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大混雑来止臥キャンプ

来止臥野営場(10月6日~7日)

週間予報を見ていると、道東で晴れマークが続いていた。
最近これだけ天気が続くことは珍しく、今年はまだ釧路根室方面には出かけていなかったので、直ぐに道東のキャンプ旅行を企画した。

そうして午前7時半に札幌を出て、昼食は本別の「手打蕎麦たじま」に入る。
つけ蕎麦を頼んだところ、「ブラックペッパーをかけてみて下さい」と言われたので、生まれて初めて蕎麦に胡椒をかけて食べてみた。
まあ、これはこれで有りかもしれない。

手打蕎麦たじま
蕎麦にコショウをかけて食べたのは初めて


かみさんが道の駅「ステラほんべつ」で岡女堂の小豆羊羹を買おうとしたら売り切れだったので、工場直売店まで行ったがそこでも売り切れ。
「工場の売店でも売り切れって、毎日作ってるわけじゃないの?」と思いながらも、直ぐ近くに廃線になったふるさと銀河線の岡女堂駅プラットフォームが残されているのを見つけ嬉しくなる。

岡女堂駅跡
にわか鉄ちゃんの私は廃線の跡が大好き


本別からは道東自動車道の無料区間を利用して一気に釧路に向かおうと思ったが、かみさんが白糠の道の駅に行きたがったので、高速道路を途中で下りる。
白糠の道の駅では、酪恵舎のチーズとエゾ鹿のロース肉を仕入れた。

恋問館
道の駅では色々な鹿肉加工品が売られている


そうして向かったのが来止臥(キトウシ)野営場。
ここは昔から気になっていたキャンプ場で、2007年に初めて立ち寄り、それ以来ここにテントを張るのが私の小さな夢の一つにもなっていたところである。

とてもワイルドなキャンプ場で、10月の平日、普通ならば我が家の貸し切りになっても良さそうなところだ。
しかし、最近のキャンプブームである。
もしかしたら、先客がいるかも知れないと思いながら、午後3時前にキャンプ場に到着。

心配していたとおり、場内の主な場所は既にテントが張られてしまっていた。
それ程広くもない場内は3段に分かれていて、入口部分が一番高く、奥に入るに従って低くなっている。
海の眺めは何処も同じだけれど、一番高い場所は場内を一望でき、1段下がった場所には眺めの良い東屋があり、一番奥の低い場所からは東側の海岸線が良く見渡せる。

来止臥野営場
狙っていた場所にはテントを張れなかった


他に誰もいなかったとしたら、私ならば一番奥にテントを張っていただろう。
各段のベストポジションは既に埋まっていたので、少々不満だったけれど中段の端の方にテントを張ることにした。

来止臥野営場
何処にテントを張ってもオーシャンビューは最高


しかし、その後も次々にキャンパーがやってきて、到着がもう少し遅れたらテントを張る場所さえ無くなっていたかもしれない。
我が家のテントの直ぐ隣にもテントが張られた。
私達がキャンプをするのはハイシーズンを避けた平日が殆どなので、こんなに近くにテントを張られるのは、過去20年を振り返っても記憶にない。

来止臥野営場
サイトからでは海に沈む夕日は見られそうにない


この季節になると日が沈む時間も早くなる。
午後4時を過ぎると、キャンプ場の西側の山陰に日が沈もうとしていた。
その小さな山に向かって遊歩道が延びていたので、そこを歩いていけば綺麗な夕日を見られるかもしれない。



幌内園地まで900mと書かれた幌内遊歩道を歩いてみる。
林床がシダに覆われた感じの良い森を抜けると、遊歩道は丈の低い笹に覆われた海岸段丘へと続いていた。
海岸線の眺めも素晴らしい。
距離は短いけれど、こんなに気持ちの良い遊歩道は滅多に無い。

幌内遊歩道
素晴らしい風景が広がる幌内遊歩道


そこから見る夕日の美しさも期待以上のものだった。
キャンプ場にいたのでは、この夕日は見られない。
他にここまで歩いてくる人は誰もいなく、何とも勿体なく思えてしまう。

幌内遊歩道
サイトにいたら、この美しい夕日は見られない


幌内遊歩道
東側の海岸線も赤く染まる


そんな夕景を一頻り楽しんでから、テントまで戻る。
次第に暗さを増す海を眺めながら、かみさんは夕飯の支度。
かみさんは、最近買った一合炊きの釜飯セットがお気に入りのようで、私のメスティンは出番を奪われてしまった。

