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山陰九州の旅(神話の国しまね)

松江市宍道ふるさと森林公園(4月12日~13日)

北の原キャンプ場を後にして向かったのは出雲大社。
今回の山陰の旅で、一番最初に目的地として浮かんだ場所である。
これまでに熊野や高千穂など神話の土地を旅してくると、神々が集う出雲の地も訪れないわけにはいかなくなるのだ。

駐車場から直ぐに拝殿へと行けるのだけれど、ここでは正しい方法で参拝したかったので、外をぐるりと回って鳥居の下をくぐって境内へと入る。

出雲大社二の鳥居
出雲大社二の鳥居をくぐる、遠くに一の鳥居も見えている


本当は一の鳥居から順番にくぐるのが正式なやり方らしいけれど、車道上の鳥居なのでそれはパスして、二の鳥居から入り、松の参道を歩いて拝殿へと向かう。
境内は桜が満開で、あちらこちらにあるウサギの像が可愛らしい。
このウサギは、古事記の「因幡の素兎」のお話で出雲大社と関係があるようだ。

出雲大社三の鳥居
松並木の間の三の鳥居
出雲大社
境内のあちらこちらにウサギがいる


頭上の巨大なしめ縄に圧倒されながら、出雲大社独特の二礼四拍手一礼で参拝する。
縁結びのご利益があるらしいので、息子の結婚を真剣にお願いした。

出雲大社拝殿
出雲大社参拝


その後、国宝に指定されているご本殿を塀の外から眺めて回る。
横にあった細長い建物は、かみさんの説明によると出雲に集まってきた八百万の神々の宿舎となる社だそうだ。
随分詳しいなと驚いたら、テレビから得た知識らしい。

神楽殿のしめ縄は圧倒的な大きさである。
正式なしめ縄は拝殿にあるものなのだろうが、こちらの大しめ縄の方がアジア系観光客には人気のようだ。

出雲大社本殿
出雲大社本殿をウサギと一緒に拝む
出雲大社神楽殿
アジア系の人達はこちらの方が好みみたいだ


出雲大社の境内は私の思っていたほど広くはなく、時間もあまりかからずに回り終えてしまった。
九州で参拝した宇佐神宮くらいの広い境内を想像していたので、ちょっと拍子抜けである。

次に向かった稲佐の浜は、全国から集まった八百万の神々をお迎えする浜なのだそうだ。
なかなか美しい砂浜で、神々をお迎えするのに相応しい場所である。
などと、神話の世界に入ってみるのも面白い。

稲佐の浜
美しい砂浜だ


次の日御碕神社は、日本の夜を守る神社らしい。
ちなみに日本の昼を守る神社は伊勢神宮。
伊勢神宮と並び立つくらいなのだから、随分格の高い神社なのだと恐れ入ってしまう。
朱塗りの社はあまり好みじゃないのだけれど、ここの社殿は周りの風景に良くなじんでいるような気がした。

日御碕神社
日本の夜を守る日御碕神社



日御碕神社から程近い日御碕灯台は日本一の高さを誇っている。
上まで登れるようなので入ってみることにした。


日本一高い日御碕灯台


参観料200円を取るのだからエレベーターくらいあるのだろうと思っていたら、中で待っていたのは163段の螺旋階段だった。
上まで登って外に出てみると素晴らしい眺めが広がっていた。
せっかく苦労してお金を払ってまで登って来たというのに、かみさんは怖くて外に出られないと言う。
確かに高度感はあるけれど、胸の高さまでの手すりがあるので、怖がるような場所でもない。
かみさんの高所恐怖症はかなり重症みたいだ。

岬の岩場もなかなか興味深かった。
まるで柱状節理のミニチュア版みたいな岩場なのである。
この柱状節理の大きさには何が関係してくるのか、調べてみたけれど詳しいことは分からなかった。

日御碕灯台
かみさんここから一歩も動けず

柱状節理と比べるためにタバコを置いてみた


灯台まで降りていく道には海辺の観光地らしいお土産屋や食堂が並んでいたけれど、その中ではちょっと違和感のあるカフェ風の店に入ってみた。
でもメニューを見ると刺身定食はサザエ丼など他の店と変わりはなく、美味しい昼食を食べることができた。

