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北を目指して初キャンプ

兜沼オートキャンプ場(7月2日~3日)

車にキャンプ道具を積み込み、オロロンラインを北上。
留萌の観光案内所に寄って、増毛町から天塩町まで8市町村のオロロンマップを入手。
この観光案内所にはお土産売り場も併設されていて、道の駅並みの商品の豊富さに驚かされる。
留萌の町は何時も通り過ぎるだけで、観光地としての印象は全く無かったので、充実した内容の観光案内所は意外だった。

オロロンマップ
町のイラストマップや施設の紹介が載っていて楽しめるマップだ


札幌を出てからずーっと雨が降り続いていた。
小平町辺りでようやく雨雲を抜け出し、空も明るくなってきたので、松浦武四郎の銅像に挨拶をしていく。

おびら道の駅松浦武四郎銅像
道の駅おびらの前にある松浦武四郎の銅像、アーチは夕陽をイメージしたものだとか


冬の流氷キャンプを別にすれば、今回が我が家にとっての今シーズン初キャンプである。
コロナによる移動制限が解かれた後もパッとしない天気が続き、結局7月に入っての初キャンプとなってしまったのだ。

昼食は初山別温泉の施設内に併設されたレストラン花みさきでひらめのづけ丼を食べる。
ひらめの刺し身がたっぷりと乗っているのが良かった。

天塩町で買い物をした後は、天塩川河口に伸びる砂州の中の道に車を乗り入れる。
ここの砂州は原生花園のようにエゾカンゾウやエゾスカシユリ等の花を楽しめるのだ。

天塩川河口
天塩川河口


何度か今の季節に訪れたことがあるけれど、期待していた割には花の姿は少なかった。
それでも、エゾカンゾウなどが乱れ咲く北海道の初夏らしい風景を見られて満足である。

天塩川の砂州
砂州の中の砂利道を走っていくと色々な花を楽しめる


その先、左手に利尻富士を眺めながらの快適なドライブが続く。
海岸との間はエゾカンゾウの群生地となり、その向こうに見える利尻富士の姿と相まって、今の季節限定の素晴らしい風景が広がる。
しかし、交通量は少ないもののここで路上駐車するのは憚られるので、思ったとおりに写真を撮れないのが残念だ。

オロロンラインの風景
エゾカンゾウの花と利尻山


今回は、この辺りの海岸にテントを張って利尻富士に沈む夕日を楽しもうと目論んでいるので、その場所も探しながら北上し続ける。

オロロンラインの風景
この辺りの砂浜は道路から見えるので野営地には適さない


今日のキャンプ地は兜沼公園を予定していた。
北上するに従って次第に雲がその厚さを増していたので、樹木の茂った兜沼公園のキャンプ場よりも、少しでも明るそうなオートキャンプ場の方にテントを張ることにする。



そうして兜沼公園手前の踏切を渡ろうとした時、ショッキングな場面に遭遇したのである。
道路に倒れたままピクリともしない小狐を親狐が一生懸命起こそうとしているのだ。
多分、車にでも跳ねられたのだろう。
その近くでは、2匹の小狐が何も知らないようにじゃれ合っていて、それが余計に不憫に思えてしまう。

キタキツネ
道路上に倒れてピクリとも動かない小狐


このまま近づいていくと、見たくないものを嫌でも目にすることになるのだろう。
ゆっくりと車を進めていくと、道路上に倒れていた小狐がムクリと起き上がったのである。
死んでいるのだろうと思っていたら、どうやら路上で寝ていただけみたいだ。
その後、親子狐ファミリーは、私達のことなど全く気にもかけずに、そこから歩き去ったのだった。

キタキツネの親子
小狐は寝ていただけ、自由過ぎる!


兜沼オートキャンプ場を利用するのは初めてである。
かなり昔に一度だけその様子を見て、兜沼公園キャンプ場があるのにここに泊まることは絶対に無いだろうと思ったものである。
月日の流れは人の好みまで変えてしまうのだ。

それでもやっぱり、オートキャンプ場が殺風景であることに変わりはない。
サイトの間に仕切り代わりに植えられていたアカエゾマツは、かなり大きくなっていて、それがこのキャンプ場の主要な景観を形作っている気がする。
下枝が刈り上げられているので、隣のサイトとの視覚的な仕切りとはなり得ず、それでいてサイト全体の見通しを邪魔している。
このままアカエゾマツが大きく育ったとしたら、どうなるのだろう。

兜沼オートキャンプ場
独特の景観の場内


樹木が殆ど生えていない芝生広場のようなキャンプ場よりもマシだとは思うけれど、なかなか微妙な景観である。
サイトからは兜沼の姿が見えていたような記憶もあるが、多分春先だったので沼と間の木々も葉を落としていたのだろう。
今はキャンプ場の周りを樹林地に囲まれ、見えるのは場内のアカエゾマツ林だけである。

兜沼
場外に出ないと兜沼は見られない、ここにも利尻山の姿が有った


場内に蟻の巣が多いのも気になった。
大体のサイトはその真ん中に蟻の巣があるので、気が付かずにテントを張ったら後でひどい目に合いそうだ。

それでもやっぱり、オートサイトは便利である。
料金も、テント2つを張ると兜沼公園と大して変わらないのだ。

兜沼オートキャンプ場
我が家のサイト


先客は、電源付きサイトの方に1組いるだけ。
車が停まっているけれど、キャンパーの姿は見えない。
ずーっとテントの中に籠もっているのだろうか。

次第に雲も取れてきて、夕食を済ませた後は夕日の姿も見ることができた。

後は焚き火を楽しむ時間だ。
場内の照明は通路沿いに控えめな明かりが灯っているだけ。
辺りが暗くなると、その明かりがまるでホタルが光っているように見えていた。

兜沼オートキャンプ場
焚き火タイム


我が家が寝る時間になっても、先客の姿は見えないし、テントに明かりも点いていない。
もしかしたらテントの中で死んでるんじゃないかと思って気持ち悪くなる。

翌朝、私達が4時半頃に起きると既に先客の車だけが無くなっていて、生きていたのだとホッとする。
それにしても、車が出ていったのにはかみさんも私も全く気づかなかった。
釣りか登山が目的のキャンパーなのだろうか。