来止臥野営場
ビールを飲みながら夕景を楽しむ


ご飯を炊いている間に、ISS(国際宇宙ステーション)が現れる時間になった。
キャンプの時にはISSが見られるかどうか、最近は何時も調べるようにしている。
この日は午後6時過ぎに現れることになっていて、見えている時間も長く、条件は最良である。

しかし、雲が広がってきていて、出現する場所も見誤り、その姿にようやく気が付いた時は、消える寸前だった。
それでも何とかカメラに収めることができた。

来止臥野営場
かろうじてISSの撮影に成功


夕食は釜飯セットで炊いた米を使ったタコライスとミネストローネ。
恋問館で買った酪恵舎の粉チーズがとても効いていた。

キャンプの夕食
本日の夕食


午後7時半頃、東の空が明るくなってきていた。
そろそろ月が昇ってくる時間のはずだ。
サイトからでは月の出が見られないので、もう一度遊歩道を小山の上まで登ってみる。
そして後ろを振り返ると、満月から4日が過ぎ少し歪になった月が、サイトの丁度後ろから昇ってくるところだった。

来止臥野営場
サイトの背後から月が昇ってきていた


持参した薪で焚き火をしながら夜を過ごす。
水平線には沢山の漁火が見えていた。
最近はサンマの代わりにイワシが獲れているらしく、その漁火もイワシ漁のものらしい。

来止臥野営場
焚き火の時間



朝になって起きだすと、夜中に少し雨が降ったようでテントが濡れていた。
沖に見える雲からも雨が落ちている様子が見える。

来止臥野営場
キャンプの朝


朝日もサイトからは見えづらいので、また遊歩道の上から日の出の様子を楽しむ。
来止臥はオーシャンビューの素晴らしいキャンプ場だけれど、海に沈む夕日も海から昇る朝日も見られないのがちょっと残念である。

来止臥野営場
朝日が昇る


直ぐにサイトまで朝の光が届いてきて、濡れたテントを乾かしてくれる。
この日は別寒辺牛川を下る予定なので、朝食を済ませ、午前8時前にはキャンプ場を後にした。

来止臥野営場
これだけ日が当たるとテントも直ぐに乾いてくれる


途中で尻羽岬に立ち寄る。
来止臥から尻羽岬へ向かう道は、難読地名のオンパレードである。
そもそも来止臥でさえ、知っていなければキトウシとは読めない。
浦雲泊(ポントマリ)、跡永賀(アトエカ)、冬窓床(ブイマ)、初無敵(ソンテキ)、入境学(ニコマナイ)、賤夫向(セキネップ)、分遺瀬(ワカチャラセ)、老者舞(オシャマップ)、知方学(チポマナイ)、去来牛(サルキウシ)など、それぞれカタカナも併記された看板があるけれど、それが無ければ道産子でも読める人は殆どいないだろう。

シリパ岬は駐車場に車を停めてから暫く歩かなければならない。
岬までどれくらい歩けば良いのかもわからないまま、歩きはじめる。
幌内遊歩道と同じく、こちらも丈の低い笹に覆われた海岸段丘の風景が広がっていた。

尻羽岬
尻羽岬の駐車場から歩き始めたけれど、岬までどれだけ歩けば良いのか全然わからない


この笹について調べてみると、種類はミヤコザサで日本全国に分布しているらしい。
北海道では特に釧路・根室を中心に分布し、その生育環境の厳しさから、丈も低くなっているようだ。

その笹原の中に立ち枯れた花の姿が沢山あった。
花の種類は分からないけれど、季節に寄ってはもっと美しい風景が広がっているのかもしれない。
所々でコハマギクが白い花を咲かせていた。

尻羽岬
岬の先端はまだ先だけれど、ここまでにした


岬を見渡せる場所までやってきた。
訪れる人も少ないのか、看板の脚だけは立っていたけれど、そこに付いていいたと思われる尻羽岬の名の看板は消失していた。
そこから先にも岬の先端まで、笹原の中に細い踏み分け道が続いていたけれど、時間の余裕もないのでそこから引き返した。

尻羽岬
駐車場へと戻る


結局、駐車場から岬の看板跡までは800m程の距離があり、ここを歩いたことにより、その後の予定が少し変わることになってしまったのである。

(この後に向かった別寒辺牛川の川下りの様子はこちら



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