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山陰九州の旅(島根から鳥取へ)

南部町森林公園キャンプ場(4月13日~14日) 鳥取市内ビジネスホテル(14日~15日)

この日は予備日を使って松江周辺の観光に時間をかけることにしたのだけれど、それでも見たい場所が沢山あり過ぎて行先を絞り込むのに苦労した。
午前8時過ぎにキャンプ場を出て、熊野大社、神魂神社と回っていく。

清らかな水が流れる意宇川を渡って境内へと入って行く熊野大社は、なかなか厳かな雰囲気があるところだった。

熊野大社
神門、拝殿と両方に大きな注連縄が張られている熊野大社


神魂神社は、更に厳かな雰囲気に包まれていた。
手水鉢には洒落た竹の柄杓が置かれ、本殿へと続く石段も大きな石が使われていて力強い。
そして大社造りの本殿は国宝にも指定されている。
1583年に再建されたとされる本殿は、現存する最古の大社造建造物で床が高いことが特徴である。
その本殿を直ぐ近くから仰ぎ見られるのだから有り難い。

神魂神社
最初から厳かな雰囲気である
神魂神社
手水舎も良い感じ


神魂神社
国宝の神魂神社本殿


その後は、中海の横を通って枕木山を目指す。
中海と言いながら、その位置付けは湖である。


中海の向こうに大山が見える

湖の向こう側に雪を抱いた大山が見えている。
明日はその大山に向かうつもりだが、天気が心配である。

枕木山は眺めが良さそうなので行ってみようと考えたのだが、そこへの道がどんな道路なのか全く分からない。
Googleナビの言うとおりに走っていたら、案の定、細い曲がりくねった急傾斜の山道に導かれてしまった。

対向車が来ないことを祈りながらその道を登っていくと、突然2車線の立派な道路に出てきて、またGoogleナビに騙されたと腹を立てる。

そのまま登っていけば展望台でもあるのかと思っていると、突然大きな広場に出てきたが、そこは特に展望も効かない。
それ以上先に進むのは止めて、途中にあった電波塔付近の展望が良さそうなので、そこまで引き返す。
そこには期待通りの絶景が広がっていた。
眼下に広がる中海。その向こうに聳える大山。
苦労して登ってきた甲斐のある風景だ。

枕木山 大山 中海
枕木山からの展望


下山時も、広い道路から離れて、登ってきた時と同じ狭い山道を下ることにする。
やっぱりこちらの方が近道と思われるからだ。


普通のカメラではベタ踏み坂のイメージは出せない

次に目指すのは境港市の水木しげるロード。
その途中、中海をまたぐ江島大橋(通称ベタ踏み坂)を通る。
私が運転しながら、助手席のかみさんに橋を写してもらったが、やっぱりここは遠くから超望遠レンズで狙わないと、ベタ踏み坂のイメージにはならないようだ。

そうしてやって来た水木しげるロードは、正にワンダーランドだった。
私たちがやって来たのに合わせるように、JR境線の鬼太郎列車が境港駅に入ってきた。
後で調べてみると、それは「こなき爺車両」だった。
喜んで列車の写真を撮っていると、アジア系観光客がそこからゾロゾロ降りてきて、「ここもやっぱりそうなのか」と少々ガッカリさせられる。

鬼太郎列車こなき爺車両
丁度鬼太郎列車が駅に入ってきた


通りのあちらこちらに、妖怪ブロンズ像が177体も置かれていて、歩くのが楽しくなってくる。
公園の照明灯は目玉おやじになっているし、店で売られているものも全てが妖怪がらみ。
通りの向こうに立っているメフィストにカメラを向けると手を振ってくれた。
水木しげるロードと言うよりも、妖怪テーマパークって感じである。

水木しげるロード
鬼太郎と記念撮影
水木しげるロード
メフィストが歩いてきた


水木しげる記念館に入る。
そこに居合わせた鬼太郎と記念写真を撮ってから、館内を見て回る。
展示も充実していて、特に飾られている妖怪は、小さい子供ならば泣いてしまいそうなくらいに迫力がある。

水木しげる記念館
子供だましの展示かなと思っていたら
水木しげる記念館
リアル過ぎて怖いくらいの展示も



まぐろラーメン本舗
まぐろ角煮ラーメンと境港カニラーメン

さすがに食べ物屋は妖怪とは関係なく、私たちは「まぐろラーメン本舗」に入った。
かみさんはまぐろ角煮ラーメン、私はカニラーメンを注文。

すると店員さんが、同じ値段でカニの半身が丸ごと入っている境港カニラーメンの方がカニの身が沢山入っているというので、変更した。
そして出てきた境港カニラーメンの迫力に圧倒された。
ただし、ラーメンを食べた後に自分でカニの身を外しながら食べるのがかなり大変である。

もしかしてこれを勧められたのは、店の方でカニの身を外す手間を省きたかったからじゃないのかと疑ってしまう。
それにしても、これが850円で食べられるのだから、さすがに境港だと感心してしまう。

その後美保神社、美保関灯台と回る。
美保神社は全国のえびす神社の総本山だけあって、荘厳な佇まいである。
国の重文に指定されている二つに分かれた本殿、そしてそこから繋がる大きな拝殿が背後の山に包まれるように建っている姿はとても印象的だ。

美保神社
二つに分かれた本殿が印象的な美保神社


大山
明日もこの姿を見られるのか?

