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山陰九州の旅(山口観光から島根へ)

山口市内ビジネスホテル(4月9日~10日) 石見海浜公園(4月10日~11日)

千畳敷高原を後にして最初に向かうのは、カルスト地形で有名な秋吉台である。

その途中にまず別府弁天池湧水に立ち寄る。
池の水がコバルトブルーに染まって見え、とても美しい場所だった。
湧水の湧き出る池は大体が青く染まって見えるものだけれど、ここは特にその青さが際立っているような気がした。
それは、この地域のカルスト地形に関係していて、カルシウム分を含んだ透明度の高い水が青い光のみを反射するかららしい。

別府弁天池湧水
青く染まった池が美しい


一方、ここから流れ出る川の底は赤く見えている。
これは、綺麗な水にしか生息できないベニマダラという藻によるものである。
カルスト地形で浄化された水が、美しい風景を作り出しているのだ。

別府弁天池湧水
ベニマダラにより川底が赤く見える
ベニマダラは清流で育つ絶滅危惧種とのこと
別府弁天池湧水
この湧水を持ち帰ることも可能
これが後で役に立つことに


その後に向かった秋芳洞。
学生時代にも一度訪れたことがあるはずなのだけれど、その記憶がある筈もない。
中に入ってまず驚いたのはその広さである。
そして直ぐに、秋芳洞の写真では必ず登場する百枚皿が現れる。
そこから黄金柱、巌窟王などと名前の付けられた景観が次々に現れる。

秋芳洞
写真で見るのと同じだなって感想の百枚皿


時間が早くて、観光客も少なく、洞窟の中をゆっくりと見て回れる。
しかし、2年前の四国の旅の時に見た龍河洞の時の様な感動は少ない。
秋芳洞も龍河洞も日本三大鍾乳洞の一つに数えられているけれど、龍河洞の方が鍾乳洞らしい風景を沢山見れらた気がする。

秋芳洞
秋芳洞への入り口
秋芳洞
内部はとても広い


そして次は秋吉台。
秋吉台では展望台からその風景を眺めるのではなく、実際にその中を歩いてみるつもりだった。

秋吉台
真っ白な石灰岩の間を登っていく

秋吉台には幾つかのトレッキングコースがあり、その中から選んだのは長者ヶ森コース。
まともに歩けば2時間30分もかかってしまうので、長者ヶ森駐車場に車を停めて、そこからまずは冠山を目指し、長者ヶ森を経由して駐車場まで戻って来るルートを歩くことにする。

冬枯れた茶色い草原の中に真っ白な石灰岩の塊が無数に転がっている。
ここでしか見ることのできない絶景が広がる。
時間が許せば、一日中でも歩いていたい場所である。

そんな風景の中に長者ヶ森が緑の島の様にポツンと存在している。
何故ここにだけ樹木が茂っているのか、不思議な場所である。

秋吉台
ここでしか見られない絶景である


秋吉台
緑の島の様な長者が森
秋吉台
カルスト地形独特のドリーネ(凹地)が面白い


50分ほどで駐車場に戻ってきた。


昼食はチキンラーメンに

既に昼近くになっていて、何処で昼食を食べようかと考えていると、かみさんがここでチキンラーメンを食べましょうと提案してきた。

別府弁天池湧水で汲んできた水もあるし、良いアイデアである。
生卵に刻みネギまで加えて、変な店に入るよりも美味しい昼食にありつけた。

かみさんと一緒だと、どんな状況下でも食いっぱぐれることだけは無いだろうと、この時しみじみと思ったのである

それから、普通の観光客が利用するカルスト展望台まで行ってみたが、そこからもカルスト台地の中を歩くショートコースがあり、手軽にカルスト台地の風景を楽しむのなら、ここでも良さそうだ。



午後からは萩へと向かう。
萩と言えば幕末に数多くの志士を輩出した地として知られているけれど、今回は「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録された場所を巡るつもりだった。
何せ見どころが沢山あって、ゆっくりと見て回れば二日はかかりそうなところを半日で回り、それから山口市のホテルに向かうのだから、見る場所を絞らないと時間が無さすぎるのである。