一旦出雲市内に戻って旧大社駅を観光する。
この建物が平成2年まで、出雲大社の表玄関として実際に使われていたことが信じられない。
それ程古風な建物なのである。
プラットフォームや線路もそのまま残されていて、私の感覚では、出雲市内ではここが一番のおすすめ観光地である。

旧大社駅
レトロ感たっぷりの旧大社駅


旧大社駅
線路とホームもそのまま残っている
旧大社駅
駅舎内部もとても古風な造りだ


そこから一畑薬師、佐太神社と回って松江城を目指す。
一幡薬師は、麓から本堂までの1300段の石段が有名らしいが、車で登ってくると急な石段を少し登るだけで本堂まで行くことができる。
標高の高い場所だけあって、眺めも良い。
「目のお薬師さま」として知られているようなので、目の悪い私は真面目に一幡薬師のご真言「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」を唱えてみた。

一畑薬師
一畑薬師の長~い階段の極一部


次の佐太神社は特に見るべきものも無く、「何でここに来ることにしたんだろう?」と考えてみると、旅行雑誌で「荘厳な大社造、三殿並立の社殿は神社建築史上特筆すべきもの」と紹介されていたことを思い出した。
三殿並立の様子が分かるような写真を撮って松江城に向かった。

佐太神社
確かに三殿並立にはなっている


当初のこの日の予定は、松江市内のビジネスホテルに泊まり、国宝の松江城をゆっくりと見学してから宍道湖に沈む夕日を楽しもうというものだった。
しかし、天気の良い日が続きそうなのにホテルに泊まるのは勿体ないと考え、キャンプ場泊に変更することにした。



そして、九州の阿蘇観光で一日余計に時間をかけた分は、既に九州泊を一日減らして元の日程に戻していたけれど、元々の行程には一日の予備日を設けてあって、それがまだ残っていた。
この後、行程が大きく変わるトラブルも無さそうなので、その予備日を使って観光地の多いこの付近でもう1泊していくことにもしていた。

ただ、一日増やした割りには、次に向かった松江城観光の時間は当初の予定より短くなってしまって、松江城近くの塩見縄手や武家屋敷を歩くのは諦めることにする。
城の周りの桜は丁度満開、桜と城の組み合わせは本当に絵になる。

松江城
桜と松江城


現存天守の城で、しかも国宝となれば、その中を見ないわけにはいかない。
新しい材に取り換えられている部分もあるが、残っている太い柱や梁にその歴史を感じて感動する。

松江城
天守閣内部は古い材と新しい材が上手く組み合わさっている
松江城
天守閣から城下を眺める


そして買い出しを済ませてから、今日の宿泊地である宍道ふるさと森林公園に向かった。
今日のキャンプ場入りもまた午後4時を大きく過ぎていた。
樹木に囲まれたサイトは陽射しも遮られ、湿っているテントは乾いても、湿っているシュラフはこれでは完全には乾かない。
それを考えると、キャンプ場に入るのは午後3時半頃までが理想だろう。

宍道ふるさと森林公園
サイトは快適だけれど


ここのオートサイトは炉に流し、電源まで付いて2200円とリーズナブルである。
ただ、今日は電源は必要ないし、炉を使って焚火できるような薪の調達は無理そうなので、そんな施設が勿体なく思えてしまう。

宍道ふるさと森林公園キャンプ場
こちらの様子をずーっと窺っている猫

これらの施設がないオートサイトは更に料金が安くなっているけれど、そちらの方には数組のキャンパーがいて結構賑わっていた。
料金が高い分は、静かにキャンプを楽しむための追加料金だと思って納得することにした。

野良猫がやってきて私たちをじーっと見ているものだから、少しだけ餌をやってしまう。
すると、次第に図々しくなってきたので、心を鬼にして追い払うことにした。

こちらに来てから、猫にゴミ袋を破られたり、テントに穴を開けられたりしているので、北海道キャンプでのキツネ対策と同じように、猫にも注意しなければならないのだ。

翌朝は素晴らしい青空が広がっていたけれど、気温は3度くらいまで下がり、テントが結露でまたびしょ濡れである。
それでも朝の陽射しを利用して、何とかテントを乾かしてから撤収することができた。

宍道ふるさと森林公園キャンプ場
キャンプ場の管理棟付近からは出雲平野が見渡せた


ただし、この好天も今日まで。
明日は雨の予報なので、キャンプ場を出る前に明日泊まる鳥取市内のホテルの予約を済ませておいた。


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