美保関灯台から眺める大山も素晴らしい。
明日の天気予報は雨。
この姿を明日もう一度見られるかどうか、それだけが気がかりだった。

これで今日の観光は全て終了、買い出しを済ませ、温泉に入ってから今日の宿泊地である南部森林公園へ向かうことにした。

しかし、米子の皆生温泉の中で低料金で入浴できるOUランドへ行ったところ駐車場は大混雑。
今日は土曜日なのである。
風呂は諦めて、そのままキャンプ場に向かうことにした。

前日にキャンプ場に予約の電話を入れたところ、キャンプ場は二日前までに予約しなければならず、この日はキャンパーがいないのでキャンプ場を開ける予定はなかったと言われる。
他のキャンプ場を探すしかないと焦ったが、管理人の方が私たちの来る時間に合わせてキャンプ場に来て施設を開けてくれるとのことで、何とかこの日の宿を確保することができたのである。

南部森林公園キャンプ場
ここでも桜の花の下にテントを張れた

そんな事情もあり、午後4時頃にはキャンプ場に行くと言ってあったので、今日だけはその時間に遅れることはできない。
風呂を諦めたこともあって、午後3時半にキャンプ場に着くと、既に管理人さんが待っていてくれた。
嫌味の一言でも言われるのかと覚悟していたが、とても親切に対応していただいて、すっかり恐縮してしまう。

そんな手間をかけて、610円で泊まらせてもらえるのだから、ありがたい話しである。
でも、土曜日なのに他に宿泊客がいないってどうなの?と思ってしまう。

サイトには桜が咲いていて、今回も花見キャンプを楽しめそうだ。
ソレアードを張りかけたところで、かみさんが「今日はそれを張らなくても、炊事場で過ごせるんじゃない?」と言ってきた。
確かにその通りである。
明日は朝から雨が降り始めるかもしれず、できればテントは濡らしたくない。
他に利用者はいないし、炊事場を独占しても誰からも文句は言われない。
ソレアードは撤収して、ソロテント二張りを張るだけにした。

一息ついてから、キャンプ場の管理棟を兼ねた森の学校の建物に入ってみる。
そこに建っている傾いた展望塔が、到着時から気になっていたのだ。
内部の階段や床は水平なのだけれど、壁や窓が傾いているので、歩いていても体がふらついてしまう。

南部森林公園森の学校
展望塔が傾いているのが気になる
南部森林公園森の学校
平衡感覚が狂ってくる


私たちのためだけにこの施設を開けておいてくれたのだが、これならテントを張らずにこの中で寝ても良いかなと思えるくらいに快適な施設だった。
炊事場の中に荷物を広げ、ビールで乾杯。

南部森林公園炊事棟
狭いテントの中で過ごすよりずーっと快適だ

炉も付いていて、裏に回ればトイレも付属している。
全てが一つ屋根の下で完結してしまい、こんな快適なキャンプも滅多にないだろう。

場内には他にも傾いた家が建っていて、そこは床も壁も全て傾いたまま。
「平成3年度林業構造改善事業ミステリースクェアー」の看板が出ていたけれど、そのコンセプトが良く分からない。

屋根の下で食事を済ませ焚火を楽しみ、快適な夜を過ごす。
心配していた雨も、翌朝はまだ降っていなかった。
風に吹かれて桜の花びらが散っていく様子を眺めながら朝食を済ませる。
テントも結露していなかったので撤収も楽である。
そして撤収を終えたところでポツリポツリと雨粒が落ちてきた。

南部森林公園キャンプ場
快適なキャンプができたことを管理人さんに感謝



安来清水寺
なかなか良い雰囲気のお寺である

キャンプ場を出て最初に向かったのは安来清水寺。
駐車場から山の中に向かって階段を登っていくと苔生した岩の上でご不動様が出迎えてくれる。

大門を抜けて更に登っていく。
根本堂の前を通り過ぎると、一面の桜の花の向こうに三重塔が見えていた。
この風景を見たかったのだけれど、期待通りの美しさである。

駐車場まで戻ってくると、雨に濡れた桜の花びらが我が家のエクストレイルを美しく飾っていた。
天気が良ければこの後、大山や蒜山高原のドライブを楽しむつもりだったが、雲が低く垂れこめ山の姿など全く見えない。
予定を変更し、海岸沿いの道を走って倉吉市を目指すことにした。