気持ちの良い朝だ


今日は朝から快晴で夜露で濡れていたテントもすぐに乾き、気持ち良く撤収を済ませる。



キャンプ場を出ると、昨日狐に騙された踏切で、今度は鹿に遭遇。
この鹿も、人を恐れる様子もなく、まるでスタンド・バイ・ミーの1シーンのように線路の上をのんびりと歩いていたのである。


線路上を歩く鹿


まず最初に、近くの言問の松を見に行く。
樹齢約1200年のイチイで、堂々たる姿に感動する。
ここに来るのは初めてかと思っていたが、家に帰ってから調べてみると、10年前のキャンプの写真にしっかりと言問の松が写っていたのである。
私もかみさんも、ますます記憶力が薄れてきているようだ。

言問の松
なかなか風格のある姿だ


その後再びオロロンラインに戻り、浜勇知のこうほねの家に寄り道。
ここのコウホネ沼では今時期、コウホネの花が見られるのだけれど、沼を一周する木道の一部が老朽化で閉鎖され、沼に近づくことができなくなっていた。
背伸びして、伸びた草越しに沼の様子を眺めるが、コウホネそのものの姿が見えない。
今時期はここへ来るたびにコウホネの花を見るのが楽しみだったのに、ちょっと寂しい状況である。

コウホネ沼
コウホネ沼からコウホネの姿は消え去っていた


抜海霊園の沼で蓮の花を楽しみ、ノシャップ岬を観光し、稚内温泉童夢で汗を流す。

稚内灯台
ノシャップ岬の稚内灯台は北海道一の高さ、全国では2番めに高い灯台なのだとか


その後、宗谷岬に向かい、昼食は間宮堂で塩帆立ラーメンを食べる。
午前11時半前なのに、席はほぼ埋まっていた。
コロナ対策で席の数を減らしているせいもあるのだろうが、やっぱり人気店である。
ラーメンが美味しいと評判の店だけれど、私にとってはスープはともかく、食べごたえのない食感の麺が残念だった。

間宮堂
旅人に人気の間宮堂だけど、麺が残念


間宮堂だけは混んでいたけれど、やっぱり観光客の姿は少ない。
それなりに本州ナンバーの車は多いけれど、観光バスの姿は1台も見られない。
観光関係の方は大変だろうが、私にとってはゆっくりと観光できるので有り難い状況ではある。

今回は、宗谷岬とノシャップ岬の2ヶ所の灯台の灯台カードをゲット。
数年前に道内の灯台カードを集めようと思って能取岬と納沙布岬のカードをゲットしたけれど、その後は灯台カードのこともすっかり忘れていた。
これを機会に灯台カード集めを再開するのも良いかなと思ったのである。

宗谷岬
宗谷岬灯台の先には薄っすらとサハリンも見えている


その後は宗谷丘陵の白い道を目指す。
宗谷丘陵には全長11キロのフットパスコースが設定されていて、その内の約3キロが帆立の貝殻を砕いて敷き詰めた白い道となっている。
私は10年前にこのフットパスコースを車で走ってたいけれど、その当時はまだ何の変哲もないただの砂利道だった。
それが今は白い道となってSNSでも評判になっているようだ。

宗谷丘陵
宗谷丘陵の風景


周氷河地形とも呼ばれる宗谷丘陵の風景は、北海道の風景の中でも私の好きなものの一つである。
そんな風景の中でのんびりと草を喰む宗谷黒牛の姿。
その中にエゾシカも一緒に紛れて草を喰んでいる様子は、とてもおおらかに見える。

そんな風景を眺めながらフットパスコースを歩くのは楽しそうだが、車で走れる道を歩く気には簡単にはなれない。
舗装道路が終わるといよいよ白い道へと入っていく。

白い道
白い道を歩くのなら天気が良い時に限る


青い空と青い海、そして緑の風景の中に伸びる1本の白い道。
ここを歩くのならば、天気が良い時がお勧めである。

白い道
インスタ映えする風景ってやつだ


もう1日早く札幌を出ることも考えたが、そうなるとうどうしても行程的には曇り空の昨日に白い道を歩くことになってしまう。
それを避けるために敢えて出発を1日遅らせたのは、やっぱり正解だった。

白い道
海に向かってジャーンプ


白い道の最後は海に向かって降りていく。
その海の向こうには利尻富士の姿が浮かんでいる。
これでは人気が出るのも当然である。

白い道


この後は稚内森林公園キャンプ場か宗谷ふれあい公園オートキャンプ場に泊まり、土曜日にオロロン海岸にテントを張る予定だった。
しかし土曜日に風が強まる予報だったので、そんな時に海岸でのテント泊は辛いものがある。
そこで、今日のうちなら風が弱いので、急遽予定を変更し、このまま海岸キャンプの予定地へと向かうことにしたのである。
まだ見たい場所も残っていたけれど、そこは次の機会に回すことにして、再びオロロンラインへ向かって車を走らせた。


翌日のキャンプへ 



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