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ご褒美の朝日

尾岱沼ふれあいキャンプ場(10月5日~7日)

別海マラソンに参加する時は、何時も別海町ふれあいキャンプ場に泊まっていたけれど、今年は台風崩れの低気圧の影響がありそうだったので、尾岱沼ふれあいキャンプ場のバンガローをあらかじめ予約しておいた。

土曜日の朝、家を出るのが遅れて午前8時過ぎになってしまったので、久しぶりに高速道路の有料区間を全て利用して道東を目指した。
道東道から釧路外環状道路と乗り継ぎ、釧路別保ICで降りると既に昼12時過ぎ。
IC近くの別保公園内にロ・バザールというレストランが有ったので、そこで昼食にする。
特産の仙鳳趾産牡蠣を使ったカキフライ定食が人気らしいので食べてみたが、産地は何処だったとしても牡蠣は牡蠣に変わりがないというのが私の感想だった。


ロ・バザールの直売所とレストラン

仙鳳趾牡蠣フライ定食


そしてそのまま尾岱沼のキャンプ場に向かう。
ここのバンガローは1棟2500円とリーズナブルなのだけれど、入場料まで含めた2泊分を支払うと6200円にもなり、やっぱり高く感じた。
それでも、雨は上がっていたけれど風が強いので、やっぱりバンガローはありがたい。


一番乗りだったのに、一番奥のバンガローを指定されてしまう


しかし、14棟あるうちの8棟が工事中で泊まれるのは6棟だけ。
その中で、一番奥の眺めが悪い場所のバンガローを指定される。
他のバンガローが空いてないのか聞いてみると今日は6棟全部埋まっていると言われた。
場所に不満はあったけれど、泊まれただけラッキーだったのかもしれない。

空は灰色の雲に覆われ、風が強いので野付湾の海面は波立ち、寒々とした風景が広がっている。
バンガローの中で夕食の準備だけ済ませて、午後5時からの開会式に出るため別海町へと向かった。


キャンプ場からマラソン会場までは約30キロで、車で走れば30分程度で着くので、そんなに不便は感じない。
途中では、緑の牧草畑に白い牧草ロールが転がる道東らしい風景も楽しめる。
牧草ロールをラップする黒と白の色の違いにはそれぞれ別の目的があるのだけれど、風景的には黒よりも白の方が絵になると、勝手なことを考えてしまう。


絵になる風景だ


マラソン大会の開会式などで行われる抽選会では、今まで一度も当たったことが無かったのだけれど、今回は早々と景品をゲット。
しかし、当たったのはMizunoのスポーツタオル。
他にもっと良い景品があったのに、それを貰える権利はなくなってしまい、何とも複雑な気分で残りの抽選を眺めていた。


開会式会場に着く頃には陽も傾いていた


かみさんは何も当たらなかったので、タオルが当たっただけでもマシである。
しかし、スポーツタオルとは名ばかりで、粗品で配られるタオルと大して変わりはない。
かみさんから「布巾を忘れてきたから、これを布巾にしちゃって良い?」と聞かれ、反対する理由は何もなかった。
キャンプ場に戻って夕食を済ませ、ビールも飲まずに早めに就寝し、明日の本番へと備える。


当たってもあまり嬉しくない景品

マラソン前日の夕食



尾岱沼キャンプ場に泊まる時の一番の楽しみは、野付湾から昇る朝日の風景である。
しかし、朝起きてみると晴れてはいるものの東の空に雲が広がり、朝日はその雲の隙間からチラッと見えただけだった。


お楽しみの朝日は雲に邪魔されてしまった


マラソン会場に向かう頃には、そんな意地悪な雲も消え去り、素晴らしい青空が広がっていた。
開会式の時に貰った別海町の観光パンフレットに茨散沼の名前を見つけ、懐かしく感じて別海へ向かう途中で寄り道する。
ここは12年前に道東をキャンプで回っている時に立ち寄り、その時はタンチョウの姿も見ることができた。
今回はタンチョウの姿こそ無かったものの、12年前と変わらぬ静かな沼の佇まいを楽しんだ。


茨散沼の風景


マラソンでは二人とも自己ベストを大幅に更新し、めでたく完走賞の鮭をゲット。
しかし、走り終わった後に食べることのできる鮭汁は既に残り僅か。
鍋の底に残っていた具を最後に全て掻き集めたような鮭汁で、これならば豚汁の方を食べればよかったと後悔する。


煮詰まった鮭汁、後ろの発泡スチロールの箱には完走賞の塩鮭が入っている


風呂は野付温泉浜の湯に入る。
公衆浴場だけれど、2種類の源泉がかけ流しされていて、なかなか良い温泉である。
空いていて、浴槽の中で思いっきり手足を伸ばして、マラソンの疲れを癒すことができた。


刺身のネタも、その量も、ちょっとがっかり

コンビニで買い物をしていると、若くて可愛いフィリピーナっぽい女の子が沢山入ってきた。
多分、地元の水産加工場辺りで働いているのだろう。
地方での働き手不足は相当深刻なのだろうと感じてしまう。

疲れているので夕食はコンビニ弁当で済ませることも考えたが、せっかくなので地元の店で食べることにした。
尾岱沼の町の中で唯一の食堂と言えそうな食事処白帆に入ってみる。
北海シマエビの漁期ならばシマエビ天丼が人気らしいけれど、今は漁期じゃないので刺身定食を注文。
出てきたのは、何処でも食べられるような極々普通の刺身定食。
期待していた分、ちょっとがっかりしながら腹を満たした。



風も止んでいたので、キャンプ場に戻ると直ぐに焚火を始める。
我が家のマラソン大会出場キャンプでは、走り終えた後は焚火を囲んで反省会と言うのが何時ものパターンなのである。
キャンプ場の野外炉を使ってみたが、高さがあるのでそこで火を燃やしても顔にしか熱が伝わってこないのが残念だ。


立ち上がらないと焚火の暖かさを感じられない


キャンプ場の空には美しい上弦の月が浮かんでいたが、何時の間にか広がってきた雲に隠されてしまう。
尾岱沼の港の明かりが海面に映り込んで光の帯となっている。
その先端では灯台の緑の光が点滅していた。


翌朝、5時過ぎに目覚めてバンガローのカーテンを開けると、東の空が既に赤く染まってきていた。
痛む身体にうめき声を上げながらシュラフから抜け出す。
水平線に雲はなく、美しい朝日が見られそうだ。
港からはエンジンをんを響かせながら漁船が次々に出港していく。


漁場に向かって漁船が出港していく


水平線から太陽がちょこっと頭を出してきた。
そして次第に丸い姿が現れてくる。
しかし、その姿を良く見ると、海面に接する部分が歪んで見えている。
だるま太陽と呼ばれる現象だ。
昨日一生懸命頑張ったので、神様が御褒美をくれたようである。


頑張ったご褒美のだるま太陽


そんな風景を楽しみながら朝のコーヒーをいただく。
水平線に張り付くように広がる野付半島の姿も印象的である。


最高のコーヒータイムだ


潮が引いているので砂浜を少し歩いて見る。
長靴で足元の砂を掘ってみるとアサリがゴロゴロと出てくる。
残念ながら禁漁なので、それを持ち帰ることはできないが、5月から6月にかけての週末には潮干狩りフェスティバルも開催されている。


ここで潮干狩りをしてみたい


蜃気楼なのか、対岸の野付半島にある建物が水平線から浮かんで見えていた。
その向こうに見える山は、知床半島かと思ったら国後島の島影だった。
尾岱沼の風景をたっぷりと味わってから札幌への帰途についた。


蜃気楼?



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