随分新しいなと思ったら数年前まで小学校として使われていた建物だった

最初に入ったのは萩・明倫学舎。
無料で館内ガイドもしてもらえるのだけれど、ゆっくりと見て回る余裕はない。

全く予備知識もなく歴史のある建物だろうと思って入ったところ、ここは平成26年まで小学校校舎として使われていた建物らしい。
それを聞いて急に興味を無くし、早々に明倫学舎を後にする。

次に向かったのは世界遺産の資産の一つである萩城下町。
往時の面影を楽しみながら城下町を歩いていると、木戸孝允旧宅とか高杉晋作誕生地などが目に入る。

昔の古い民家を見てもしょうがないので、重文にも指定されている菊谷家住宅に入ってみた。
庭も美しく建物も立派だったけれど、一番印象に残ったのは畳敷きのトイレだった。


城下町のミカン泥棒

こんなトイレは汚せない


萩城址まで足を延ばしたかったけれど、時間が無いので途中から引き返して、次は車で世界遺産を回ることにする。
最初に向かったのは恵美須ヶ鼻造船所跡。


鉄ピンとトラロープだけの世界遺産は初めて見た

写真で見ても、石を積んだ防波堤の様なものしか写っていなくて、どんな場所か今一分からずにいた。
それは現地に着いても同じで、とりあえず石積みの防波堤の写真を撮っていると、かみさんがトラロープの張られた工事現場の様な所に入っていった。

「勝手に入っても良いの?」と声をかけると、どうやらそのトラロープは、昔の造船所跡の区割りを示すものらしい。
多分、これから整備を進めるのかもしれないが、鉄ピンとトラロープだけの世界遺産は初めて見た。

次に向かったのは萩反射炉。
私が一番見たかった場所だけれど、施設そのものよりも、その周りの桜が美しいかったことの方が印象に残ったのである。
これらは、「明治日本の産業革命遺産」として九州で見てきた万田坑と同じ位置づけなのだけれど、どうも萩の世界遺産は少し地味な気がする。
幕末関係の史跡や産業革命の遺産は、その背景を深く理解して初めてその価値が分かるものばかりで、駆け足で見て回るようなものではなかったのである。

萩反射炉
桜に囲まれた萩反射炉


それから山口のホテルへと向かったが、キャンプ場と違ってホテルの場合は到着が少々遅くなっても大して関係はない。
チェックイン前に、山口市内にある瑠璃光寺を見ていくことにした。
ここの五重塔は国宝に指定されていて、京都の醍醐寺、奈良の法隆寺と並んで日本の三名棟の一つに数えられているのだ。
境内の桜も満開で、美しい風景を楽しめた。

瑠璃光寺五重塔
桜と五重塔、絵になる風景だ


この日泊まったホテルは山口市内の湯田温泉の中にあり、ビジネスホテルでありながら温泉大浴場があって、朝食付きで料金は1人3290円。
こんなところに泊まっていると、高いお金を払ってオートキャンプ場に泊まるのが馬鹿らしくなる。

夜から降り始めた雨は朝になっても降り続いていた。
天気が良ければ、この日は岩国市の錦帯橋を見てから広島県の三段峡トレッキングを楽しみ、そのまま近くのキャンプ場に泊まるつもりでいた。


湯田温泉駅前の大狐

しかし、雨の中をトレッキングする気にもならないし、この辺りの観光地は九州からの帰りに寄り道するところがないか程度で選んだ場所なので、きっぱりと諦めることにした。

本来の目的地である石見銀山方面に向かい、天気も悪いのでバンガローのあるキャンプ場に泊まることにする。
石見海浜公園のバンガローを予約できて、これで安心してホテルを出ることができた。

せっかくなので、湯田温泉の温泉街を少し歩いてみる。
山口市の名物は外郎(ういろう)なので、温泉街にあった「御堀堂」で生外郎を購入。
かみさんの希望で「中原中也」記念館に入る。
かみさんが中原中也を好きだったとは知らなかったが、小学校か中学校の教科書にその詩が載っていた程度の話しらしい。

