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東北の旅(下北半島)

むつ市早掛レイクサイドヒルキャンプ場(6月10日~11日)

初めて利用する津軽海峡フェリー。
海割ドライブの名称で普通車1台定員まで何名乗っても、函館~青森なら14800円、函館~大間なら11800円のお得なプランがある。
5日前までの予約が必要なのだけれど、往路の函館~大間はうっかりしていて予約が遅れ、WEB予約割引だけとなって料金は16840円になってしまった。
出発を1日遅らせれば海割ドライブの予約ができたのだが、帰りの日にちが決まっていたので、その分旅行期間が短くなってしまう。
5千円高くなっても、旅行期間を1日多く確保する方を選んだ。

お食事処かもめ
お食事処のまぐろ丼

船が結構揺れて、少し気分が悪くなってきたころに大間港に到着。
1時間半で北海道から本州に渡れるのが、この航路の良いところである。

午前11時半なので、まずは腹ごしらえだ。
普段は外食にあまりお金をかけない私達だけれど、大間に来たからにはマグロを食べないわけにはいかない。

大間崎の目の前にある「お食事処かもめ」で2800円のまぐろ丼食べる。
普段から安いまぐろしか食べたことが無いので、大トロ・中トロ・赤身の刺身は感動的に美味しく感じた。

フェリーの中は団体客で混み合っていたけれど、大間崎は観光客の姿もまばらである。
まぐろの像の前で記念写真を撮っている人達は、フェリーの中で見かけた顔ばかりだ。
団体客は、一体何処でまぐろを食べているのだろう。

大間崎
大間崎のマグロのモニュメント前での記念撮影は外せない


ここの直ぐ近くに大間崎テントサイトという無料のキャンプ場がある。
遅い時間帯に大間に着いた時に利用するには便利なキャンプ場なのだろうけれど、如何にも長期滞在しているようなキャンパーが1組いた。
無料のキャンプ場では良く見かける風景だけれど、こんな本州の端の様な所に泊まっていても、観光の拠点としての利点は無いだろう。
三度の食事でマグロを食べるのが目的なのだろうかと思ってしまう。

大間崎テントサイト
回りを民家や店に囲まれているけれど、無料で泊まれるのがありがたい大間崎テントサイト


美味しいまぐろで腹を満たして、次に向かったのが仏ヶ浦。
真っ白な凝灰岩の層が海岸に露出して、絶景を作っているところである。


女願掛岩、10分程度で上まで登れそうだ

事前に調べたところでは「駐車場から海岸まで降りる道がかなり険しく、観光遊覧船で行く方がお勧め」などと書かれていた。
勿論、私たちは観光船に乗るつもりなど毛頭ない。

途中に願掛岩の園地があったので立ち寄ってみた。
ここの園地はキャンプ場にもなっている。

そこから左に見えるのが男願掛岩、右に見えるのが女願掛岩があってそれぞれの標高が103mと90m。

どちらかに登ってみようとも思ったが、ここで時間をかけていると今日のキャンプ予定地に着くのが遅くなりそうなので、少し歩いただけでそのまま仏ヶ浦へと向かう。


海岸から眺める願掛岩



道路際に仏ヶ浦駐車帯の看板を見つけて、車を停めた。
そこからは仏ヶ浦が見えるのだけれど、「あそこまで降りなければならないのか」とうんざりする位に遥か下に見えていた。
観光船に乗った方が良かったかなと思いながら、再び車を走らせる。
幸いなことに仏ヶ浦の駐車場は、その駐車帯より結構下った場所にあったので少しホッとした。

仏ヶ浦
駐車帯から見下ろした仏ヶ浦


海岸まで降りる道も階段が整備されていて歩きやすく、駐車場から10分程度で仏ヶ浦まで降りてこられた。
そこで目にしたのは、期待通りの絶景である。
白い断崖の光景は乙部町の滝瀬海岸(シラフラ)と似ているが、こちらの方が浸食がすすみ、白い巨岩となって浜辺に立ち上げっているものもある。

仏ヶ浦
海岸まで降りてきたところの岩の下には地蔵が祀られていた


観光船がやって来たので、そこから団体客が下りてくる前に、巨岩の間を縫いながら急いで奥へと歩く。
ここには簡単な船着き場も作られていて、観光船はここに30分程度停泊し、その間に乗客は仏ヶ浦を散策できるのだ。

仏ヶ浦


真っ白な岸壁だけれど、良く見ると緑色がかって見えるところもある。
ここの岩は緑色凝灰岩(グリーンタフ)と言って、北海道では道南付近にも分布している。
今金町の奥美利河温泉に行く時に、横を流れている川の底が緑色に染まっていて、それもグリーンタフによるものである。