安来清水寺
桜と三重塔の風景が素晴らしい


倉吉の町歩きならば、雨が降っていても大して影響はない。
天気が悪くても今日は日曜日なので、倉吉市内の駐車場は結構混雑していたが、市役所の無料駐車場に車を停めることができた。

土蔵そば
アンティークな土蔵そば店内

丁度昼になっていたので、かみさんに目星を付けておいてもらった「土蔵そば」に入る。
建物の1階は古風な造りの雑貨屋になっていて一瞬戸惑ったが、2階が蕎麦屋になっていた。
その店内もまた古風な造りである。
窓からは赤瓦の屋根が見えている。
津和野と同じく、この町もやっぱり赤瓦の屋根が多い。
蕎麦も美味しく、気分を良くして店を出た。

それから白壁土蔵群の町歩きを楽しむ。
水路に沿って白壁土蔵の建ち並ぶ辺りが、やっぱり一番のビュースポットみたいだ。
その他にも古い家やお洒落な雑貨屋が多く、歩いていても楽しい。

歴史のありそうな建物の前に「餅をついてます、中へどうぞ」と書かれた看板があるのを見て、「へぇ~、餅をついているんだって」と中に入ってみた。
すると、何となく様子が違う。
「餅」と書いてあると思った字は、実は「絣(かすり)」だったのだ。
外の看板は、良く見ると「絣おってます」と書かれていた。
信じられない様な見間違いに、自分でも笑うしかなかった。

倉吉市
倉吉の町歩きではこの辺りが一番人気のあるところだ


一般公開されている豊田家住宅に入ってみた。
他に見学者もいなかったので、女性の方が一緒についてきて建物の中を紹介してくれる。

豊田家住宅

まるで講談師みたいな口調説明してくれるが、このような施設では自分たちだけで見て回る方が好みなので、ちょっと煩わしい。

かみさんが「へえ~、そうですか」「は~、凄いですね~」と適当に相手してくれているので、その間に私は写真を撮って回る。
すると、その女性が「そこはここに座って、天井も一緒に写した方が良いですよ」とか、写真の構図にまで口出しをしてくるのには閉口した。

雨も止んできたので、明日に来る予定だった三徳山三佛寺に寄ってみる。
ここでは国宝に指定されている投入堂が有名なのだが、そこまではかなりの山道を登らなければならない。
そこへ行くためには靴の種類まで調べられると聞いていたので、この雨では登ることはできないだろうと思いながらも、受付で聞いてみると、登ることはできるとのこと。
ただ、足場が悪いのでお勧めはできないと言われた。
それを聞いて、素直に「明日また来ます」と言って、今日の宿を予約してある鳥取市内へと向かった。

時間も早かったのでチェックイン前に鳥取砂丘まで行ってみる。
有名過ぎる観光地なので、あまり期待はしていなかったけれど、砂丘を歩いてみるとその雄大さに感動した。
日曜日の午後3時過ぎで、砂丘の上は足跡だらけ。
丁度団体の観光客が先に歩いている状況だったけれど、雄大な風景の中ではそれも全く気にならない。

鳥取砂丘
曇り空も砂丘の風景を引き立ててくれているようだ


逆に団体客が蟻の群れの様に見えて、余計に砂丘の大きさを実感させられた。
空を覆っている黒い雲も、砂丘の風景に妙に合っている気がする。
そんな風景の中でも、ウエディングドレスを着た女性が記念撮影をしているのにビックリした。
それが日本人でないことだけは確かだろう。

鳥取砂丘
自分たちの足跡がチキン過ぎて面白くない

砂丘の急斜面を歩いて下りてみる。
真っ直ぐに降りると急過ぎるので、少し斜めに降りてみたが、後でそれを後悔することとなる。

殆どの足跡が真っ直ぐに降りているのに、私たちの足跡だけが斜めに降りていたのだ。
これではチキン野郎の足跡だと思われてしまう。
遠くからでも分かるように、足跡のない場所を選んで降りたのだが、それで余計に目立ってしまったのである。

この日のホテルは風呂とトイレが分かれていて、風呂は何とジェットバス。
ランドリーも無料で使えて溜まっていた洗濯物も全部洗う事ができた。
ただ、ツインの部屋にダブルベッドが二つ。ベッドが部屋のスペースの殆どを占領しているので、室内にテーブルもイスも無い。
何だか風変わりなホテルだったのである。


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