。
この日の夜、テントを叩く雨の音で目が覚めた。
翌日からの雨は覚悟していたけれど、この日の雨は完全な想定外。
それでも、その雨は直ぐに止んで、翌朝のテント内の結露も大したことが無く、撤収に大きな影響は無かった。
このキャンプ場ではごみは原則持ち帰りなのだけれど、100円を払えば捨てさせてもらえた。
これまでごみ持ち帰りのキャンプ場泊が続いていたので、ここでごみを捨てることができて本当に助かったのである。