仏ヶ浦


私たちが訪れた時は丁度干潮の時間帯だったので、岩の間も自由に歩き回れた。
満潮時には、近づけなくなる場所もありそうだ。

仏ヶ浦


30分ほど仏ヶ浦の風景を楽しんでから駐車場へと戻る。
普通は下りよりも登りの方が時間がかかるものだが、かみさんは登りの方がスイッチが入るようで、下りと同じ10分で標高差100m以上を登ってしまう。
それに付いて行く私も大変である。

仏ヶ浦




この後、今日のキャンプ地に予定しているむつ市の早掛レイクサイドヒルキャンプ場へと向かう。
今回の東北の旅では、前回の山陰九州の旅の反省から、細かな旅程は作らないことにしていた。
山陰九州の旅では観光場所や泊まるキャンプ場等詳細な旅程を作ったのだけれど、車の走行距離や観光地での観光時間など無理な設定もあって、自分で作った計画に追われるように各地を回ることになってしまったのだ。

今回は、旅の間に回りたい主な観光地と安く泊まれるキャンプ場だけをリストアップしておいて、後は実際に回りながら考えることにしたのである。
それでも、東北に入って一日目の予定は概ね考えていて、とりあえず今日はその予定通りに進みそうだ。

早掛レイクサイドヒルキャンプ場
リーズナブルなオートサイト

むつ市内で買い物して午後4時頃にキャンプ場到着。
早掛レイクサイドヒルキャンプ場はオートサイトが1700円と、とてもリーズナブルである。

バンガローに1組いるだけで、他にキャンパーはいないので好きな場所にテントを張って良いと言われる。
何時もならばなるべく端の方のサイトを選ぶのだけれど、今日は堂々と炊事場の直ぐ近くにテントを張ることにした。

仏ヶ浦では青空が広がっていたけれど、むつ市の空は灰色の雲に覆われていた。
週間予報では東北地方は暫く曇りがちの天気が続くようになっていたので、仏ヶ浦で晴れていたのが幸運だったのかもしれない。

設営後は直ぐに、むつグランドホテル都南温泉美人の湯に入りに行く。
立派なホテルなので入りづらいな~と思っていたら、温泉だけ別棟になっていて助かった。
入れ墨をしていると入浴できないはずなのに、如何にもそちら系に見える入れ墨をした人間数名が堂々と入っていた。
その様子を見ると、ここはそんな土地柄なのかと、どうしても思ってしまう。

早掛レイクサイドヒルキャンプ場
レイクサイドヒルの名前のとおり隣には早掛沼がある

キャンプ場に戻ると管理人の方が私たちの車のナンバープレートを見て「札幌からですか?私も札幌出身です!」と話しかけてきた。
むつ市の自衛隊で働いていて、退職後もそのままむつ市に住んで、キャンプ場で働いているとのこと。

場内に飾られている貝殻や海の漂流物で作ったオブジェのことは聞かなかったけれど、多分このおじさんが趣味でやっているのだろう。

バンガローに泊まっているのはオーストラリアから来ている女性二人連れで、日本語はあまり話せないようだけれどコミュニケーションしてみると楽しいよと言ってくれる。
最近はNHKの「おもてなしの基礎英語」を毎日見ているので、その成果を試してみたかったけれど、残念ながらその機会はないままに終わってしまった。

早掛レイクサイドヒルキャンプ場
炊事場の近くにテントを張ったのは間違いだった


夕方になると急に気温が下がってきた気がする。
今年の山陰・九州の旅でも予想外の寒さに震えあがったのだけれど、今回の旅でもまた寒さに震えることとなる。
旅に出るまでの札幌の気温が高過ぎたので、どうも季節感が狂ってしまったようだ。

早掛レイクサイドヒルキャンプ場
場内の所々にこんなオブジェが飾られている

夕食を終え、ビールを飲みながら東北最初の夜を静かに楽しんでいると、午後8時過ぎに突然若者グループがやって来たのでビックリした。
バンガローに泊まるみたいなのでホッとしていたら、これから炊事場で夕食を作る様子である。
誰もいないから炊事場の横にテントを張ったのに、それが裏目に出てしまった。
かみさんが顔を引き攣らせながら「私、車の中で寝ようかしら」などと言っている。

私たちは9時には寝るつもりだったので、これから騒がれたのではたまらない。
テンション高めの若者たちに「静かにお願いしますね」と釘を刺しておく。
それで少し、大人しくなってくれたようだ
私は酔っぱらっているので若者たちの話し声も全く気にならず、9時にシュラフに入って直ぐに眠りに付いた。
一方かみさんは、炊事場が消灯となる午後10時までは若者たちの話し声が気になって眠れなかったようだ。

翌朝は青空も覗き、テントも少し結露した程度で済む。
朝5時に昨日の管理人さんが回ってきた。
24時間勤務で、朝には次の人と交代するらしい。

気持ち良く撤収を終え、朝7時にはキャンプ場を後にし、今日最初の目的地である恐山に向かったのである。


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