湯田温泉には白狐伝説なるものがあるらしく、街角にも所々に狐の像が飾ってあったりする。
そんな風景を楽しんでから、津和野へと向かうことにした。


温泉街の所々に狐の像がある

温泉街の足湯にも狐が



今回の旅の行程を考えている時に、津和野は候補地の中に入っていたけれど、津和野に寄ることはどうしても遠回りになってしまうので、最終的な行程表からは外れていたのである。
それが、山口市内から今日のキャンプ地へ向かう時、その途中に丁度津和野が入ることとなり、再び観光の目的地となったのである。

西周旧居
藁ぶき屋根が雨に濡れ良い雰囲気だった

時々雨が降る中、道の駅に寄り道しながら走り、津和野道の駅で昼食。
そこの頃には雨もほとんど止んでいた。

津和野城址へ向かう途中、藁ぶき屋根の古い家に目が留まり、寄り道する。
そこには西周旧居の看板があり、無人のまま自由に内部を見られるようになっていた。

西周のことは全く知らないけれど、建物はこの地方の小規模な武家屋敷の構えをよくとどめているらしい。
こんな施設を無料で見ることができ、それだけで津和野のイメージが良くなる。

津和野城址へは、リフトに乗ってさらにそこから20分ほど歩かなくてはならない。
私たちの足なら10分もかからないが、簡単にアクセスできないのも魅力の一つである。
城郭も何もなく、ただ石垣が残されているだけ。
それでもその石垣は、城があった当時のままほぼ完全な形で残っているらしく、なかなか見ごたえがある。

津和野城址
苔生した津和野城址の石垣


そしてここの一番の魅力は、石垣の上から見下ろす津和野の町である。
「眼下に見える」との言葉が、ここでは正にその通りだと思える。

津和野川沿いに細長く広がる赤瓦の街並み。
それを取り囲む山々は、雨上がりの霧に包まれ、何とも美しい風景だ。

津和野城址
津和野城址からは津和野の街並みが眼下に見下ろせる


津和野まで来る途中の町々も、同じような赤い瓦屋根ばかりだった。
これは、島根県の石見地方で生産される石州瓦が使われているかららしい。
独特の地方景観である。

太鼓稲荷神社
なかなか立派な本殿だ

城を下りて、太鼓稲荷神社に参拝。
ここは日本五大稲荷の一社に数えられているくらいに、なかなか立派な神社だった。

ただ、ここの千本鳥居は30本くらいの鳥居をまとめて束ねて建てた感じで、千本鳥居らしい風情が無いのが残念だった。

その後は津和野の街歩きを楽しむ。
町の中の水路には鯉も泳いでいる。私は鯉よりも北海道には生息しないメダカがいるのを見て嬉しくなる。

歴史を感じさせる建物があったので中を覗いてみると、津和野町役場津和野庁舎の看板がかかっていた。
古いガラス窓の中には、如何にも役場らしい雑然とした様子が映っていて、そのギャップがなかなか面白い。

津和野
コイが泳ぐ津和野の水路


津和野町の観光を終えて石見海浜公園を目指す。
空はどんよりと暗く、気温も低く、そんな中を車を走らせていると、気分も落ち込んできそうだ。

予約してあったケビンは小型の2~3人用で1棟3280円。
受付の際に、荷物運びが楽なケビンと、駐車場から少し離れるけれどエアコンの付いているケビンがあると言われ、その2者択一にうろたえてしまった。
今日の寒さではエアコン付きが魅力だけれど、やっぱり荷物運びが楽な方を選んでしまう。

石見海浜公園ケビン
石見海浜公園の2~3人用ケビン
石見海浜公園ケビン
内部は結構広い


2~3人用だけれど、中は結構広く、これならば4~5人用と言っても十分だろう。
再び雨が降り始めたけれど、ケビンの中では全く気にならない。

今回の旅の中では一番天気の悪い一日だったけれど、そんな中でも観光を楽しめて、キャンプも屋根付きの小屋の中で寝る事ができて、悪条件を上手く切り抜けられた一日となったのである。


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